■FISHING REPORT 5月19日 ついにアオリゲット!ヤエンアオリ釣法


網代港でのヤエンアオリイカ、先週熱くなった心を冷ますには釣りに行くしかない。小田原マリンにアジの有無を電話確認し直行。10尾買うか15尾にするか迷ったが15尾にしてもらった。実はこれが運命だったのである。

網代に着くとやたらに人が多いしお気に入りのポイントには先客がおり駄目。周りは餌巻きエギでのウキ釣りばかり。仕方なく場所を確保して21時過ぎに早速アジを投入する。しかし一向にイカの気配がないのである。潮の流れが緩みかけたころ隣の釣師のウキが沈んだ。どうやら見てるとヤエンと同じように5分くらいは待ってあわせをくれるようである。見事なまでの寄せを見せた釣師だが残念なことに玉網取り寸前でばらしてしまった。ところが次のキャストですぐウキが沈むのである。イカはしつこい性格でもあるようである。今度は慎重に寄せて800g程度のアオリイカをゲットした。また投げるとウキが沈んでと何回もアタリはあったようだが取り込むまでには至らずだった。

相模庵の初アタリはずいぶんと時間がたってからだった。アタリがあって時計を見て5分間はじっと我慢の子、イカが食事を始めるのを待つのである。イカがアジの内臓まで食い進むまではヤエンを入れてはならぬ。そうでなければイカはヤエンの重さに気づいてアジを離してしまう。逆にイカは内臓を食べると夢中になってしまいアジを離さなくなるので、そのタイミングでヤエンを入れることが肝要である。教科書どおり?ヤエンを入れてイカがヤエンに掛かるのを待っていると、ん?なんか変、根掛りだ。しまった!イカを少し浮かせてからヤエンを入れないと根掛かりしてしまうことを忘れていたのだ。基本的なミスでラインを切る羽目になり九州からわざわざ取り寄せたヤエンをロスト、おまけに足元においてあったヤエンを海の中に蹴り込んでしまって泣きっ面に蜂という酷い状況、なんてザマだと頭に血が上る。

12時を過ぎて周りの釣師が帰り始めたのを期に自分のポイントに移動出来た。しかしアタリは全然ない。状況が変わったのは魚市場の照明が灯された午前3時過ぎだった。アジの小刻みな逃げ惑う動きが竿先に伝わり、それが消えてそのうち2回づつお辞儀をする動作に変わる。イカがアジを抱いたのだ。時計を見ると3:27、そのまま待って時折ラインを引き出しイカに違和感なく食事をしてもらう。5分たって軽く竿を聞いてみるとアジを抱いて、スゥーッと引き寄せてもアジを離す気配がない。多少底から浮かせてからヤエンの準備。よしよし、竿を寝かせて竿先まで歩きヤエンをラインに引っ掛けて海中に落とすとヤエンはロープウェイのようにツツツと水面下へ消えていく。頼むぞ俺のヤエンと念じながらヤエンがスムーズにアジまで到達するように竿を立てて角度をつけてやると微妙にコンという到達感が出る。あとはイカ任せ、ヤエンに掛かってくれるまでじっと我慢20秒ほど待ったころだろうか、強烈な引き込みが竿に伝わってきた。よし、掛かった!。ドラグを効かせながらイカの逆噴射に耐え、慎重に寄せる。無理してはいけないと自分の心に言い聞かせて!。幸いにして水面での猛攻はなくすっぽりと玉網に納まったアオリイカは1130gのオスであった。3分間くらいかけて寄せただろうか?、アタリから10分程度、ヤエン釣法による初めてのアオリイカが自分の目の前にあった。最高に嬉しいアオリイカ、感動で体が震えた。しかし、とんでもないドラマが最後に残されていたのである。(ガチンコ風に)

1時間後の4:33アジの動きが変だなと思いきやいきなりドラグがジージー引き出され止まらない。こいつは大物アオリイカに違いない、心臓がバクバクする、ドラグが止まり時計を見てきっちり5分、竿を聞いてみると乗っている!しかもかなりの重量感である。あわてて竿を緩めてラインをつまんでヤエンを投入、天高く竿を突き上げる。ヤエンの到達を知らせる合図が竿先に伝わると同時に今までにない強烈な引き込みが竿を引き絞りドラグがどんどん出て行く。底に突っ込まれてはヤエンが根掛かりするのでそれだけは避けようと懸命に竿を突き上げるが、時折引き込む強さは先のイカの3倍はありそうな感じである。途中、底へ突っ込むので変だなという感じはあったのだが無我夢中でやりとりをして、引き込まれれば手でラインを引き出して対応、敵が休めば巻き上げる、そんなやりとりに周りの漁師さんや釣師が寄ってきた。なんだなんだという感じでゆっくり寄せて来たが敵は底から離れようとしない。水深5メートル、真下に来た時に反転、漁師さんがヒラメだ!と叫ぶ。そこからはヒラメはギブアップしたのかゆっくりと寄ってきたのである。その漁師さんが玉網取りしてくれてジエンド、玉網の竿がしなる。ドンと放り投げた玉網の中にヒラメがビトンビトン暴れていた。それを見て呆然とする相模庵、お礼を言って玉網に掛かったヤエンを震える手ではずしている時、ヒラメが暴れてラインがプツンと切れた。バス用フロロカーボン5ポンド(1.2号)での戦いはリールのドラグ性能、竿のしなり、そして運が私に勝利を呼び込んだのである。61センチ2.5Kgのヒラメが陸っぱりで釣れてしまった。漁師の奥さんによれば漁師が魚の腸などを捨てるので寄ってくるらしいとの事。「生かして帰るのけえ?」と言う言葉に「もう帰ります」と相模庵。アジを生かしておいたスカリを上げてアジを海に逃がしてやるとアジは4尾残っていた。そう、ヒラメは11尾目のアジに食いついたのだった。

今回使用したヤマシタの35センチLLサイズのヤエン。オモリの左右のメガネにラインを通して使う。イカバリは5本針のが3列に並んでいるものである。本体は非常に軽めで使いやすい。ヤエンはオモリの重さ、バランスなど開発途上の道具で今後の新製品が期待される。

全然イカの気配が無い中で突然釣れてしまったので感慨もひとしおであった。イカ釣り師の勲章である墨跡をたくさん残してくれた。

網代はなにが釣れるかわからないと帰宅後髪切虫さんと話した。髪切虫さんもこのポイントでイカ仕掛けで64センチのカンパチをあげている。タックル装備には神経を使いたい所以だ。

大判とはいかないまでも良く釣り新聞に出てくるようにヒラメを持ってみました。大体釣れないんだからいいですよね。