| 漢法相談の内容 | 掲載されている 「元気だより」 |
| アトピー性皮膚炎 | 2000年 12月号 No.1 |
| 喘息 | 2001年 1月号 No. 2 |
| 汗 | 2月号 No. 3 |
| 不眠 | 3月号 No. 4 |
| 乾癬1 | 4月号 No. 5 |
| 目の出血 | 5月号 No. 6 |
| 子宮癌 | 6月号 No. 7 |
| 肌のかゆみ | 7月号 No. 8 |
| 乳癌 | 8月号 No. 9 |
| 乾癬2 | 9月号 No.10 |
| 便秘 | 10月号 No.11 |
| 高血圧 | 11月号 No.12 |
| 臓腑の熱*漢法での治療について | 12月号 No.13 |
| 静脈血栓 | 2002年 1月号 No.14 |
| 小児偏頭痛 | 2月号 No.15 |
| 皮膚のカユミとタダレ | 3月号 No.16 |
| 不妊症 | 4月号 No.17 |
| 乳癌 | 5月号 No.18 |
| 親指 | 6月号 No.19 |
| 不眠症 | 7月号 No.20 |
| 痩せたかったのに、太れなくなった | 8月号 No.21 |
| 尿路結石 | 9月号 No.22 |
| 癌 | 10月号 No.23 |
| ニキビ | 11月号 No.24 |
| 生理痛 | 12月号 No.25 |
| 発熱 | 2003年 1月号 No.26 |
| 漢方適応症1 | 2月号 No.27 |
| 漢方適応症2 | 3月号 No.28 |
| グレープフルーツの香り | 4月号 No.29 |
| インド人の先生 | 5月号 No.30 |
| 脇腹痛 | 6月号 No.31 |
| 神経症の患者がハリの実験台に? | 7月号 No.32 |
| 不妊症 | 8月号 No.33 |
| 不妊症 | 9月号 No.34 |
| 瀉剤 | 10月号 No.35 |
| 板藍根 | 11月号 No.36 |
| 治療は家族と | 12月号 No.37 |
| おめでた | 2004年 1月号 No.38 |
| 肥満 | 2月号 No.39 |
| 寒天のおはなし | 3月号 No.40 |
| 膝の痛み | 4月号 No.41 |
| ローズクォーツ | 5月号 No.42 |
| 体脂肪減少1 | 6月号 No.43 |
| 体脂肪減少2 | 7月号 No.44 |
| ご出産おめでとう | 8月号 No.45 |
| 不妊症 | 9月号 No.46 |
10月号 No.47 |
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11月号 No.48 |
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12月号 No.49 |
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アトピー性皮膚炎 さくらガーデン元気だより 2001年 12月号 No. 1 ページの最初へ戻る | 乾燥のきついこの季節、ご相談の一番多いのは、肌のトラブルです。 アトピー性皮膚炎がやはり一番です。かゆみがきつく、掻いたため出 来てしまう色素沈着は、年頃の女の子ではとても悲しい悩みです。 小学五年の女の子が半月ごとに来店します。 お薬を飲み始めて2週間ほどで、先ず膝裏・肘の内側の赤みがとれま した。でも首はまだ赤い。その後4週間ほどで首も赤みが取れました が、次は手のひらにに突然ブツブツをが出てきて、お薬を変えました。 清熱を主にしたお薬からおけつ取る薬を増やしたのです。半月でブツ ブツがひいて、かゆみも一段落。でも跡が黒く残っています。そうし て乾燥。血を増やす薬を主にして1ヵ月。今はもう、じっと見ないと 分かりません。とてもきれいになっています。でも用心して、もう少 しのんでもらっています。 症状が取れたと思っても、1〜2ヶ月は服薬が必要です。そうすると 再発はほとんど無いようです。 冬場にはお風呂に薬草を入れることをすすめています。薬湯は、お薬 を服用することと同じです。清熱薬をのむような症状には清熱作用の ある薬草風呂・血を増やすお薬をのむような人はそういう薬草風呂がい いのです。 ちょっと訊いてみると、知らないことをよく教えてもらえます。漢方薬 剤師をご利用ください。 |
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喘息 さくらガーデン元気だより 2001年 1月号 No. 2 ページの最初へ戻る | 前回は、アトピー性皮膚炎について書きました。 小学五年生のあの女の子は、昨日、薬局にやってきました。 肌には、もう全く病根がありません。ニコニコしたお顔も白く、頬の ピンク色がとても可愛くて、思わず触ってしまいました。丸餅みたい にシトシト、モチモチしています。 「ヤッチャンが、後で、お母さんと来ます」 ヤッチャンは、彼女の弟で、半月前から喘息の薬をのんでいます。生 まれた時からの喘息で、冬場は朝の発作がでます。 初診では、肺の邪熱が強く、それが大腸に伝わってひどい便秘でした。 漢法医学では、肺と大腸は表裏の関係といって経絡がつながり、深く 影響しあいます。まづ、肺と大腸の邪熱を取る清熱薬を作りました。先 日の電話で、お母さんが、「びっくりする程の便が出まして、その後、 発作が随分楽になったようです」と言っていました。清熱薬をもう少し 続けたら、肺に滞りがちな水を下焦に下ろす薬に切り替えていくように なると思います。来年の冬には発作が出なくなるといいなと、女の子も お母さんも、私も願っています。咳の苦しさは、本人だけでなく家族に も辛いものです。 去年の春先、年配の御婦人のHさんがご自分の丸剤をお買いになったつ いでに南天実もお持ちになりました。次に丸剤をお求めにいらした時、 「主人の喘息が、すっかり南天で治ってしまいました」と目を丸くなさ っていました。 そんな事もあるのです。植物の力、先人の知恵はすごいです。 |
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汗 さくらガーデン元気だより 2001年 2月号 No. 3 ページの最初へ戻る | 汗で悩んでいらっしゃる方は、結構多いものです。 「子供の頃から、アブラ足で……」などとおっしゃいます。あるいは、 手のひらがいつも湿っていらっしゃる方もいます。そういう方達は、総 じて、甘いものがお好きです。よく召し上がっているものです。 「好きですが、そんなに食べていません」とキツクおっしゃる方もあり ます。でも、体は物理的な存在ですから、正直に反応しているのです。 もちろん、そんなに多く食べていない方もいます。それだけ甘い物に対 して体が弱いということになります。 甘い物は、体に悪い水を溜めます。その湿気が皮膚から出てくるのです。 その水が関節などに貯まると、ひどい痛みに苦しむこともあります。体 の上部に上がってくると、ひどいめまいが起きることもあります。水は 重いですから、普通は体の下にたまりやすく、そうなると下半身に強い 冷えを起こすこともあります。 汗の治療には、化湿薬あるいは利水薬という、体の中の悪い水を排泄さ せる生薬を多く使います。それから、甘い物を極力控えて頂きます。 先日、しつこい風邪に悩んで、あるご婦人が来店されました。咳がとれ ない、痰が多くて夜も寝ていられない、というご相談です。お話を伺っ ていると、鼻の頭に大粒の汗。よく訊くと、昔からの大汗で、夜はパジ ャマを2〜3回も取り替えます、と言うのです。早速、水を取る薬です。 5日後にお出でになった時、汗は見えません。 「汗も痰も、咳も出ないんです」 びっくりなさっていました。 |
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不眠 さくらガーデン元気だより 2001年 3月号 No. 4 ページの最初へ戻る | 不眠。 縁のまったく無い方もいらっしゃれば、長年の友という方もおられます。 当薬局の最近のケースでは、2つのタイプが目立ちます。 「心血虚」と「湿熱」です。飽食の現代では、どちらも飲食からくる邪 熱が「脾」という臓をやぶったことが原因です。いわゆる美味の摂り過 ぎです(表のページに飲食の話がありますが)。不安感が強く、なにも 問題はないのに落ち着かず、眠れないのが心血虚の特徴。体力的には問 題なさそうなのに、興奮が夜になっても醒めないような感じで寝付けな いのが湿熱の大まかな特徴。 どちらの症状の場合も、甘いものや脂のきつい飲食は避けるのが、養生 の基本です。そして脂や甘いものの摂取によって体に蓄積された邪熱を 取る薬を治療に使います。 臓腑の傷れ(やぶれ)が軽い場合は、飲食にさほど神経質にならなくと も、薬だけでじきに良くなります。臓腑の傷れが重い場合は、やはり飲 食の節制が必要です。もちろん薬による治療も必要なことは言うまでも ありません。 「美味の摂り過ぎだなんて、私には縁遠い話よっ」と思われる方もいら っしゃるでしょう。しかし体は正直です。原因がなければ、問題は生じ ません。もう一度、自分の飲食の仕方を振り返ってください。「食べた い、飲みたい」という欲望をコントロールするのは、とても一朝一夕に できるものではありません。様々な病を得て、当薬局で治療している方 々も、みな自分の欲と闘っていらっしゃいます。 |
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乾癬1 さくらガーデン元気だより 2001年 4月号 No. 5 ページの最初へ戻る | 乾癬。……ご存知の方は、ああ、あれね、と、少し苦い顔。知らない方 は、一体、何? と、全くご存知ない。 皮膚が赤紫色になり、肉が裂けて、皮がどんどん剥けてくる皮膚病です。 温まると痒くなる方もいれば、自覚症状としては何もない、ただ皮膚が 病気なだけ、という方もいます。いずれにしても異常なのに、ご自分は いたって健康だと思っていたりします。でも、健康な人にそんなでき物 はできませんので、御注意を。 大方の原因は、脂と香辛料です。つまり、肉や香辛料の食べ過ぎです。 今年一月から来局しているOさん(五十歳)は、半月ずつお薬を取りに きます。四回目にお会いしたのは、二週間前ですが、お腹の赤い斑点が なくなって茶色の痕になっていました。脚の皮ムケも以前のような分厚 いものではなく、うっすらと剥けているだけでした。紫色の皮膚の色も うすくなったようです。一ヶ月で体重が5キロ減って、 「こんなに痩せて、僕は、大丈夫ですか」 などとおっしゃっていましたが、「体調はすこぶる良です」ということ で、「十代の体重に戻れそう……」と、春らしく色めきだっていらっし ゃいます。 乾癬は、漢方治療と食事療法の二本柱で治す病気の一つです。どちらが 欠けても治りにくいのです。この病気が治るころには、他の気になる問 題も消えていることが多いのも特徴です。 |
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目の出血 さくらガーデン元気だより 2001年 5月号 No.6 ページの最初へ戻る | 目の疾患には色いろありますが、いずれの症状にも一種独特な恐怖が付 きまとうものです。それは、恐怖心を生じる腎との関連があるのですが、 今回はその話でなく、出血のお話です。白目に出血を起こすということ で来局されたTさん。週に2〜3回、真っ赤な出血があります。血管を 強くする新薬を服用しているが、全く効果がなく、不安で夜も眠れない と、身を乗り出してかきくどくように話します。見ると、ご説明のよう に白目に真っ赤な鮮血が血マメのようについて、すこし滲んでいます。 その他の所見としては、眼圧と血圧がやや高め、頭痛。肩こりがひどく、 ムクミや不整脈もあります。 不正出血の多くは、漢法医学的には血熱妄行という症状です。血分に邪 熱が蓄積して起こる症状で、治療の最初は血脈を主どる心(しん)の熱 を取ります。 Tさんの場合もまづ心の清熱薬をお作りしました。服用2週間で大きな 出血は無くなりました。ときどき小さな出血がありましたが、その頻度 も月に一度、やがて二ヶ月に一度と減り、服用五ヶ月で全く起きなくな りました。 今は、血液や水の代謝をよくする治療が主になっています。眼圧が少し 高めなのが気になるためです。 頭痛・肩こりは殆どなくなり、不整脈も気にならなくなっています。そ れよりも、出血に伴う得体の知れない不安感が落ち着いたため、夜がよ く眠れるようになり、生活が以前よりも健やかになったのが嬉しいよう です。 |
