ディスク購入ガイド2 店頭編






■ 店頭で購入するということ

筆者が中古店や外資系大型店へ行くのは、「〜を買にいく」という明確な目的からではなく、常に自分の中にあるリストにヒットするものを拾いに行くためです。よほどの義理がなければ新譜をチェックしフルプライス(再発売などの廉価盤ではない、新譜の価格)の新品を買うということもなく、何かを知る度に聴いておきたいディスクの長いリストは更新されていくばかりとなります。とても追い付きません。

では、「あのディスクを買いに行こう」ということになると、次のようなことは認識しておかれたほうがいいと思います。


・店頭に期待しない

毎月とにかく膨大な点数が発売されます。店頭にいつまでも古い(この「古い」の基準が買い手と売り手では違うのかもしれない)ものが残されることは期待できませんし、地元の中小規模のCD店などでは新譜なのに入荷されないということもあります。発売から時間が経ったものは、メジャーなものであっても、たとえこれは定番と思えるものであっても、意外なほどに見つからないということも少なくありません。

・店頭に期待する

とは言え、オンラインショップと違い、やはり視覚的にずらっと実物が並ぶということの利点は大変なものです。もちろんデータベースに反映されていない新譜や(時には廃盤も)見つけるという強みもあります。検索云々に比較して明らかに楽に見渡せる、レーベルを越えて探せるなどのことは重要です。そして、これが最大の利点ですが、「自分が知らなかったディスクを発見する」こと。ネットであれば、こちらが知らなければ検索することもなく、それは未知のままです。

・レーベル単位で視覚的に探せる

また反対に、CDはレーベルごとに背のデザインが統一されていることが多く、それを頼りに探すことができます。こういう経験を身に付けるためにも店へ足を運ぶ習慣は意義のあることです。レーベル買いで当たること、数知れずですので。また、ディスクユニオンの好企画が有名ですが、レーベル単位で集めた在庫をまとめて紹介するというケースもあります。

・「こんなの買うやつ...」は、あなたの他にもいます

ある店で見つけたCDをその場で買わずに次回訪れると、大抵はなくなっています。こんなマイナーなのを買う奇特さんなんて他にいないだろう、と思っても、現に私やあなたがそうであったりするように、他にもいます。前述の通り、限られた店舗スペースという問題もあって、あるディスクが「どの店に売っているか」という問いは、これらの流動的要素によってほとんど意味がありません。そう、限られたスペースになぜこんなものが置いてあるのか、それが売れるだけの潜在的市場を見込んでいるからであり、店頭でそれを手に取って見るわたしたちはまさに顕在するマーケットであるという訳です。


■ 特定分野に強い専門店

それでは、あるディスクが高い確率で置かれている店はないのかというと、超大型店舗以外には、やはり専門店ということになります。こういう店は大都市圏にあるのが一般的で、店頭で見て楽しむことに地理的制約がどうしてもでてきてしまうものですが、このサイトで取り上げているようなディスクをネット経由の通信販売でも扱っているところとしては、

eARS
VISCO!

などがあります。専門店は、独自の品揃えを維持するために品切れの再入荷に熱心で、こうした安定供給はありがたいものです。またマーケットの小さなマイナーレーベルを長期にわたって(大型店のいわゆる「展開アイテム」としての一時的在庫ではなく)扱うという傾向も見逃せません。こうした専門店には海外レーベルの日本窓口の役割を担っているところもあり、あのレーベルはこの店で、という安心感が得られます。



・h o m e・