■FISHING REPORT 3月5日 『139-33=106』この計算は小学生でもできる。


嫌な予感がしていた。朝方常宿の萬司朗丸についてみると境川河口に係留された船がやけに大きく揺れている。河口まで波が来ているという事は沖からうねりが高い証明なのだ。特に流し釣りで釣っていくキスはうねりを横から受けるため相模庵の船酔いもこれまでに2打数2安打10割打者。今回の釣りの大きな目的は『鉄人』と称される方の釣りを見極める事、鉄人が釣りに来る保証は何もないのだけれど運良くいらっしゃってた。その目的にも船酔いを思えば気力が萎える。

7:30河岸払い、今日は大名釣りで4名、私以外はキス釣りの常連さん。鉄人、年配の方、女性。船長も竿を出す。ポイントは航程10分茅ヶ崎Tバーと茅ヶ崎港の中間点。船を走らす間にもコリャいかんといううねりを感じる。釣り始めは誰にもしばらく釣れなかったが40分くらい経った頃からポツポツとあたりが出る。竿は2本竿、1本はチョイ投げして誘う、もう1本は船下に落としておく。仕掛けは湘南キス6号の遊動テンビン。なかなか食い込みが浅くてハリガカリしないが20センチオーバーの型の良いキスが釣れてくる。小さいキスが釣れたのでマゴチ、ヒラメ、スミイカ狙いでもう1本置き竿をセットした。(結局これには何もアタリがなかったが・・・・・・・。)

10時くらいまでで20匹を釣っていた。船長はホウボウを2尾ほど仕留めている。う〜この頃からどうもうねりも高くなり気持ち悪い。休み休み横になりながら釣る。なにか食べれば調子が良くなるかと好物の『うにせん』をほおばるとなんとなく良くなってくるのだがまたまた気持ち悪い。うげぇ〜と海中にコマセを撒いて楽になるかと思いきや30分くらいで駄目である。沖上がりの2時までの時間が長い。30匹は釣るぞと心に決めた。それだけ釣れば満足である。結果33匹釣って納竿とした。

片づけるとき船長が『何匹釣れました?』と聞いてまわる。萬司朗丸は必ずお客全員に釣果を聞いてまわりそれをサンスポに報告している。釣果を水増ししている船宿に比べると非常に正確で良心的な船宿だ。という事でスソ33匹で報告されてしまう相模庵であった。33匹というのは食べるには充分すぎるのだが、かわいそうに思ったか船長23匹私にくれた。(飯田船長ありがとう)家に帰ってさばくのに2時間半かかった事はここに書いておきたい。

さて139匹釣った鉄人の観察報告をしよう。まず鉄人の仕掛け、道具、キス竿2本、正確には3本の竿のうち2本を使い分けていたようだ。穂先の調子など感覚が微妙に違うのだろうか?テンビンは遊動テンビンと思ったが意外にも普通のもので10センチほどのクッションゴムを直結して食い込み重視を狙っているようだ。仕掛けはYAMASHITAの市販品である。ここまでで他の人とは大して違わない事に気付かれると思う。では鉄人の秘密とはなにか?私が得た結論は『鉄人精密機械論』である。鉄人は2本とも竿をチョイ投げする。まず1本投げて着水するや、もう1本投げる。右の竿を誘い、次に左の竿。キスが釣れるや超高速で巻き上げる。魚の引きなんぞ楽しんでない。すぐ餌を付けて投げる。着水するや糸ふけも取らずに別の竿を誘う。やっと投げた竿の糸を張って誘う。この一連の作業を休みなく続けておられた。私が見た限りそれはマシーンだ。鉄人は本当に休まない、徹底している。釣れた魚はクーラーなどに入れずバケツへほうり込み30匹ぐらい貯まるとやっとクーラーへ。特に釣り方に特殊な事があるのではなく(私が盗めなかったのかもしれないが)鬼神のごとく釣りつづける。お年は37〜8歳だろうか?そのタフさ、正確さ、すばやさが鉄人の秘密であった。鉄人が名人と呼ばれるのではなく鉄人と呼ばれる所以、少しわかったような気がした。まさに鉄の男である。

今日の釣りの友
缶ビール1
燗番娘1

(ただし蓋も空かないまま帰宅・・・・。)


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