オピネル展示室

その二

小型オピネル


やっぱきナイフはオピネルがかわいい。小さいものは特にかわいい。
これはそのNo.6のブレードのブロックのないものです。

No.2からNo.13までが現在市販されますが、このNo.6にはブロックのあるものとないものがあります。これより大きいものには必ずブロックがあり、小さいモデルにはありません。ちなみにオピネルのブレードのブロックを、特にビロブロックとよびます。
小型オピネルという範疇が公に認められているわけではありません。私がNo.2からNo.7までを勝手にそうよんでいるだけです。No.8以上を大型としました。とりあえず「小型」のサイズを一覧してみましょう。ちなみにNo.1は現在のところ欠番です。
サイズ No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7
全長 (mm) 83 100 116 140 164 180
ブレード長 35 42 50 60 72 80
ごらんの通り、最小のものは小銭入れに収まるサイズです。あまり小さいので使いづらそうですが、携帯性の良さからかえって使用頻度が高いのがNo.2です。
本国フランスでは鼻の大きな人が多いので、鼻の穴に入れて持ち運びする人がおり、たまに中で刃が飛び出して鼻の穴が三つになった人を見かけます。日本人が真似をしてはいけません。



No.1(下) と No.2 (上)

2006年8月、ついにNo.1 の写真を入手しました
ベルナール・ジベルノーが送ってくれたものです。
戦前のものらしいです



No.1から No.4までの
比較です



下の写真がNo.2です。そして右がNo.3。どちらも刃を出した状態でさえタバコより短いことがわかります。
No.2の多くはキーホルダーとして使用されます。しばしばハンドル(柄)がプラスチックだったりします。上の二本がそうです。下は木製のハンドルがついていて、ハンドルのロゴの赤いものがキーホルダー付きです。一番下のモデルは炭素鋼のブレード付きで、ハンドルのロゴはありません。このタイプは少々古いようです。ブレードには「OPINEL」とのみ書いて(彫って)あります。

No.3は残念ながらあまり出番がありません。No.2ほどの携帯性もなく、大きさが中途半端だからでしょうね。でも、偶然でしょうが、このモデルにはハンドルの木目の綺麗なものが多いようです。ちなみにNo.2はキーホルダータイプがたまに売られていますが、No.3は日本では見かけません。正規代理店が輸入してないのかもしれません。旅行でフランスに行かれた方は是非是非お求めを。
 


No.4はやはりキーホルダーとなっているものが多いようです。ケースに収まっているものもあります。
カラーモデルというのもあり、赤、黄、緑、青の四色を確認済みです。
それ以外にもアルベール冬季五輪記念モデルに赤と白があります(左上)。おそらくそれ以外の色もあるらしいのですが、未入手です。

ケース入りのものは腰に下げて持ち歩くには手頃な大きさです。

これがNo.5。時代とともにロゴが変わってきます。一番上は1980年代はじめまでのモデルで、その下はその後10年ほど出回ったもの。一番下が現行モデルです。

どのモデルにも昔から「La main couronnee」という文章がロゴの横に書いてあります。「王冠をかぶった手」と直訳し得ます。言葉だけでなく、かつてはそれとわかる絵もハンドルとブレードの両方についていました。これは「器用な手」、という意味かと勝手に思っていたのですが、どうやら「祝福された手」ということらしいです。宗教と関係ありそうですが、由来はわかりません。
誰か知っていたら教えて下さい。


No.6は種類が豊富です。それぞれロゴの違いもはっきりしています。左端はこのページの最上段にあるものと同じでビロブロックがついていないもの。右端はステンレスモデル特有の赤いロゴ入り。その左隣はステンレスのブレードがミラー仕上げになっており、ロゴは白か黒。現品は使いこんでロゴが消えてしまい、どちらだかわからなくなりました。このモデルはハンドルの材質も違います。ハードウッドとかいってますが、樫のことでしょうか。普通のモデルはブナの木だといわれます。ナラだ、いやサクラだという人もいます。私にはどれが本当かわかりません。これではコレクターとして格好が付かないので、誰かこそっと教えて下さい。


そういえばフランス人に植物の質問をしてもラチのあかぬことが多いのです。かつてタンポポを指さして
「あれはフランス語でなんというのだ?」と聞いたら、
「あれは雑草だ」と答えるので、
「でも、雑草でも名前はあるのだろう」とくいさがると、
「雑草に名前はない」と言われました。
別の人はわざわざ植物辞典で調べてくれたのですが、結局ラテン語の学名しか見つけられなかったようです。
ちなみに俗名は「ダン・ド・リオン(ライオンの歯)」、もしくは「ピソンリ」とか辞書に書いてありました。「ピソンリ」の方は、ひとつ間違えると「ピス・オ・リ(ベッドで小便=おねしょ)」と間違われるので、「ダン・ド・リオン」を用いる方が無難かも知れません。なかなか含蓄のある言葉とも思えます。しかし、どうしてこの名前を知らないフランス人がいるのでしょうか?いまだに首をひねります。

 

No.7あたりから食卓ナイフとして実用に供されます。子供ならNo.6でも使えるでしょうが、一般にフランスの家庭では女性はNo.7もしくはNo.8、男性はNo.8からNo.10くらいを使うことが多いようです。

フランスの大衆食堂では、客が自前のオピネルをポケットから取り出し、それで食事をする風景がよく見られます。使い終わったらナプキンで汚れをふき取り、そのままポケットにしまいます。刃には料理の油が付いているので滅多に錆びません。

上に写っている硬い布製のケースは日本製のようです。ベルトにとりつけることができます。しかし、そとへ食事にいくときにこれをベルトにつけて出歩くことは日本では考えづらいですね。