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子宮癌 さくらガーデン元気だより 2001年 6月号 No. 7 ページの最初へ戻る | 「息子の結婚式でハワイへ行って来たの」 今年の二月の寒い日でした。一年ほど前に、私がお手伝いしていた薬局 の先輩です。あら、うらやましい…そう言おうとすると、畳み掛けるよ うに、 「それでな、私、癌になっちゃったの」 と、言うのです。ハワイと癌は4無関係なのでしょうが、そんな話しぶ りに彼女の動揺が現れていたのかもしれません。二十日ほどの後に、子 宮と卵巣と、いけなければリンパ腺も全摘出するのよ…旅行の後のツヤ ツヤした顔でそう言われて、「あら、まあ…」私はそれ以外の言葉が出 てきませんでした。 その日、彼女(Kさん)は癌の相談に来たのでした。 免疫を高めるレンチンプラスを買いました。私は食事の指導をしました。 Kさんは熱心にノートをとっています。そうして、それが彼女の癌記録 の始まりになりました。彼女は、一度署名した手術の同意書をホゴにし て、手術を拒否しました。そのかわり、病院の検査は月に一度あります。 検査結果の腫瘍マーカーの数値と、毎日の帯下の状態が、彼女の喜憂を 左右する一大関心事となりました。 三月に入り、煎じ薬の服用を始めました。大量の帯下は続きます。仕事 を辞めようか、どうしようか迷います。自分の体内に癌があると思うと、 仕事をしている場合じゃあないような気がしてくるのです。仕事の後に 襲ってくる疲労感も気力を萎えさせます。二回目の検査結果で、腫瘍マ ーカーの数値も急に上昇を始めています。 「やっぱり、取っちゃった方がいいのかしら」三月の下旬、Kさんはポ ツリと言いました。閉経したと思っていた月経が突然始まったのです。 月経血はこれまでになく多量で、レバー状の塊がたくさんです。 「この年齢(五十七歳)で、まだ月経があるなんて、おかしいわよ、子 宮なんて取っちゃった方がいいのかしら」 月経後も帯下と出血が続きます。ますます気力が萎えます。体重は、煎 じ薬を飲み始めて五キロ減りました。四月に入り、腫瘍マーカーの数値 はウナギ上りです。体力の極度の低下を感じます。呼吸の苦しさがあり、 夜眠れません。仕事から帰ると疲れて台所仕事ができません。Kさんは 一週間ごとにアロマセラピーを受けにやって来ます。。その時煎じ薬も 一週間分づつ作ります。来局すると体の不調をかなり時間をかけて説明 します私は残らず掻きとめ、薬の内容を考えます。二十四時間考えてい るようで、朝四時ごろ、フットひらめいたりします。毎夜、枕元に紙と ペンを必ず置くようになりました。薬は、いつも天から降りて来るよう な感じで心に湧きます。四月の下旬に入り、Kさんに小さな笑顔が出ま した。疲労感が無くなって帯下も減ってきたのです。五月、出血があり ません。ピンク色だった帯下が肌色です。五月の検査でやっと腫瘍マー カーが下がり始めました。帯下もほんのわずかです。細胞診も3になり ました。 「もう、私、絶対、手術なんて受けないわ」Kさんの口調が再び勇まし くなってきました。 これは、Kさんの子宮癌との闘いのほんの最初のヒトコマなのです。こ れからいつまで続くか分かりません。私も枕元の紙とペンは離せません。 今後も、良い結果を皆様にご報告できるように、精一杯努力していくつ もりです。 |
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肌のかゆみ さくらガーデン元気だより 2001年 7月号 No. 8 ページの最初へ戻る | 最近、顔がかゆい、特に目の周囲がかゆいという方が増えています。肌 のかゆさも人それぞれで、ヒザだけがかゆい、くるぶしだけがかゆい、 などありますが、目の周囲だけが特に増えているようです。 Aさんがやって来たのが去年の十一月。サングラスをしていました。外 すと、目の周りが虫にでも刺されたような肌色のブツブツ。よく見ると ムクンだような腫れがあり、ひどいかゆみです。 「これが治るならなんでもします!」 ……相当参っているようです。 目には、五臓六腑の邪熱が上がりますから、治療は「目」でも「皮膚」 でもなくて、五臓六腑の熱毒ということになります。 「内臓?……いたって健康です!。どんな検査にもひっかかった事はあ りません…!」 Aさんは腑に落ちない顔を近づけてきました。目のかゆみのせいか、気 が立っているようです。が、しばらくして、落ち着いたのか、 「コタツに入ると足もかゆくなります…」 遠慮がちに足のかゆみも訴えます。さもありなん、と当方は納得。 「鼻炎もあります…」ごもっとも。 目にそれだけの熱毒が現れているということは、そのぐらいの症状はあ っていかるべきです。 さっそく薬を作ります。検討した結果、煎じ薬でなく、粉末でできまし た。「Aさん、これは内臓の邪熱を取る薬ですよ」 不味いですね、と言いながら彼女はのみ続け、三ヶ月に入り、足のかゆ みがなくなり、五ヶ月で、本人いわく、 「先生、治りました。…私の内臓、本当にネツがあったんですね」 |
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乳癌 さくらガーデン元気だより 2001年 8月号 No.9 ページの最初へ戻る | 昨年のちょうど今頃、Bさん(四二歳)がやって来ました。 憂鬱そうなお顔は、暑さだけが原因ではありません。 「胸が、ね、おかしいんです」 詳しい検査結果は来週でるが、実は乳癌らしい、いいえ、確実に乳癌な のです、と言うのです。Bさんは仕事を持っているため、結婚・出産が 遅れ、まだ二歳半のお子さんがいるので、手術・抗癌治療などと入院を 重ねたくないと言います。もちろん、仕事も中断できない、と加えます。 癌のシコリは大きくないが、乳腺に散らしたように幾つか確認されると いう事です。まさか、漢方薬で治したいと言うのではあるまいか、と思 ったとたん、 「漢方薬で、どうにかできませんか」と、爆弾発言。 私は、ビビリました。「どうにか…」と言われても…… Bさんの若さでは癌の成長も早いのです。命がかかります。 その日から始まった治療はBさんにとってもかなり大きな負担でした。 煎じ薬を中心にアロマセラピーも併用します。食事も厳しく注意します。 レンチンプラスも使いました。体重はみるみる落ちて、五八キロが四二 キロとなり、また、Bさんは慢性的な不眠になってしまいました。再び 眠れるようになった五ヵ月後(つまり昨年末)、乳腺の中の異物が明ら かに小さくなってきました。やっと一息ついたのが、今年の二月、病院 でBさんを癌患者と呼ばなくなりました。 治療は今も続いています。体重は、四八キロをキープして、肌や身体の 線は柔らかく、もともと美しい女性でしたが、一層きれいになったよう です。 反対に、この私は、この一年で、三年は年をとりました。 |
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乾癬2 さくらガーデン元気だより 2001年 9月号 No. 10 ページの最初へ戻る | 乾癬。この病気については、今年の一月二十八日に治療を開始したOさ んを、四月号でご紹介しました。 さる七月二十日。Oさんは短パンにTシャツ姿で来局すると、やけに晴 れ晴れとした顔で、私の目の前をくるりと回って見せました。「先生、 もう、ほとんど完治したよ」と言って、お腹も出して指さします。 茶 色い痕がうっすらとありますが、これの元があの紫色のただれたような 乾癬だったとは、誰も信じないでしょう。顔も頭も全く異常なし。腕も しかり、背中もしかり……。健康な肌に限りなく近い状態です。うん、 うん、と、うなずく私も涙が出そうに嬉しく、感動ものです。 「絶対に治らないと言われたんです」彼は初めて会った時、暗い顔でそ う言いました。 五十歳という年齢ながら、子供のように私の前でくるりと回転して見せ る今の気持ちもよく分かろうというものです。 「それはそうと、先生、これは、どうにかなりませんか」私は感動の途 中だというのに、Oさんは冷静に自分のマブタを指差しています。一体 何ごとかとOさんの顔をのぞいて見ると、そのマブタは確かにおかしい マブタなのです。眉から目の際モッコリと膨れて、横からみたら額より マブタが出っ張っているのではないかと思われるほどです。そのせいか 日に焼けて頬よりマブタが黒いぐらい。 「どうにかなりませんか」Oさんは繰り返して言いました。つまり、こ の膨らんだマブタは生来のものではなくて、皮膚病が出た頃から突出し てきたものなので、これも治してほしいというのでした。 それは、太陰と陽明の症状ですから、甘い物を減らして、それらの経絡 の熱を取る薬を飲めばなおります。 その日から、Oさんの治療・パートUが始まったのでした |
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便秘 さくらガーデン元気だより 2001年 10月号 No.11 ページの最初へ戻る | 電話の呼び出し音が鳴ります。三時十分前から十分過ぎの間に決まって 電話を鳴らすのは、Dさんです。薬を飲み始めた最初の頃は、毎日電話 がありました。半月を過ぎた頃は一日置きぐらい、最近では三日か四日 に一度電話をかけてきます。話の内容は決まっています。前日の排便の 様子を報告するのです。Dさんは三十歳の主婦ですが、中学生の頃から 便秘で苦しんできました。今では全く便がでません。と、言うよりも、 下剤の使いすぎで便を作れなくなってしまいました。もちろん、間違っ た飲食を長年続けてきたせいもありますが、便意を全く失い、無排便で す。そしてひどい腹脹とムクミを訴えます。 最近、こうした便に関する問題を抱えて来局する女性が増えています。 女性の機能(月経等)と深い関わりを持っているのは太陰という経絡で すが、同時にこの経絡が便の形成も行っているので、女性周期と排便は 密接な関わりを持っています。月経前後に下痢や便秘になったりするの はそのせいです。また太陰は甘い味に養われる経絡なので女性に甘党が 多いのですが、この甘い物の多食が、最近の月経に関するトラブルや排 便に関する問題の原因になっています。特に甘い物を多食すると肌肉が 弱くなり締まりを欠くようになるので、腸も弛緩してしまい便の排出が 困難になってしまいます。また、健全な便を作るのも太陰の働きなので、 この経絡に変調が起これば便が出来ず、排泄できません。つまり健康的 な排便を達成するためには、@正常な物体としての便を形成でき、A腸 の肉が健康でB筋もきちんと運動して便を移動させる、という体の状態 が必要なのです。Dさんの場合、間違った飲食によって@からBの全て が正常ではありません。さらに大腸に積りに積もった邪熱が上昇し、頭 部におよんでいるため、狂人まではいっていないものの、いわゆるノイ ローゼという状態になっているのです。 ノイローゼ。……深刻な問題です。 病気のつらさに耐えかねて、そのつらさをだれかに訴えたくなっても( 大抵は治療の相談として私の処へ訴えてきますが)、正常人の場合は毎 日電話をかけるようなことはしないでしょう。それは、病気が癒えるの を待たねばならない時間というものが必要だという事実を、理性が感じ るからです。訴えてみても、結局は病気を受け入れてしまった自分の不 覚を暴露することに他ならない事に気付く場合もあるでしょう。 しかし、Dさんのように毎日自分のつらさを訴えてくる患者さんは少な くありません。すっかり正常な精神を失っているのです。病の熱が頭を 侵し始めているのです。飽食の今では、病を生む邪熱は飲食からきてい ることがほとんどですから、頭を侵すほどの熱を生じるまで食べ過ぎた、 という事になるのでしょうか。 太陰が主どる精神活動は思い・意知・知恵ですので、ここに邪熱がたま り正常でなくなると、思いが強くなって何かを考え込んだり、知恵を失 ったりすることが多いのです。典型的な症状はボケです。 便秘という、誰も深刻な病気とは思わないような身体の異常も、この医学では様ざまな問題を抱えた病気です。 たかが便秘と思われがちですが、治療には時間がかかるものです。弛緩 した腸をはじめ、身体を作っている基本である肌肉を治していかなけれ ばならないからです。それには患者さん自身も飲食を調えていく必要が あります。便を出せば良い、という治療では、将来的な希望は持てませ ん。一見、遠回りのようでも、忍耐をもって病気と向き合わねばならな い時もあるのです。それは、自身の心との葛藤も含んでいるのです。 |
