オピネル展示室
その五

特殊なタイプと記念モデル


ここに陳列されるオピネルは、日本では入手不能の物が多いです。記念モデルは一時期は日本でも売り出すものの、売り切れたらおしまいです。フランス人のコレクターからもらう電子メールでも、「はじめて見た」書いてくる人がいます。



2003年11月、また貰い物をしました。
アルベールヴィルのロジェからです。

今回は彼が、オピネル社の社長から
もらったという、非売品です。
そんなものを私がもらって良いのかしら?

1994年に通し番号付きで作られたNo.2 です。
145番という数字がエッチングされてます。


ありがたや、ありがたや
もったいなや、もったいなや





パリに住むフィリップ・ルゴタ氏は、スキー場で有名なアルプスのクルシュヴェルに別荘をお持ちだそうです。

西暦2000年にその50周年を記念して、左のナイフを40本、特注したそうです。オピネル社に頼むと、こういうことができるのですね。

そのうちの一本を私にくれたんです。この2002年の正月から本格的に出回りはじめたユーロコインを二つおまけにして。

見ず知らずの人でしたが、ある日メールをくれて、これを渡したいので住所を教えて・・などといってくれたんです。
ここ数年、よくあることになってしまいました。ありがたいことです。

しかもそれだけじゃなくて、このナイフもくれました。
自然とその道具という特別モデルです。
生の木のハンドルにはニスさえ塗ってなく、炭素鋼のブレード、
木と紙でできた箱に、自然砥石、オピネルで作る工芸品(小さな船とか、おもちゃの水車とか竹笛など・・)の解説が書かれたブックレットが入っています。




このサイトに時折話題や写真を提供してくれるジャックーフルネ ファイヤールが
解説とともにこの二枚の写真をくれました。同じ写真の表と裏です。大きさは4号。

2000年に,米国のアナハイムで行われた国際ロータリークラブの総会のために作られたものだそうです。
当時、現オピネル社の社長も、シャンベリー市・同クラブの会員だったようです。






ついにでた!という感のあるセラミックブレードオピネル。ジルコニア・セラミックという材質だそうですが、どういうものなのか、私にはなんだかよくわかりません。
刃はさほど研ぎすましたものではないので自分で研ぎたくなるところですが、相手がセラミックでは容易ではありません。
結局、お飾りアイテムの域はでません。
そんなこと、最初から分かり切ってますがね。






フランスの中学生達が、オピネル工場を見学した際に見つけたものを、私にプレゼントしてくれました。工場見学の前に私のサイトを見て予習していったのだそうです。
このオバカなHPがそういう形でフランスの学校教育に貢献できるとは、思いも寄らぬことでした。いずれにせよ彼らの気持ちがうれしいです。 
St. Jean de Maurienne とはオピネル発祥の地。その2000年記念モデルです。


オピネル社が西暦二千年を記念して売り出したゴールドチタンメッキの "History 2000"。
しかし、研いでしまえばせっかくのチタンメッキもはがれましょう。これでは使えない。
いかに記念モデルとはいえ、ちょっと寂しいですね。
革シース付き、通し番号がブレードに刻印され、創業者の肖像が付属のメダルについてます。
たしかに豪華です。



ここに陳列いたします記念モデル二種類とボーキューズモデルは、フランスの友人パトリスから送ってもらいました。届けてくれたのはサンテチエンヌから来たアラン。皆、このサイトを通じ合って知り合った友人たちです。


ノルマンディー上陸
50年記念モデル
英語版、仏語版


フランス料理の鉄人。ポール・ボーキューズモデルです。鉄人は同時に商売人でもあります。このナイフもリヨンにある自分のレストランで売っているそうです。まるでファミレスのおもちゃみたいです。

ポール・ボーキューズモデルと銘打ってあるわけですが、特にかわった仕様ではありません。ハンドルがブビンガ。それに金文字でこの料理人の名前を書いてあるだけです。
フランス革命200年記念モデル
自由の女神が被っていた帽子をハンドルに彫刻してあります。
記念モデルの中でもハンドルの形が変わるほどを彫り込んであるのは、私が知る限りこれだけ。
制作はオピネルに縁の深いアドリアン・フロッサールです。記念モデルという以上、これくらい凝ってもらいたいと思います。
通し番号がついていて、私のはなんと111番。
んーーーー、満足の一本。もう一度ありがとう、パトリス。