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高血圧 さくらガーデン元気だより 2001年 11月号 No.12 ページの最初へ戻る | ある日突然、高血圧になる、という方は結構いらっしゃいます。 Eさんもその一人で、脚がしびれ、フワーと体が浮く感じがして、一人 で出歩けない状態が半年ほど続いていました。買い物どころか家の外へ 出ることもままならない状態です。市立病院で検査をしてもらいました が、血圧が高い(170)以外の異常は見られません。しかし当人は耳 鳴りもあって毎日がつらいのです。夜は不眠で、睡眠導入剤が必要です。 肥満もあり、体脂肪が32%あります。憂鬱です。何しろ突然の体の変 化に心がついていきません。 7月初旬、梅雨の曇り空の日にEさんはふらりと来局しました。 その場で食事の注意もして、一ヶ月分の粉薬を作りました。 次の来局までに電話が3回あり、食べ物についての質問や体調の報告が ありました。フワーとした感じが少しずつ取れてきたようです。声の調 子からも回復が想像できました。 一ヵ月後血圧は150/70へ、さらに翌月は130/75へと安定し てきました。 それに伴い、体重も60キロから57キロ、55キロへと減りました。 十月には耳鳴りは全く気にならなくなり、よく眠れ、体調も良好で、友 人に全快祝いなどしてもらっています。 私も胸を撫で下ろしたある日、とある温泉から電話がありました。一体 何事かと思ったら、Eさんのうわずった声が、「先生、先生、大変なん ですよ」と言います。 不吉な予感に息を呑みました。 「先生、体脂肪が、14%しかないんです!」 何の話かと途方に暮れました。 「私の適正値は20%前後ですが、14%です! 薬を続けて良いので しょうか! 」 適正値はあくまで目安でしかありません。たとえ5%であっても健康で あればそれがその人の適正値です。Eさんの体脂肪の適正値はおそらく 14%だったのでしょう。 取り越し苦労をしてしまいました。 |
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臓腑の熱 漢法での治療について さくらガーデン元気だより 2001年 12月号 No. 13 ページの最初へ戻る | 「ネツ」というと、いわゆる体温計で計る36.4度や37℃といった 熱を思われる方がほとんどで、「病気は熱の偏在です」と言うと、とた んに「そりゃ、なんだ」となるでしょう。表のページで便秘のおはなし の中にも「邪熱」という言葉がありますが、これは体の一部に偏在して いて病気の元となっている熱のことです。腋下で計る体温は腋の下の熱 というだけで、身体には五臓六腑・手足・頭などなど熱が充満していま す。それが全身くまなく同じように広がっている時、その身体は健康で す。しかし何らかの原因で特定の臓腑に熱が偏ると症状が出るのです。 肺に熱がかたまれば咳が出たり、鼻汁が出たり、また一定以上の温度が あれば細菌の増殖も促しますから肺感染を起こしたりもします。 大腸に熱が偏れば便が出なかったり、肝臓に熱があれば肩が張ったりす るのです。 胃に熱がたまれば、いくら食べても物足りない様に感じたり、食べない と妙な不安感に悩まされたりします。 患者さんの訴える症状から、その方の体のどの臓腑にどのような熱があ るのか考え、分析して、その熱を取るための薬草を選ぶのが治療の最初 です。肺に熱があれば肺の、大腸であれば大腸の清熱薬を使うのです。 ただ、病が長引くと、邪熱は欝積して多くの臓腑に悪影響を与えていま すから、たくさんの臓腑に対する薬草を混ぜていかなくてはなりません。 薬草の数が多ければ多いほど病が多くの臓腑にまで広がっていることを 示します。もちろん、数は少ないほど薬の効き目は強く、多ければ効き 目は柔らかくなります。薬自体の効果にシャープさが無くなり、また多 くの臓腑が傷んでいれば、治療に時間がかかるのは致し方のないことで す。さらに傷んだ臓腑に負担をかける飲食をしていれば、治癒はさらに 遠のくのです。そこで、さくらガーデンでは、それぞれの患者さんに対 して、食べて良いもの(身体の回復を促すもの)と悪いもの(回復の妨 げになるもの)を説明し、実行していただいているのです。 「なぜ、これを食べてはいけないのですか?」よくそんな質問を受けま す。その度に詳しく説明いたしますが、つまるところ早く健康になって いただきたいからなのです。 |
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静脈血栓 さくらガーデン元気だより 2002年 1月号 No.14 ページの最初へ戻る | 「膝の裏がねえ…」一昨年の梅雨の晴れ間にひょっこり来局したFさん。 年齢は分かりませんが、五十歳ぐらいでしょうか、高級サラリーマンと いった風情です。どこかでマッサージを受けて膝裏を強く刺激されて以 来時々痛むので、CT写真を撮ったら静脈血栓が見つかり、血管の半分 ほどまで詰まっているということです。病院で処方されたワルファリン を一服用しているが全く改善されません。 Fさんはズボンを捲り上げて「ここ、ここ」と私に示します。なるほど、 膝裏が妙に膨らんで、ふくらはぎにも異様な盛り上がりが見えます。 さらに鼻炎がひどく、慢性化していて、毎日が憂鬱でしかたがない、と 仰います。症状を訊いて粉末で薬を一か月分作りました。 Fさんはかなり脂物を食べています。脂の熱を取り除く薬を中心にしま す。さらにお酒もかなり飲んでいます。湿を取る薬も加えます。我なが ら作っていて、飲みにくそうな、まずそうな代物です。 「高いなあ」と言いながら、Fさんは薬代を支払い、帰られました。 一ヵ月後、Fさんはきちんと次の薬を取りに来られました。 「いやあ、鼻がねえ、ぴたりと良くなっちゃって」 膝はどうですか? 「うん、いいようだ。膨らみが気にならない」 安心しました。 Fさんは三ヶ月ほど薬を続け、やがて来局しなくなりました。ところが 忘れた頃またおいでになって、やはり薬を三ヶ月ほど続けました。そし て、また忘れた頃、 ……そんなことを続けています。 飲酒や食事の不摂生がたたって膝裏が腫れたり、鼻が詰まったりすると いらっしゃるのです。飲食を整えないと本当の意味での治療はできませ んが、それは本人が一番よく分かっていらっしゃるようなので、私も必 要以上に言わないようにしています。それは、Fさんの身体が強いので 回復力があるためもありますが、Fさんのような生き方もあるからです。 私は、Fさんが困った時に手助けができればよいと思っています。 |
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小児偏頭痛 さくらガーデン元気だより 2002年 2月号 No.15 ページの最初へ戻る | 小春日和のある日、お電話を頂ました。十歳になるお嬢さんを持つお母 さんからで、娘が生れてからずっと頭痛で苦しんでいる、とおっしゃる のです。 この子は誕生した時も一日中寝ていて普通ではなかったが、幼稚園へ通 うようになってから「頭が痛い」と言い出した。病院の医者は子供には 頭痛は無いと言って相手にしてくれなかったが、最近では頭痛だけでな くめまいがひどくなっている。毎朝起きると頭痛で苦しく、やがてめま いがして普通の生活ができない、というのです。今は比較的動けるので、 すぐに連れて行きますから診てやって下さい、と言って電話は切れまし た。 母親に連れられてやってきた少女は、ぼんやりした、宙を這うような視 線で私を見ました。一瞬私は彼女に精神障害もあるのかと思い、治療の 難しさを感じましたが、話しをして杞憂だと分かりました。 毎朝目が覚めると頭が痛い、地震がきたようにグルグルして起きていら れない、物が勝手に揺れている、目をつぶるとグラグラがひどくなって くる、ここ(耳の後ろ)とここ(前額部)に痛みがきつくある、などと 彼女は話してくれました。 病院では現在、心室性期外収縮・小児偏頭痛・反復性耳下腺炎といった 病名がついているが、いっこうに良くならない、ということです。 病名は何でもよいが、少女の虚ろな目の色を見ていると何としても治し てやりたくなりました。子供に煎じ薬はのめないだろうと思い、なんと か粉末で作りました。 一ヶ月経つと、頭痛がある時と無い時があると言い出しました。めまい は昨日の十一時に治った、などと言います。 もう一ヶ月経つと、頭痛は時々ある、耳の後ろの痛みがすぐに治るよう になった、と言います。私の胸に重たく痞えた物もじょじょに薄くなる ようです。 今月、三日前に来局するなり、少女の母親が、「何年かぶりにいいお正 月を過ごせました」と言ってくださいました。頭痛は無い、めまいも無 い、と少女からハッキリ聞くことができました。ああ、良かった、思わ ず私は胸を撫で下ろし、気が抜けたようになってしまいました。比較的 早く症状が取れたのは、少女自身の努力と、彼女の家族の愛情の賜物で あろうと思います。 |
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皮膚のカユミとタダレ さくらガーデン元気だより 2002年 3月号 No.16 ページの最初へ戻る | 八月の暑い日、両手をガーゼでグルグル巻いて彼女はやって来ました。 椅子に腰かけて巻いたガーゼを取り除くと、アッと目を見張るばかりの タダレでした。指先から肘まで真っ赤になり、ところどころの破れた皮 膚から黄色い透明な液がトロリと垂れてきます。手首が最もひどく、シ ワの部分が裂けて真っ赤に腫れた真皮が見えます。痛みは全然無い、と 言いながら、きゅうっとツネルような動作をします。発作的な痒みが襲 ってきたためです。「もう、耐えられないぐらいの痒みが急にくるの。 それを掻くと肌が破れてすごく悪化するから、ツネル方がまだまし」見 ているだけでこちらも辛くなります。乾いた浸出液が黄色く魚の鱗のよ うに腫れた肌に付着しています。「これが顔に出来ていたら、まさしく お岩さんね」思わずそんな事を私は言ってしまいました。「本当、その とおり」彼女は笑っています。楽天的な性格だけが取り柄です。 その日は九十分のアロマセラピーをしました。終わると、腕から手の赤 みはかなり引きました。「どうしてアロマセラピーで肌がよくなるの?」 本当に不思議そうに彼女は訊きます。「どうしてって、気血の流れが整 って病気の熱が取れるからよ」「ふーん、そんなモンか」少し納得した 顔です。煎じ薬を一か月分作りました。入浴料として紫根も購入しまし た。 一か月後全体的にあった赤みが虎猫の毛並みのようにまだらになりまし た。しかしまだ浸出液はたれて全体的にぐちゃぐちゃしています。痒み も襲ってきます。その日も九十分のアロマセラピーをしました。赤みが 引き、全体的に乾きました。煎じ薬を十日分作りました。十日後来局し、 アロマセラピーの後、煎じ薬を作りました。 その後は十日ごとに来局してアロマセラピーと煎じ薬を続けましたが、 およそ二ヵ月後には驚くほど回復しました。まだ小指に赤いジクジクが ありますが、腕全体の赤みなどは無くなり、一見すると正常な手腕です。 しかしその後もアロマセラピーと煎じ薬を続け、年を明けた二月には、 ほぼ完治しました。「私の友達で同じような皮膚病の人を知っていて、 大学病院にずっと入院しているらしいけど、まだ治らないんだって」彼 女は、仕事もほとんど休まずにほぼ半年で完治させましたので、メデタ シ、メデタシでした。 |
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不妊症 さくらガーデン元気だより 2002年 4月号 No.17 ページの最初へ戻る | 朝の四時、ハッと目覚めました。ある患者さんの夢を見たのです。彼女は 赤ん坊を抱いて佇んでいました。明るくも暗くもない空間にいつもの顔で 立っていました。 『ああ、そういえば、彼女、最近会っていないけれど、どうしているのか しら、治療はいつからやめているかしらん、体調はどうかしら、もしかし て事故かなにか…?』私は彼女の事が気になりだして眠気も取れてしまっ たので、そのまま起きてしまいました。薬局に着いてから彼女の治療カー ドを確認すると、4ヶ月近く来局していません。 彼女は不妊の治療をしていたのです。 朝方の夢が気にかかり、思い切ってハガキを出しました。 彼女は結婚5年を迎えていましたが、子供に恵まれませんでした。病院で の治療で卵管のうちの一本が閉塞していることが分かり、排卵がある時と 無い時があって妊娠に至らないのだと言われました。ホルモン剤で排卵を 促しても閉塞している方から排卵していては受精しないというのです。 そもそも、排卵を人工的に誘発しても、出てきた卵が元気でなければ、受 精は無理でしょう? 彼女が初めて来局した日、私はそう言いました。閉 塞しているのは、それは仕方が無いとしても、二分の一の確率があるのだ から、正常な卵管のある卵巣から出る卵子を元気にしてやれば、受精の可 能性はずっと高まるでしょう? そういう治療をしていきましょう。彼女 は甘い物を止め、きちんと服薬しました。 治療を始めて一ヵ月後から、上がりきらなかった高温期が安定して持続す るようになりました。彼女は、途中から病院での治療を止めてしまいまし たが、毎月安定した生理周期がやってきました。生理痛も気にならなくな りました。そして、ちょうど六ヶ月後、高温期が不安定な時を境に彼女は 来局しなくなったのです。 他の患者さんの治療もあり、夢を見るまで4ヶ月も会っていなかったとは 私は気付きませんでした。しかし、ハガキを出してからも何週間か音沙汰 が無く、引越しでもしたのかしらん、などと思っていたら、今月、彼女が ひょっこり来局しました。白いコートが膨らんで、おめでたでした。 「安定期に入ったら、挨拶に来ようと思っていたんです。双子だそうです」 私は嬉しくて、その日、来局した患者さん全員におめでたの話をしてしま いました |
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乳癌 さくらガーデン元気だより 2002年 5月号 No.18 ページの最初へ戻る | 2001年8月号の「元気だより」のこの項でご紹介した乳癌の患者さん (Bさん)のその後のご報告をしたいと思います。 煎じ薬はまだ続けていますが、アロマセラピーの治療は今年に入ってから 十日に一度位になりました。もっと減らしてもよいように思うのですが、 Bさんに話したら、仕事の疲れがよく回復して体調がすこぶる良好である ことと、みんなから綺麗になった、綺麗になったと言われることなどの理 由で減らしたくないという事でした。私から見ても癌患者とは到底考えら れないほど綺麗です。 Bさんが乳癌を抱えて突然来局したのが一昨年の八月でした。両方の乳房 とリンパ腺を摘出する手術の同意書を私の目の前に広げて、絶対手術した くないと言い張って漢法治療を始めたのです。ビビル私を彼女の熱意がそ の気にさせて、ほぼ七ヶ月の治療で癌の心配は無くなりましたが、残った 出来物(しこり)の治療を現在まで続けてきました。 この一年八ヶ月間の治療は、とてもきつい二人三脚でした。 「よくがんばりましたねえ」私は昨日、Bさんに言いました。もう彼女に は一生癌の心配は無いでしょう。お顔はとても白く、ピンク色の血色でシ ワもなく、四十三歳には見えません。五十八キロから四十二キロまで一気 に落ちた体重も回復して四十八キロをずっとキープしていますし、もとも とスラリと背が高いので(162p)、モデルさんのようです。周囲の人 達から「癌になる前より、癌になったほうが綺麗になった」と言われるの もうなずけます。 食事や生活に対して、私は、彼女にできる最大限の努力を要求しました。 そうして彼女は実行してくれました。未婚で子供を持ったBさんには、子 育てをするのは彼女だけです。そうして仕事も責任のあるポストにあるの で、手を抜けません、というよりも手を抜いて仕事を失ったら、Bさん親 子の生活が成り立ちません。私が要求する食事や生活は手間がかかるので す。それを黙って一度も愚痴をもらさずに達成してくれた彼女の底力に、 私は脱帽します。 癌を克服できたのは、到底私の力ではありません。Bさん自身の熱意と努 力がBさん自身を救ったのだと思います。こうした母親に育てられた彼女 の子供が、素晴らしい人間性を得ずに成長するとは考えられません。 |
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ページの最初へ戻る | 「親指がねえ、私、曲がるようになったのよ」 一体何の話かと思いました。アロマセラピーの治療を十ヶ月ほど続けていら っしゃる患者さんです。「私の手の親指、こういうふうに曲げてやらないと、 絶対内側に曲がらなかったのに、ホラ、今は一人で、親指だけで曲がるの」 彼女は笑って、手のヒラを広げて見せ、何度か親指をピョコピョコと小指の 方まで曲げました。彼女の親指が自分で曲がらなかったとは、知りませんで した。私の方が驚きました。 親指には肺の経絡が通っています。親指が曲がるようになったのは、肺の熱 が取れてきたからです。彼女の背中は猫背のようにこんもりしていましたが、 最近スッキリしてきたのもこのせいです。背中には肺の影響が強く現れるので す。 この女性は、先日、「どうしても下がらなかった血圧が下がったの、こんなに 下がって、大丈夫かしら」とおっしゃっていたばかりです。肺だけでなく、全 身の臓腑が整ってきたのです。お顔も白くなってきました。臓腑がもっと整っ てくると、体調がもっと良くなるはずです。ますます若く綺麗になるでしょう。 彼女は甲状腺機能亢進症を病院で治療していて原因不明の慢性下痢になり、一 年半ほど前に来局しました。最初は漢方薬も服用していましたが、十ヶ月前か ら薬を止めてアロマセラピーだけにしました。 再発するかも知れないとおののいていた甲状腺の再発は、現在まったくありま せん。慢性下痢も今は昔、随分体を動かせるようになりました。 打ち込める趣味を見つけて、今後は楽しみたいとおっしゃっていますが、肝心 の趣味がなかなか見つからないようです。 「大丈夫、貴方は100歳まで元気だから」私はよく彼女にそう言います。お 世辞ではなく、本当にそう信じているのです。 |
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ページの最初へ戻る | 上マブタに塗るはずの青いァイシャドウを、間違えて下マブタに塗ったのでは ないかと思うほどキツイ隈をこしらえて、来局された女性がいました。まだ二 十五歳だというのに、まるで四十過ぎのような肌をしていました。彼女の悩み は不眠でした。三年も眠れないと言います。最初、病院で安定剤を処方されて 服用したら、喘息様の咳が発作的に起きて、呼吸困難になり、死にそうでした、 と言います。 「薬恐怖症になってしまったので、薬以外の自然療法で治したいのですが…」 という相談です。 「ははあ…」私の応答は溜息混じりになってしまいました。 最初に彼女の不眠症状を問診している間に、私は以前治療した患者さんの薬を 思い出して、これが使えそうだと内心算段していたのです。ところが最後に薬 を飲めないと聞いてすっかり無駄になってしまったのでした。「ははあ、では アロマセラピーをやって、ちょっと、様子を見てみましょうか」 最初の週と翌週は三回、その次の週から二回という具合で施術を始めました。 彼女には食事にも気をつけてもらい、彼女の体に悪い物は食べないように努力 してもらいました。 四週目あたりから昼間襲ってくる、胸がヒヤヒヤするような不安感の強さと頻 度が徐々に減って、両目の隈が取れてきました。夜は、"キモが冷える"とでも 言うような漠然とした恐怖心がありましたが、それも薄らいできたようです。 そこで週一回の施術にして、さらに七週ほど過ぎた頃、「先生、私、夕べ、夜 のテレビを笑って観ている自分に気づきました」と嬉しそうにおっしゃいます。 以前は毎日、夕方になると夜がやってくるのが恐くて、それだけで彼女はビビ ッテいたのでした。ああ、今夜は眠れるかしら…、そう思っただけで気持ちが 冴え冴えとして、心臓がトクトクと鳴り、背筋に冷水が垂れるような気がする のでした。普通の人には笑い話のようですが、彼女には耐え難い恐怖なのです。 その恐怖を忘れて、知らないうちにテレビを愉しんでいられるようになってき たのです。 薬を併用せずに、一体どうなるだろう、彼女が治療にやって来る度に私の心臓 もまた彼女と同じぐらいトクトク鳴ったものでしたが、昨日会った彼女はすっ かり二十五歳の美女になっていて、心配して損をしたような気がしてしまいました。 |
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ページの最初へ戻る | 治療をしていると、大方の患者さんが痩せますが、一度痩せると太るのが難し くなります。半年ほど前まで、生理不順の治療をしていた二十八歳の女性がい らっしゃいました。最初58キロあった体重が(身長は158センチ)一年半 の治療で45キロまで落ちて、衣類の殆どが着られなくなってしまい、嬉しい 悲鳴を上げていました。ところが今度は42キロまで落ちて、まるでモデルさ んのような体型になり、 「先生、実は主人が、もう少し太ったほうがいいんじゃないか、と言うのです が、私、太れますか?」と、言います。 「Mさん、あなた、食べられないんですか?」 「いいえ、よく食べます。主人より食べるぐらいで…恥ずかしいのですが、ご 飯は、毎日4合炊くんです。その殆どは私が食べるのです」 と、おっしゃいます。 「ははあ、4合ねえ、」少し食べ過ぎじゃあないかしらん、私はそう思い、 「食べ過ぎると、太りませんよ」と言いました。 「私、食べ過ぎでしょうか…」 「そおねえ、ちょっとねえ」私は語尾をにごしました。 生理は順調に来るようになったものの、今度は太る努力をしているうちにご主人 がアメリカのテキサスに転勤、二人そろって五ヶ月ほど前、移住して行きました。 その彼女が先週、ヒョッコリと薬局にやって来ました。お顔がフックラしている のに気がつき、「少し丸くなったのね」と言うと、 「そうなんです、食事内容は日本の時とほとんど変えてないのに、2キロ太りま した。テキサスはとても乾燥しているので、湿度に弱い私の体に合っているよう です」 「ご飯はどのくらい?」と、訊くと、 「やっぱり、毎日4合、炊いてます」 と、笑いながら言いました。私も、笑いながら、 「今度は、赤ちゃんが楽しみね」と言うと、 「もしかしたら、そうかもしれないと思って、実は珍しく、先月生理がなかった んです。治療してから、生理が無いことはないので…」 オメデタ続きで、ごちそうさまでした。 |
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ページの最初へ戻る | 胆嚢結石、腎結石、尿路結石、いろいろな所に石はできますが、そのどれもが脂 (あぶら)の病気です。 結構、痛い思いをする方もいるようです。 最初は痛くなかったのに、放置しているうちに巨大化して、失神するほどの痛み に悶えるという方もいます。小さいうちに砕いて出したほうが良い、などと言わ れて砕いてみたら、砕かれた石が何の因果か鋭い棘のようになって、激しい痛み に死ぬ思いをしたという方もいます。 去年の今頃、九月二十五日に尿路結石で来局した男性の患者さんがいらっしゃい ます。 「これは脂の病気ゆえ、肉・揚げ物はご法度ですよ」と私が言うと、 「ははあ、しかし、仕事がら、息を吸うだけで脂です…」とその男性は脂でスス けた顔をうつむけました。彼は、中華料理店のコックさんなのでした。 「ふふうむ。これは、職業病ですね」 しかし、私はそうも言ってはいられません。結石をなんとかしてくれ、と依頼さ れれば、何とかしなければなりません。彼に息を吸うなとも言えません。 「腎臓の下に、あるらしいです…」一緒にいらっしゃった美しい奥様に神妙に言 われ、私は薬を作りました。 自分で作っていても、自分では飲みたくないような、苦そうで不味そうな煎じ薬 ができあがりました。 それでも彼は、(痛くなるかもしれない)石をなんとかしよう、という強い意志 をもって服用を続け、十二月二十五日にお二人でいらっしゃった時には、「かな り下へきていました」ということで、翌年の二月五日には、「ふつうのレントゲ ンでは、もう、見えなくなりました」ということになり、「こんど、増影剤を入 れて、見るということです」となり、すっかり無くなりました、となりました。 彼は、治療中は好きなアルコールも(少し)我慢して、肉類なども(少し)控え たようです。先日、奥様が別件でおいでになり、「もう、大いに、お酒を飲み、 お肉も食べています」ということで、あながち彼の石は、職業病でもなかったか もしれませんな。 |