このシリーズはアメリカのボーカー社から通信販売で買いました。
フランスの木シリーズはフィレナイフですでに6種類ありますが、こちらは普通のNo.8で、トネリコ、樫、クルミの3種類です。
ロゴの代わりに木の名前と絵が印刷されてます。刃はステンレスです。
詳しい説明がジャン・ビュアレの展示室にあります。

自然の木シリーズにオリーブが加わりました。模様の美しさはこれが一番です。

左はアルプスの紋様シリーズの6本です。柘植のハンドルに彫られた6種の模様がアルプスを象徴するのだそうです。
6種の模様とは Rosace(薔薇飾り模様), Coeur(ハート), Soleil(太陽), Bijou(宝石), Soleil et Spirale(太陽と渦巻き), Edelweiss(エーデルワイス)であります。

どうもステンレスモデルの紹介はイマイチ素っ気なくなります。柘植のハンドルは決して悪くないのですが。

それぞれのアップも下に陳列いたします。
 

Rosace
Coeur
Soleil et Spirale
Bijou
Soleil
Edelweiss

 
さて、記念モデル。

まずはオピネルの原産地であるサヴォワのオリンピック記念モデル。最近わかったのですが、これはアルベール五輪記念だそうです。記念モデルにしては珍しくNo.7の炭素鋼です。ブレードにも五輪の炎マークが彫ってあります。ハンドルは普通の木ですが、真っ白に塗ってあるのは冬季五輪の雪をイメージしているのでしょうね。

これはNo.4です。
この五輪がいつのことだったかもう私は覚えていないほど昔のことですが、この記念キーホルダーを手に入れたのは西暦2000年に入ってからでした。つまりは売れ残りなのでしょうが、それでもありがたいことです。赤いケースに入った白いモデルと、ハンドルに鎖の付いた赤いモデルがあります。これ以外にも色々な色があるようです。

ワールドカップモデル五種類。
右下の写真の四本は楢の木のハンドルですが、青、白、赤の三色に塗り分けられたものはステンレスブレード、生木のままのモデルはうれしいことに炭素鋼です。こうなるとステンレスの三色ハンドルは私にとっては単なるお祭りアイテムです。

まだワールドカップも開催されない1998年春、英国首相がフランスだかオピネル社だかにいちゃもんを付けたようです。
「フーリガンがこれを使って会場でワルサをするのではないか?だからこれ以降の製造は中止してほしい」
ということのようです。あろう事かオピネル社はこれを受けて本当に製造を中止してしまいました。日本でも子供たちのバタフライナイフが問題となっていた時期です。似たようなことがあちらでもあるのですね。
たしかビクトリノックスも「大会の公式ナイフ」とか称して記念モデルを発売してますが、そちらはどうなるのでしょう。ツールナイフはかまわないのでしょうか。ストッパーもついていないナイフでは自分が怪我をするのがオチでしょうが。
私の義兄がパリで柘植ハンドルの高級モデルを買ってきてくれました(左上の写真)。
下にでてくる「映画百年モデル」と同じく、缶入りです。
箱はごてごてしてますが、この柘植のハンドルの簡素さが無茶苦茶気に入ってます。幸せです。


ここからはすべてステンレスブレードのNo.8。
自由の女神100年記念。どなたもご存知でしょうが、マンハッタンの自由の女神はフランスにプレゼントされたものです。


コロンブス新大陸発見500周年。アメリカ大陸の先住民にしてみれば侵略開始500周年だというお話もございますが、フランス人はノーテンキなせいか、意に介しません。第一フランス人には直接関係ないような気もするのですが....。
エッチング入り、ミラー仕上げのブレードはたしかに良いです。ハンドルにはめ込みの"OPINEL"のプレートがちょいとチャチですが。

 

映画誕生100年。日本にあるPMCという代理店を訪ねたときにもらいました。映画といえばハリウッドとだれしも連想しますが、フランスのリュミエール兄弟が発明したという話は有名でございます。ケースとなっている缶は映画フィルムを収めるケースを模したものであり、ハンドルの色もブレードの模様も白黒フィルムをあしらってます。けっこう凝ってますよね。


ところで、映画だけでなくスチールカメラを発明したのも”フランス人のコダックだ"といっていたフランス人がいます。本当でしょうか。私が住んでいたアパートの近所の高校生は、私が日本のパチンコでとったスイス製の安時計を馬鹿にして、
腕時計はわがフランスのCITIZENが世界最高だ
と申しました。
彼らの自慢話を真に受けるのにはいささかのためらいを感じるおひねるであります。