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ページの最初へ戻る | 開局以来二年半の中で、私がお会いした癌の患者さんは、六人います。 どの方も病院では摘出手術をすすめられましたが、拒否して、私のところで治療 を始めました。そのうち二人はすでに完全に陰性で、再発の心配もおそらく10 0%ありません。一人の方は、腫瘍マーカーの数値が、正常値ちかくにまで一度 下がりましたが、まだ陰性とは言えず、治療中です。他の三人はまだまだこれか らです。 以前、いつも来られている患者さんのご家族が癌になり、手術を受けようか迷っ て、私のところへ連れて来られたことがありました。 「私の所で治療はできるが、手術を受けるのも選択肢の一つなので、よく考えて 欲しい」と私は言いました。 結局、その方は手術を受けることにしたのですが、相談を受けた私は、その晩、 眠らず考えたものです。 本人にとって、一体、手術を受けたほうが良いのかどうか……。 術後の事は特に何も連絡は無かったので、私も無事に病気を克服したのだろうと 思っておりましたら、術後一年ほどで、急性白血病で亡くなってしまいました。 それが病院治療のミスだったのか、再発なのか、詳細は家族もよく分からずじま いのようで、私が根堀り葉堀り尋ねることも妙なので、黙ってしまいました。 相談を受けたあの日の夜、一晩中私の胸をザワザワさせた予感が、こんな形にな って現れるとは、私は愕然としてしまいました。 私は手術を否定する者ではありません。医学とは知恵であると常々考えています。 病気を治せるならば、様々な知恵を駆使するべきだと思います。しかしながら、 手術をして、癌が体から無くなっても、癌になるような体の状態(病気)が治っ たわけではない、と認識するのはとても重要なことです。手術の後、どのように 体を治してゆくか。それは手術を受けることよりも大切な問題です。 |
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ページの最初へ戻る | ニキビ。吹き出物。どう違うのかと思い、傍の辞書を引いたら、 『ニキビ=面部に生じる粒状のふきでもの。』とあり、 『吹き出物=できもの。おでき。』とありました。 年齢での区別は無いのです。 実はニキビの漢方相談は、アトピー性皮膚炎などに圧倒されながらもホソボソと昔 から絶えないご相談で、例えるなら流行のない古典のような、スターではないが無 視できない名優のような、正統派ご相談なのです。 今年七月に何故か群馬県からブラリとおいでになった二十三歳の女性。 「ニキビが消えません」とおっしゃいます。「できると、アザ状になってそれがず っとあるんです」 ほほぉと、のぞくと、なるほど、紫色にブツブツとあり、お世辞にも美しくはあり ません。お顔全体も黒ずみがあり、二十代の艶やかさが足りないのです。その場で 食事上の注意もし、粉末でお薬を一か月分作りました。 二十日ほど過ぎたころ「まだ薬はあるけど近くへ来たので」とおっしゃって来局し ました。「跡が残らなくなっている、夜がとてもよく眠れるようになった」と言っ て随分喜んで、また一か月分作りました。 やがてもう一ヵ月過ぎて、九月九日においでになると、ビックリ仰天したのは私。 「随分変わりましたねえ」失礼と思いながらも私はシゲシゲと眺めてしまいました。 まず体重が五十キロから四十六〜七キロになり、朝のダルさが全く無くなり、「自 分に自身がついてきました」とニコニコおっしゃいます。「最近、きれいになった とよく言われるようになったんです、昔はよく言われたのに最近はゼンゼン言われ なくなってたからすごく嬉しい」私も彼女のウキウキした気分が乗り移ったようで 嬉しい。 九月二十一日においでの時は、まったくの別人で、ははあ、変われば変わるモノだ、 女はスゴイ、私は嬉しさを通り越して、チョッとこわくなってしまいました。でも、 よかったね。 |
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ページの最初へ戻る | 生理痛。当然ながら、女性だけが持つ症状です。 昨年の七月二十六日においでになった女性。生理は無排卵で、不順ぎみ。生理時の強 烈な卵巣の痛みと排卵時期の痛み、そうして月経血過多でした。眠りは浅く、四時間 ぐらい。メマイがあり、慢性便秘で下剤常用。仕事先では排便できず、週末に一気に 下剤で出していました。 病院で排卵誘発剤の治療を受け、調子が悪くなり、次にピルで排卵抑制をして、症状 が取れず、さらに黄体ホルモンを使って、ついに一ヵ月中出血がとまらないようにな ってしまいました。下腹部の痛みは毎日続き、それがガンガン・ズキズキという具合 で、夜も眠れず、泣きそうな顔をしていらっしゃいました。 問診をしていて、私に治せるかしらと(本音を言って)少しビビリました。煎じ薬を 作り、半月後来てもらいました。出血は止まりません。彼女は真剣な顔です。さらに 治療を続け、一ヵ月後ようやく出血が止まり、息をつく間もなく排卵の激痛です。し かし半月後、痛み・出血ともに落ち着き始め、次の一ヵ月後にはスムーズな生理が始 まりました。翌月は、また排卵痛あり、しかし悩みの便は普通に二〜三日に一度ぐら いの割合で出るようになりました。……これから結局十五ヶ月にわたり、治療が進ん だのですが、いろいろありました苦難の末、排卵痛は重い違和感ぐらい、生理痛はま ったく無くなり、お通じは毎日快調になりました。手放せなかった下剤と鎮痛剤との 縁は完全に切れたようです。 現在彼女は来局していません。スポーツジムで筋肉トレーニングにはまっていて、少 しずつ筋肉が成長してゆくのを眺めて楽しんでいます。彼女から聞いたのですが、ボ ディビルダーの筋肉は、筋繊維に負荷をかけることで破壊し、修復される時に繊維が 一度太くなるのを待ってさらに破壊し、また太くなったら破壊、を繰り返して作るそ うです。繊維が完全に治ると細くなってしまうので、あの不自然な盛り上がりはでき ないそうです。私は、ははあーと、溜息まじりで彼女の話を聞いていました。少し疲 れたのです。 |
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ページの最初へ戻る | 凍るような風が吹いて、また雪でも落ちてきそうな日でした。 夕方、四時過ぎ頃でしょうか、電話が鳴るので出てみると、姉でした。甥が学校から 帰るなり、嘔吐と強いダルさで寝込んだというのです。熱は微熱。気分が悪く、水も 飲めない状態で、「一体、どうしたんだろう」というのです。症状を聞いておりまし たら、一時的な表虚で冷たい風が体の中に入ったのが原因と思われました。「原因は 風だから、あったかくして寝かせておけば大丈夫」と言いました。しかし姉は母親で すから「お弁当も食べてないし、夕ご飯も食べれそうにないのよ」と心配しています。 動かして風にあてるより、食べなくてもいいから寝かせておくほうがいい、と私は言 い、後で薬を届けてやろうと算段しておりました。 それから二時間ほどして電話があり、「病院へ連れて行ったらカゼだと言われ、抗生 剤を3日分もらった」そうで、「でも熱が急に出て38度もある」とのこと。病院へ 行く途中で風にあたったのだとすぐ分かりました。『まったく注意が足りん』と内心 では思いましたが、「とりあえず抗生剤を飲ませたが、後はどうしよう」と姉が言い ますので、「後は薬を作ってあげる」と約束しました。 約束しましたので、翌日の早朝、姉の家へ様子を見に行きましたら、甥は煮込みうど んに卵を落としたものを食べていました。具合はすでに良くなったようで、私は大安 心。しかし「うどん」はいただけません。ちょうどテーブルにお冷やご飯がありまし たので、姉に「うどんはダメ、これでお粥を作って食べさせて。それから卵もダメ」 と厳しい注意をいたしました。うどん(小麦)は、甥の場合、小水が出にくくなる恐 れがあるから、卵は、まだ少し残っている風が体から出にくくなるからです。一晩ゆ っくり寝て、甥の体から風は大体出ていったようですが食べ物でぶり返す恐れがあり ます。 甥の脉を診ましたら、具合が悪いにも関わらず、すがすがしい脉で、「ああ、きれい だなあ」と感動しました。いつも大人の、病人の脉しかみませんので、心が洗われるようでした。 自分の脉もこのようにきれいにしたいと心底思いました。 |
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ページの最初へ戻る | 先日お電話をいただきました。「病院で、白虎加人参湯という漢方薬が出ているが、 自分が持っている漢方の本に載っている適応症が自分には合っていない。どうしてこ れが出ているのか分からない」、というお話です。この方は、当薬局でも治療をして います。以前も同じ様な事をおっしゃっていたのを覚えています。実際、病院の先生 がその方の体をどのように捉えてその薬を出しているか、私には分かりません。そこ で、漢方薬の適応症のお話をその患者さんにしました。 まず、問題の白虎加人参湯の適応症は、「むやみに喉が渇いて水を欲しがるもの。熱 感のはげしいもの。糖尿病の初期、暑気あたり、熱性疾患時。」などと書かれていま す(小太郎漢方・ツムラなども同様)。しかし、その患者さんに該当する症状はあり ません。強いて言えば、少し口内がネバルかな、という感じ。 そこで、「添付されている漢方薬の適応症は、嘘じゃあないけど、実は嘘と思ってい い」と、私は答えました。 白虎加人参湯を使う時、少なくとも私は"喉が渇く"というような症状は目安にしませ ん。 では、白虎加人参湯は何の薬かというと、「足陽明胃経の邪熱を取り除く薬」なので す。だから、足陽明の経絡に邪熱が溜まって起きている症状を治療するとき使うので す。例えば、鼻の違和感・喉痛・痰・乳癌・不眠・歯槽膿漏などなど。しかも足陽明 に他の経絡の病気が重なって起きている症状にも必要に応じて使うので、「適応症」 に際限はありません。ちなみに足陽明胃経に邪熱が溜まる大きな原因は、甘い物の多 食です。だから、甘い物を食べるのが好きで肉が膨張している肥満に使うこともあり ます。ある人がこれでダイエットに成功したとしても、他の人の誰もがこれで痩せる とは限りません。漢方薬の適応症は、嘘じゃあないけど、実は嘘と思っていい、と私 が言う理由を何となく分かっていただけたでしょうか。 |
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ページの最初へ戻る | 添付文書や箱書きにあるような漢方薬の「適応症」は、嘘じゃあないけど、実は嘘と 思っていい、と先月の元気だよりで書きました。「では、私の薬はどんな薬ですか?」 と訊かれると、とても困ります。何故なら、皆さんと共通する言葉が無いからです。 今では素人の方でも薬に関する知識はかなり高いと思いますが、それは漢法医学に関 する知識ではなく、西洋医学の知識だからです。 例えば、利尿剤といえば、腎臓や膀胱などに作用する薬が西洋医学の定番で、これを 誰も不思議には感じません。しかし漢法医学では、尿を出すために小腸の熱を取って いくことが多いのです。何故なら、尿が出ない原因の多くが、腎や膀胱そのものが悪 いためでなく、小腸に悪い熱が溜まっているからなのです。小腸の熱が取れると、尿 がきちんと出て、しかも首筋や二の腕などの張りやコリも取れます。ここに小腸の経 絡が流れているためです。また、眠りが浅いような場合は、ぐっすりと眠れるように なります。小腸と心臓が経絡で繋がっていて、小腸の熱が取れると、心が落ち着くか らです。つまり、体は生きていて、全ての臓器が協同して生命を育んでいるという基 本を皆さんが持っていないから、説明しても理解されず、空しく終わってしまうので す。 そこで、「何の薬ですか」と問われると、「ウ〜ム」と、私は言葉を失ってしまうの です。例えば「尿を出す薬です」と応えると、患者さんは、「利尿剤ですね」と納得 しますが、「違います、利尿剤ではなくて、小腸を健やかにする薬です」と訂正する と、「?」途端に難解なお顔になってしまいます。そうして、「何を言っているのか、 ゼンゼン分からん」、とだんだん不審げなメツキになってきてしまうのです。 適当にあしらえばイイのよ、と、同じような仕事をしている友人はサラリと言います が、それが出来ないのが、私の性分のようで、一時間や二時間説明してしまうことも ざらにあるのです。・・・・・・お疲れさまです。 |
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ページの最初へ戻る | 先日ある患者さんが「センセエ、これこれ」と言って、ある雑誌のコピーを取って持 ってきてくれました。見ると、 「グレープフルーツの香りでダイエット!?」という大きな見出し。 グレープフルーツやコショウの香りを嗅ぐことによって交感神経を活性化し、生理活 性物質「ノルアドレナリン」の分泌を促進させ、中性脂肪を燃焼させる効果のあるタ ンパク質の働きを高め、結果として、ヤセル! ということだそうです。某化粧品メーカーは、これに本気で取り組み、グレープフル ーツの香料でつくったボディ用美容液を発売するそうで、雑誌の記事には「要注目で す!」となっていました。 アロマセラピーではグレープフルーツの香り成分は中枢神経の働きを助け、気持ちを おおらかにしてくれる効果や、精神的なストレスによる食欲不振、不眠、拒食、過食 などの症状に効果的と古くから言われています。また、グレープフルーツ精油の香り には脳内麻薬様物質の代表選手「β-エンドルフィン」を作り出す力があるといわれ、 その作用による適度な幸福感は、人の免疫力を整えてストレスへの抵抗力を高めるこ とが知られています。 漢方薬でも、橘皮(きっぴ・小喬木みかんの果皮)や青皮(せいひ・小喬木みかんの 未成熟の果皮と幼果)や枳実(きじつ・喬木ダイダイの未成熟果実)・枳穀(きこく・ 喬木ダイダイの外殻)など多くの柑橘類由来の生薬がありますが、いずれも理気薬と いって、気をスムースに動かすために使われます。気の流れが滞りがちで、ツウジが 良くない場合やイライラしたり、お腹が張ったり、胃がつかえたり、むくんだり、頭 がボオッとする時に使います。精油の効能もつまり気の流れを良くし、滞留を無くす のが主眼ですから、基本的には同じといえそうです。気の滞留がよくなると、大抵の 方が痩せますから、グレープフルーツの香りの効果もうなずけます。ご興味ある方は お試しください。 |
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ページの最初へ戻る | 先日、漢方薬とアロマセラピーで治療をしている患者さん(六十七歳)に、私が英国 でご教授いただいていた先生のお話をしましたら、いたく感動されて、『…これから の人生について、すっかり考えが変わりました。心が若返ったような気がします。肩 で風を切って歩けそうです。…』というお手紙をいただきました。 英国の私の先生はインド人(七十七歳)で、ナント驚くなかれ、皇族の名字を持って いるらしいのですが、とても天真爛漫な方です。彼は、ある日、 「人は、生き物としてのお勤めは、子供のうちにしてしまわなければならない」と、 言いました。「子供を作り育てるという生き物としてのお勤めから解放されて、私は、 やっと自分の人生を歩きはじめた青年だ」。 なんのことかと言いますと、人間は、子供を作って育てるという人としての義務を終 えて、やっと人生が始まるのだ、というのです。つまり、自分の子供を独立させた五 十代でやっと人生が始まり、六十代は修行、七十代でいい仕事をして、八十から九十 代で円熟し、百から百十代でまとめ、百二十で人生をまっとうするのだ、それが人の 生きるということだ、というのです。 彼は、七十の後半で、実際にいい仕事をしていますし、人としての魅力にあふれてい て、いつまでも一緒にいたくなります。生殖能力のあるうちは、人はまだ子供なのだ、 という彼の話を私は患者さんにしたのですが、そこで『…私にはすごい衝撃と申しま すか、インパクトのある出来事でした。…』というお手紙をいただいたわけです。こ の英国の先生に言わせれば、私など乳飲み子のようなもので、「おー、よし、よし、」 と、頭をなでられながら勉強させていただいたのです。 この人生観、どう思いますか、私は健康には程遠いのですが、自分で自分を治療しな がら、実は、百十歳まで生きると思っています。そして私が治療しているこの女性も、 正直言って、その位はだいじょうぶと思います。 |
| ページの最初へ戻る | 「主人が、お腹が痛いと言っているので、私がアロマセラピーをしてもらってるセン セエに相談してみたらって言ったんですけど、『恥ずかしいからイヤだ』って言うん です」 「どこが痛いんですか」 「痛いっていうほどじゃあなくて、脇腹の所が変みたいです、マジメな顔をして僕は あと数年で死ぬかもしれない、なんて言うから可笑しくて…」 こんな会話をしていたら、当のご主人がある日突然お見えになりました。 脈を診ようとして触れた手がベタベタで、すごい湿気です。ご本人によると幼少の頃 からベタベタ手足だったそうです。その手に皮膚病があり、聞くと、乾癬の初期と病 院で言われたそうです。「一生、治らないって言われたんですよ」辛そうにおっしゃ るのですが、診ると赤みも無く、皮の一部が少しむけたようになっているだけです。 「少し身体から湿気を取る薬を飲んでみますか、お腹にも良いはずです」 「是非、是非」 漢方薬は初体験だそうで、なぜか、とても喜んでお帰りになりました。 その後奥様がお寄りになったので、お聞きしたら、「すごく体調がイイ」そうで、お 腹も「違和感が無い」そうで、「手も少し乾燥してきている」そうです。以前から奥 様には食事内容について注意してきた事があったのですが、ご主人も奥様と同じ食事 に変えたそうです。彼はミスタードーナッツのドーナツが好物だったそうで、奥様に 隠れて食べていたらしいのですが、薬を飲み始めてその習慣を辞めたそうです。毎晩 のアルコールも週に何日かは我慢しているとのことで、「すごく体調がイイ」のは、 奥様と彼自身の前向きな姿勢の効果なのです。おそらく、皮膚病の方はまだあるでし ょうが、そのうち取れてくると思います。お薬は、身体を健やかにする弾みをつけ、 助けますが、身体が治るのは、その身体の力なのです。身体は常に健康になろうとし ています、薬はお助けするだけなのです。 |
| ページの最初へ戻る | 「センセイ、ボクに、鍼(はり)を打ってくれませんか」 「…?…。ごめんなさい、私、鍼できないのよ。今、学校は行ってるけど」 「でも、センセイ、自分には、打ってるんでしょう」 「そおね、自分には、無免許でも打てるから」 「ボクに打ってください、ボク、実験台になります!」 彼は、夜、眠りにくいという症状で薬を飲んでいましたが、5ヶ月を過ぎて、もうか なり症状は取れているのです。治療前は、一晩に2〜3時間しか眠れず、しかも胸が ドキドキするような不安感があったり、被害妄想もあったりして、憔悴しきったひど いお顔をしていました。ところが、今は7〜8時間眠れるようになって、心も随分落 ち着いて、男ぶりも上がってきていて、先日も「もう薬は要らないんじゃあないです か」と話したのです。その彼が、ある日突然、真剣な顔をしてこんな事を言ってきた ので、ビックリしました。 実験台とは、どういう意味だろう、私は理解に苦しみましたが、練習を兼ねて打って もいいという志願なのだろうと思い、ありがとうと応えました。家族の間では、私は 不器用で有名なので、患者さんの中にも、私の不器用を見抜いている方が多いのかな あと、ショックを受けておりましたら、彼に続いて、「センセエ、練習台になります」 という方が続々と現れて、私はショックを通り越して、呆然としてしまいました。 もしや、みんな、薬よりハリがお好き?… ということではなく、きっと私への心使いなのでしょう。 ちなみに、最初の彼は、今月から薬は止めています(もちろん、鍼も打っていません)。 彼は不安そうでしたが、私は作りませんでした。お顔も白くなって、体重も5キロほ ど落ちて、別人のように男前になりました。 私の鍼を受けようという、勇気がリンリン出るくらいなので、もう、薬も要らないで しょう。 |
| ページの最初へ戻る | おへその下2寸の所に、石門(せきもん)というツボがあります。ここに鍼を打つと、 女性は石女(うまずめ=子供を産めない女性)になると言われ、ツボの名前に石が入り ました。このあたりの腹部を小腹といい、臍下丹田と呼ばれるところでもあります。こ こに生命の元となる気が詰まっているのです。 さて、不妊の治療を二年半ほどしていた四十四歳の女性が、今年三月に無事男の子を出 産されました(もちろん初産です)。彼女の言ですが、崖っぷちの授かりものになりま した。ご夫婦の喜びは想像を絶するもので、私も感動いたしました。昨年の春、ほとん どあきらめムードになり、病院の治療も止めてしまった途端のオメデタだったのです。 ビックリです。神様の悪戯です。実は、およそ三年前、アロマセラピーをして分かった のですが、彼女はこの石門穴あたりがいつも氷のように冷たいのでした。また、腹部全 体が硬く、特に例の石門穴あたりは、その名のごとく石でも抱えているような硬さがあ り、ちょっと触れただけでも於血(血の滞り)が明らかでした。これが少し和まないと、 ちょっと無理じゃあないか・・・、それが私の感触でした。時間が必要でした。彼女の年齢 との競争になるので、半分自信がありませんでした。ところが、一年半ほど薬を服用し ていて、徐々にここの冷えが良くなり、フックラもしてきて、『もしかしてそろそろ・・・ ?』と思っていたのです。実際にはそれから一年ほどかかり、なかなかオメデタにはなら ず、じれったいことでした。二年半かかってしまいました。すみません。 これまでさくらガーデンで不妊治療してきた延べ人数は三年間に男性女性合わせて十四人 いらして、そのうち出産まで達成された方は八人です。三人は現在治療中、残り三人の方 は途中でやめてしまいました。それぞれのケースに、忘れられないドラマがあります。 |
| ページの最初へ戻る | 先月のこの欄で、不妊治療を二年半続け、四十四歳にして初産で男児を出産した女性のお 話をいたしました。 現在不妊治療中のある女性は一年二ヶ月薬を服用しています。月経の様子も身体全体の状 態も改善してきていますが、妊娠には至っていません。ご主人が四十を過ぎて、彼女は焦 っているのですが、人工授精をしてもうまくいかないのです。先日、彼女はおっしゃいま した。 「身体が良くなったからといっても、妊娠するわけではないのでしょう」 身体を良くしても妊娠しない、いや、するとは限らない…。 そうかもしれません。しかし、妊娠を促す条件をいくら整えても妊娠しない、ということ は、女性の体が胎児を育める状態ではないということです。体外受精をしても妊娠する確 立は確か40%未満だったように記憶しています。いくら受精させても、受精卵が母体と なる胎内で安心して着床し、育ってくれないわけです。 これは、妊娠だけの問題ではないように私には思われます。 女性の本源的な機能である妊娠・出産ができないということは、やはり基本的な体の状態 と問題を考え、そして整えていかねばならないのではないのか。体を良くしても妊娠する とは限らない、のではなくて、「妊娠」を女性の身体の健全さの指標の一つと考えねばな らないのではないか、と思われて仕方がありません。卵と鶏の関係に似て、私には上手く お話できませんが、どこかピントのずれた違和感を感じずにはいられません。 避妊をしたのに妊娠するケースというのもありますが、これも困惑する問題なのですが、 こちらはどことなく自然の摂理として平和です。 私の幼友達で韓国に住む女性は、今年始めに四人目を出産し、その赤ちゃんを連れて先日 遊びに来てくれました。五人目もいよいよじゃない? と、私がからかうと、彼女は豪快 に笑いましたが、その体から大地のようなぬくもりを感じました。 |
| ページの最初へ戻る | 週に一回ほど、アロマセラピーを続けている妙齢の女性とこんな話をしました。昔の人の 顔は引き締まっていて清潔な感じがする、体もダブダブしてなくて全身に筋肉がほど良く つき、活動的に見える。一体、何が違うのかしら、という話です。彼女は、江戸末期から 明治初期の庶民を写した珍しい写真の絵葉書を観る機会があって、こんなことを思ったの だそうで、実は私もよくそう感じていたものですから、話が弾んでしまいました。 彼女は言いました。食べ物がご飯と野菜が主だったから、清潔なのじゃあないかしら。私 も同感で、ウンウンと頷きました。食べる物によって性質ももちろん変わりますし、唾液 や汗のような分泌物も変わります。その人から発散される何かも変わります。 ところで、漢方薬には瀉剤(しゃざい)というのがあります。これは「体の中に溜まった ものを取り除く薬」という意味です。「瀉(しゃ)する」という概念は現代医学には皆無 ですが、古代からの伝統的な医学にはどれもこの概念があります。インドのアーユルベー ダや、ギリシャ医学、エジプト医学どれにもあるのです。つまり、人は物を食べて生きる のですから、もし病気になればその原因は食べたもの意外には考えにくいものです。もち ろん寒さや暑さ、雨、風にさらされて起こすこともありますが、それに飲食が重なって起 こすことがほとんどですので、やはり飲食が最大の原因と考えられます。食べ物は口から 入り、肛門から排泄されるのですが、その過程で入ったものの蓄積があって然るべきで、 特に体に有害な蓄積を除くことが健康維持に必要だと考えられたのです。週に一回の絶食 なども昔の医学にはあったほどです。 今、私が治療している患者さんの大多数に瀉剤が必要で、これを抜いたら本当の意味での 治療にはならないのです。体に入れる事ばかりが健康作りではないという概念を知ってい ただけたらいいなあ、と思います。 |
| ページの最初へ戻る | 今年の春に話題となったSARS(重症急性呼吸器症候群)がまた話題になるかもしれない、 と生薬問屋さんの担当者が言って、板藍根(ばんらんこん)のメモを置いてゆきました。 春にはこの板藍根は随分出荷されたそうで、さくらガーデンでも板藍根はいろいろな方に 重宝に使われました。特に風邪をひきやすいお子さんを持つお母さんが求められることが 多かったです。さて、板藍根をご存知でない方のために、問屋さんが置いていったメモを ちょっとうつしてみます。 ・・・中国の家庭や学校では、風邪やインフルエンザが流行する時期に板藍根を煎じて のんだり、うがいをしたり、手洗いにも使うのが常識になっています。新型肺炎SARS 流行では、薬局で「板藍根」など予防薬を買い求めました。 この薬はインフルエンザウイルスにだけでなく、肝炎ウイルスにも有効で、1988年上 海で34万人もの人が発病したA型ウイルス性肝炎の流行には、感染を恐れる北京市民が こぞって「板藍根」を買い求めた為に、薬局からこの薬がなくなったという経緯がありま す。板藍根はアブラナ科タイセンの根です。・・・ 「板藍根」は、のどを痛めやすい人、風邪をひきやすい人、副鼻腔に炎症を持つ人、耳に 濃が溜まりやすい人、皮膚に赤みや湿疹のできやすい人、咳を出しやすい人、痰がつまり やすい人、食欲が強すぎる人、膝が弱い人、などが日常的に飲まれると体質改善になる薬 草です。 SARSが流行した時には、有効な新薬が無かったこともあり、板藍根が飲まれましたが、 これが予想以上に効果があり、中医医院が大変混雑したということです。インフルエンザ にとてもよく効くので、罹りやすい方は予防もかねて飲んでいると楽なのです。 |
| ページの最初へ戻る | この漢方相談には、随分たくさんの方々に登場していただきました。それぞれの治療にド ラマがあり、真実がありました。 病気といえば、実を言えば私自身が病気でもあります。おそらく私は、ここに登場いただ いた方々と同じぐらいか、それよりも悪い健康状態にあります。「元気だより」には食事 の話が多く出てまいりますが、私自身もまた体調を維持するために自分の体を傷めないも のしか口にしません。つい最近までジャガイモも食べられませんでしたし、今も鮭などは まったく食べられません。サヤインゲンの小さなお豆を食べても体が動かなくなる始末で、 まったく情けない限りです。 しかし着実な体の回復を日々感じております。それは健やかな心と共にやってくるようで す。完全な治療生活に入る前(約八年前)には、このような穏やかな心持でいることは少 なかったのではないでしょうか。常に焦燥感があったように感じます。今でこそ母親との 関係も皆様から羨ましがられますが、以前はこのように穏やかな関係ではありませんでし た。この治療生活に入った最初の二年ぐらいは、母は私がしていることを理解できず、ま た協力もありませんでした。私は高校を卒業してから常に「家」や「家族」から離れる傾 向にあったので、親子関係に希薄な部分もあったと思います。また、サヤインゲンの小さ なお豆を食べて体を壊すという私の体の状態が母には分からなかったのです。必死で健康 を求める私をただ見ているだけでしかいられなかった母の辛さも分かります。 両親や周囲の人々の理解や協力を得られるようになってからの治療は、一人でやっていた 時よりも効果が高いように思われます。それは主観的なものばかりではなくて、実際にそ うではないかと思うのです。 病気はそれまでの習慣から脱出する大きなチャンスでもあり、周囲の人々との間に協調を 結ぶきっかけにもなるものです。幸運の一つです。 |
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ページの最初へ戻る | 年初からおめでたいお話です。 週に一回ほどの割合でアロマセラピーを続けていた女性に赤ちゃんができました。 最近、「エッ、もしや、おめでたじゃあないのかしら」と私は思い当たることがあったの ですが、彼女が最初のお子さんがまだ三歳にもならないうちに保育園に預けて働き出して、 「私、子供とずっと一緒にいると、なんだか変になるの・・・子供は可愛いんだけど・・・」な どと昨年の初めにおっしゃっていたので、なんとなく言い出しにくかったのです。 「おめでたじゃあないかしら・・・」と感じた時に、それとなく、 「次のお子さんも楽しみですね」なんて話しかけると、 「そうなの、次は女の子がいいなあ」なんて応じてくださったので、ちょっと安心でした。 その数日後にメールが届き、あら、ナンだろうなどと思って開くと、 「センセエ、私、おめでたかもしれないの」などと書かれていたのです。 やっぱり・・・! と思うと同時に、『良かったねえ・・・』と感動に似た思いが走りました。 その後、『妊娠確定』のメールも到着し、安堵いたしました。 毎年秋口から毎週一回、アロマセラピーの施術を受けにいらっしゃる女性がおいでです。 彼女はお出でになると毎年必ず妊娠されて大きなお腹をしていて、すでに四、五人は出産 されていたと思いますが、アロマセラピーをすると体がとても楽で、出産もスムースだと 言われます。彼女は、お子さんは十人ぐらい欲しいそうで、毎年がんばるんだそうです。 子供がいるとおっしゃらないと、子持ちにはとても見えない美人で、結婚さえしていない ように見える不思議な女性なのです。 |
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ページの最初へ戻る | 健康上の問題から体重を落としたいと考えている方は結構おいでです。例えば脚にかかる 負担を軽くするためとか、体脂肪からくる病気を防ぎたいとか、いろいろです。私の経験 からすると、太ることより痩せることのほう簡単のようですが、筋肉を維持しつつ脂肪を 落とすのは難しいようです。 さて体重を落としたいという六十代のご婦人が昨年の四月から治療をしています。膝の痛 みもあり、何しろ体脂肪が三十二もあります。完全な『肥満』です。そして目の疲れがひ どく、テレビや読書を我慢しなければなりません。 肥満・・・難しい病気です。食べないのに太る、食べなくても痩せない場合もあります(いわ ゆる膨張です)。異常に食べて太る場合もあります(異常食欲です)。どちらにしても健 康人には起こりません。いずれも『脾』というところを治していきますが、同時に食習慣 の変換も必要です。空腹を我慢させるような治療はしませんが、食べる内容を変えていた だくことはあります。 このご婦人の場合、手の太陽(小腸)、足の少陽(胆)、足の太陰(脾)、足の陽明(胃)、 足の厥陰(肝)などが良くありません。粉末で薬を作りましたが、なんとも不味そうな代 物で、のんでいただくのも申し訳ないような気になってしまいました。 しかし彼女は奮起してがんばり、二ヶ月で二キロ体重が減りました。その一ヵ月後一キロ 減り、結局五ヶ月で四・五キロ減りました。ところが昨年秋の健康診断で中性脂肪が高い、 などと言われ、また体脂肪率に大きな変化が見られず、今ひとつ元気がでません。 しかし諦めません。お正月の食べ物に囲まれる中で、多少違反もしましたが、一月には体 脂肪、三十二から二十八ぐらいになりました。 ご本人は数字ばかり気にしておいでですが、実は、 彼女、かなり印象が若くなっているのです。ここだけの話・・・ |
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ページの最初へ戻る | 「センセエ、わたし、寒天が好きなので、これ、お土産です」 長野へ旅行に行かれて、寒天のお土産を頂きました。私も寒天は好きなのでありがたく頂 戴いたしました。 「でも、なんであんな山で海藻からできる寒天が有名なんでしょうね」 寒天はテングサ(マクサ)という海藻から作られます。テングサは海で採られ、浜で乾燥 され、長野県の諏訪地方や岐阜県などに運ばれて心太(トコロテン)になります。それか らこの地方独特の晴天が続く寒い冬(マイナス5〜10℃の晴天)に外で干されて寒天に なります。つまり寒天は凍結乾燥された心太ということです。 凍結乾燥というのは、分かりやすく言えばインスタント・コーヒーなどの作り方と同じと 考えていただければよいと思います。 京都の宿屋で偶然外に置いてあった心太が凍結乾燥されて、これを食べたら心太よりも美 味しかったということで寒天は発見されたと言われています。これは江戸時代の初め頃の 出来事だったらしいです。 ある読み物で、寒天が江戸時代から輸出されていた日本の特産品だったことを知って私は とても驚いてしまいました。世界の寒天の約90%が日本製だったらしいです。 海から遠い長野県あたりで寒天がよく作られるようになったのは、凍結乾燥するのに気候 が適していたということと、明治以降の鉄道などの交通が発達したことがあるのでしょう。 海藻類、特にヒジキやコンブは軟堅作用といって、硬いところや結塊を柔らかくする作用 があるので、生薬としてもそのような目的で使われます。病気としては、甲状腺腫?、リン パ節腫大、結核性リンパ節腫大、頚部リンパ腺炎などを治療するときに用います。また、 一部の高血圧などにも効果があります。というと、私は低血圧なので海藻は食べてはいけ ないんですか、などと聞かれるのですが、自然のものは中庸(ちゅうよう)を求めるもの なので、そういう心配はないのです |
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ページの最初へ戻る | 膝の痛み、よくお聞きいたします。 さて、昨年の十二月、一時間半はたっぷりとかかる遠方からはるばると、九ヶ月ぶりに、 突然お見えになりました。 「センセエ、膝が・・・」 その切羽詰ったお顔に、思わず私も彼女の膝を見つめてしまいました。 「痛いんです、ミズもたまってるんです」 聞く私のこぶしにも力が入ります。 「センセエッ、治りますかッ」 もともと彼女はチック症のような目のしばたきがあるのですが、目をパタパタさせて見つめ られると、とても困るんです。 「・・・大丈夫、・・・治療してゆきましょう・・・」 粉末でお薬を一か月分作りました。それから彼女は毎週一回ほど九十分のアロマセラピーを 受けに来ました。なにぶん、彼女の家は遠いので、近くの知り合いの施術者の処へ行くよう に薦めたのですが、十二月七日から今年二月二十日までの間、都合十回施術いたしました。 お薬は四ヶ月分お作りいたしました。途中ひどい風邪をひたりして、だいぶ気落ちすること もありましたが、お互い、がんばりました。 その甲斐あって、施術を重ねるごとに良くなり、目の症状も取れてきました。肝心の脚も少し ずつ伸びて、膝のミズも取れて、痛みも取れ、普通の歩き方になりました。 彼女からメールが届きました。今朝受け取りましたので、記しておきます。 おはようございます。昨日「元気だより」をお送りくださいまして有難うございました。い つも楽しみに拝見しております。お陰さまで、左ひざも元気で日々頑張っていてくれます。12 月より大変お世話になりまして有難うございました。暖かな日が続いておりますが、どうぞ お元気でお過ごしくださいませ。 私もホッとしました。どうぞ、ひざを大事にしてあげてください。 |
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ページの最初へ戻る | ローズクォーツという石をご存知ですか?和名は紅水晶 べにすいしょう といいます。なん ともいえないピンク色の透明な石です。大好きです。 私がこの石を最初に知ったのは、ある患者さんからの贈り物でした。ハート型をしていまし た。可愛くて、きれいで、いっぺんで好きになりました。皆さんにも眺めてもらいたくて薬 局に置いておりましたら、なくなってしまい、随分後悔いたしました。私の不注意で、頂い た方には申し訳なくて、気持ちはシボンデしまいました。 紛失してから二ヶ月ほど経ったころでしょうか、再びローズクォーツを頂きました。前回と 同じ患者さんが下さったのです。 「センセエ、残念でしたね」そうおっしゃって、「またあの石のお店に行ったから買ってき たの、あの石にちょっと似てるでしょ?」 ハート型をしていました。 「もう、薬局には置かないわ」 私は口をとがらせましたが、彼女は苦笑していました。 「でも、大切にしてもらっていれば、いいわ」彼女はそう言いました。「あの石、センセエ の所にあると、すごくキラキラしてたわ」 確かに、とても綺麗だったのです。 私はお礼に蔵王で買った蔵王温泉の湯の華を贈りました。そうしたら、次に来局された時に、 彼女の全身から硫黄の香りがして、「ああ、湯の華、楽しんでもらえて、よかったあ」と思 いました。彼女は今、妊娠8ヶ月ほどで、妊娠前から続けていた週1回ほどのアロマセラピ ーを今も続けています。とても美しい女性です。余分な脂肪も妊娠線もありません。 ご主人が皮膚病を持っていらして治療しています。ご主人は、最近ウエストがスッキリして、 お顔のシミも取れてきたと言っていました。 「主人はね、効果にすごくビックリしていてね、口では言わないけど、カンポウを信じてる のよ」 二人で笑いました。彼女は、前回の妊娠よりも体調がすこぶる良いので、自宅で出産しよう かと考えているようですが、ご主人も賛成だというお話です。いい助産婦さんに出会えるよ うにお祈りいたします。そして、健康に出産できるように、私も施術内容の勉強をいたします。 |
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ページの最初へ戻る | 「センセエ、体脂肪が減ってるんです・・・」 「・・・」 月経前後になると気分が悪くなる、頭が重いような、全身が張るような、食べても食べた気 がしなくて多食してしまうような、妙な状態なんです。そうおっしゃる二十代後半(いや、 若作りだけれど三十代前半ぐらいか?)の女性が「ケーキ好きの女性が健康美人になる漢方 薬」という飲み物を服用していたのです。 毎月、十日前後になると来局され、一カ月分ずつ持っていかれます。無口な女性です。体調 がどのようなのか、私も気になっていたのですが、そっと入ってこられて、そっと出ていか れるので、尋ねる機会がつかめませんでした。一度、ポツリと、「頭が重くなりません、楽 です・・・」と言っておられたのですが、お話ができず、ちょっと心配でした。 ところが、七、八ヶ月経って、「体脂肪が、三十一あったのに、今は二十四です」と、突然 おっしゃるのです。 確かに、スラリとしているようです。ひきしまった、という感じでしょうか。ご本人は、体 重は2キロぐらいしか減っていないので、不満のようなのですが、見た目では3〜4キロは 落ちたように感じます。 失礼ながら、私は『へぇ』と驚きました。 もう一人、同じ飲み物を服用なさっている女性が、「センセエ、吹き出物がゼンゼン出なく なりました」とおっしゃいました。その女性は三十代後半ですが、口周囲の吹き出物が目立 っていたのです。紫色に残った跡もかなり消えています。 この飲み物は、気の流れを促す理気作用のある薬草が多く、また?血を取るものも入っていま す。気が滞ると血も滞留して?血になります。この飲み物は、気を流し?血を取ることで滞留 したものを除く作用が強いのです。 気の流れを悪くする原因には、ストレスやクヨクヨ考えることなどの精神的問題もあります。 最近の女性は、実社会に出ていますから、女性本来のストレスと男性が持つようなストレス と両方抱え込んでいるのでしょうねえ。女性たちよ、ストレスなんて、笑って吹き飛ばそう。 |
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ページの最初へ戻る | 先月は、「ケーキ好きの人が健康美人になる漢方薬」という飲み物を服用していた女性二人 のお話をいたしました。 実はお話は続きます。姉妹品に、「揚げ物好きの人が健康美人になる漢方薬」というのがあ ります。やたら、商品の紹介になりそうで、不安なのですが、実話なのでご紹介します。 こんな方がいらっしゃいます。栄養状態が抜群の虚弱体質。まるで逆説です。丸まるしてい るのに冷え症で、手脚に触ると冷たい、風邪もひきやすい、疲れやすい、体がシンドイ、夏 は人一倍汗かきでそれだけで疲れる、でも食欲はある。そして、体脂肪が30以上ある。肩 こりがきつく、背中や脚にもコリを感じる。食事は外食が多く、揚げ物が好き、パンが好き、 健康のために乳製品もよく食べている・・・ 特に病気という症状は自覚していないが、一体、どうしてこんなに体がキツイのかしら、と 感じる。そもそも、一体、どうしてこんなに脂肪が体についているのかしら、どうにかした いけど、どうしたらいいのかしら、もし、このまま行くと、何か病気になりそう、生活習慣 病の何かにきっとなるわ・・・いつもこんな風に思っていらした、30代後半の未婚女性です。 一見では、健康そうです。性格も穏やかで平和です。 「センセエ、病気予防の何かありませんか、体脂肪も落としたいんです」 「そんな夢のようなモノありませんよ」と言ったものの、ハタと思いつき、「揚げ物好きの 人が健康美人になる漢方薬」を紹介しました。これだけでは力不足と思い、食事の指導をし ました。ほんの些細なことです。そこで驚きました。半年ほどで、何年も喪失していたウエ ストラインがクッキリと現れたのです。体のシンドサも軽減して、手足もほんのりあったか くなってきました。ご自分で、「人間改造計画進行中」などと言って、今も体造りを続けて いらしゃいます。茅ヶ崎に新しくスポーツジムのようなものができるそうで、そこに行く予 定だそうです。 「未病を治す」とは、漢方薬の基本的考え方なのですが、漢方薬って、本当に体にいいんだ なあ、と思ってしまいました。この道で生きている私が言ってはいけない言葉かもしれませ んが・・・。驚きの症例の一つになりました。 |
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ページの最初へ戻る | もう、一年半以上、アロマセラピーの施術を週に一度続けてきたある女性が妊娠し、無事出 産されました。 最近は大きなお腹を抱えて毎週施術にいらっしゃっていました。 施術予約が七月十三日に入っていたのですが、出産予定日が二十三日だったので、安静にし ている方がいいのではないですか? と言っているうちに、当日の朝、キャンセルの電話が ありました。私は自分のことのように心配で、喉をカラカラにしながら、「ゆっくりして下 さい」と、言うと、「そうします」と、彼女は電話を切りました。 私は安心する一方、また違う心配も生まれたりして、ずっと気になって仕方がありませんで した。 そんな翌々日、十五日にお電話を頂きました。 『まさか、何かあったの?・・・』一瞬そんなことが頭の中をめぐりましたが、彼女の声は笑っ ていました。 「センセエ、生まれたの、十三日、センセエの所へ行くつもりだった日に、男の子だったの ・・・」 「おめでとうございます。ああ、良かった、良かったですねえ、本当に良かった」 私はそれ以上の言葉が思いつかなくて、後から思い出すと、恥ずかしい限りです。 「主人が、二、三日のうちにお薬を取りに行くと思います」 私は、急いで、お祝いを何にしようか考えました。 退院はいつか、ご実家からお家へ戻られるのはいつか、よく訊いていなかったので、どこへ 送ればよいかしらん、などと考えているうちに、そうだ、ご主人が来られるなら、ご主人に お渡ししよう、と思いつき、超特急で伊勢丹のグリーンカード(19種類のお花や観葉植物 の中から好きなものを受け取れるギフト)を買いました。花束あり、観葉植物ありなので、 お部屋に緑が欲しい時にも利用してもらえます。花束は私も大好きなのですが、枯れてしま うのが惜しいので、根の付いたものがいい時もあります。 ご主人が来られるのを、今、ワクワクしながら待っているところです。 |
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ページの最初へ戻る | 不妊の治療をしていて、めでたく懐妊された方が、八月にはお二人いらっしゃいます。お一 人はAさん、三十九歳、もうお一人はSさん三十五歳です。お二人とも若くて、結婚してい るようにさえ見えない方たちです。Aさんは約一年、Sさんは半年の治療でした。 Sさんが今年一月に初めて来局された時、冷えと風邪症状でひどい状態でした。お話を聞い ていると、子宮筋腫から内膜症、さらに昨年十月には子宮頸癌も発見されたということで、 単純な不妊治療ではないではありませんか。 何をどうすればイイの? というのが、私の 本音でした。六月にアロマセラピーをした時は、汗がジットリはりついた肌が氷のようでし た。タオルで拭っても拭ってもジットリしているのは、汗だけでなく、湿気も出ているため です。また、衛気 えき という体表を守っている気が出ていないために、表面の汗などの 水分を自分の力で飛ばせない状態なのです。それでも、五ヶ月ほどの薬の服用で、臓腑は回 復しています。体表が乾いて温まれば、何とかなるんじゃあないかな・・・と、いう所でした。 この次の薬は、衛気を調えるのを増やしていかないとダメだなあ、などと考えているうちに、 Sさんは来局しなくなりました。 そして八月末の朝、突然、お出でになり、「センセエ、実は、赤ちゃんできたんです」と言 うではありませんか。もう、ビックリです。ご主人の祖国へ一ヶ月ほど行かれていたという ことで、きっと、ご主人のお国の乾燥した気候がSさんの体の回復を促したのだと考えまし た。あのジットリした、Sさんの体をシンまで冷やすようなものが、乾燥した空気が取って くれたのだと思います。 妊娠は実現しましたが、Sさんは、しばらく安定するまで注意が必要です。薬もよくよく考 えねばなりません。 一方、Aさんは、毎月、キョウレツな生理痛も悩みのタネでした。 「センセエ、今月は、痛みが全然ありませんでした」という月が数ヶ月続くようになったら、 赤ちゃんができました。?血 おけつ が取れたんでしょう。 |
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