■FISHING REPORT 7月8日 YAEN DE AORI 31 基本タックル 活きアジ販売所





夏に入り、春アオリイカの季節も終盤、しかし2006年に限っては海の中が2ヶ月ほど遅れている印象でまだまだチャンスは濃いという感じ。
各地うねりが厳しい状況で西伊豆はもろに食らいそうなのと釣況が不安定のようなので最近好調の東伊豆をおもむろと共にランガン(ラン&ガン、まあ走り回って釣るということ)することにした。

北川(ほっかわ)堤防はちっこい堤防、しかし水深があるのでジェット天秤で届くくらいのところに定置網があり、魚種も豊富なことがうかがえる。

http://www.hokkawa-onsen.com/kurone/kurone.html

磯にある露天風呂で有名なところである。入って帰りたい、沖から女性を覗きたい・・・いろいろ考える。

その堤防に乗って驚く。常連とおぼしき釣り人、クーラー並べてお尻をつき合わせてこんな感じ。
ロケット型の羽根つきウキとアブのベイトリールで遠投するのが彼らのスタイル。
サバとかメジナとかアジ(アジ捨ててました、餌にくれ〜)とか食わせるので楽しい釣りだなと見ていると本命はイサキとのこと。最初はそんな気配はなかったけど30〜35センチのイサキがポツポツと。
陸からそんなのが釣れるんならいいよねとおもむろとしばし釣り道具も運ばず、クーラーのビール飲みながら見学。

釣りを始めたのは6時過ぎ、イサキ軍団が電気ウキを用意してポイントが空かないとわかったから。
おもむろの買ったばかりの竿、ケミホタルをつけたら先からポッキリ、それでも工夫して釣りはじめる。
墨跡はなぜかイサキ軍団のほうではなく岸寄りの僕らのほうにある。それを信じて岸寄りを攻める。

おもむろがすぐに黙ってなにかやってる。魚がかかっても黙ってるのがおもむろ流、アジに小さいイカがついてるらしい。
目で確認できるくらいの位置にアジを寄せると確かにアジにイカがまたがっている。そのまま抜きあげようかというおもむろを制して、

「ヤエンを入れたほうが良い、後ろに下がって距離あけて・・・」

と相模庵、ヤエンを入れて・・・・

「イカが小さいから思い切ってフッキング・・・・」

おもむろ、見事にヤエンを掛けて海面でプシュープシューと水を吐く小イカ。抜き上げるとマルイカだった。30センチ近い良型で見るからにおいしそうである。

「やったなあー。とりあえず釣れて良かったよ、いい型じゃん♪。」

何もなければ網代へ移動しようとそう告げて北川で釣り続けたもダメ。3回ほど物凄い勢いでラインが引き出され切られるハプニングがあっただけ。多分サメと思う。ウツボじゃ早く泳げないし。

網代、最近好調と聞いていたがどうも釣り人が少ない。墨跡もまばら、竿を出したもののポイント調査などを行い、水深がこの時期では深すぎると断定、移動する。
話変わるが僕らが来る1時間前にその場で子どもが落水し、あわてたお父さんが飛び込んで助けたのだとか。道理で釣り道具がそのまま置いてあったり。子どもと釣りに行くときは注意したいものだ。

熱海に立ち寄って状況確認、湯河原に着いた時は夜中の2時を回っていた。ちょうど帰る釣り人がいてすんなりとポイントに入ることができた。
左隣の釣り人にはアタリが頻繁にあるらしく、それではと自分らも気合が入る。時間帯的には物凄くネムーイのだがアタリがある、釣れるということならば話は別である。

釣りはじめてすぐにアタリが来る。ジィジィとリールが逆回転してあまりにも走るので手のひらで押さえて止めに入ったが機嫌を損ねたかアオリイカは二度と乗ってこなかった。もう少し気分よく走らせたほうが良かったかもしれない。このバラシで頭沸騰、しかしイカはいるという手ごたえも。

湯河原に着いてからは手持ちでラインを引き出しながら沖へ沖へと探る手法、手前の障害物を避けるため沖を攻める。引き出したラインに呼応してアジがアオリイカの接近に暴れて泳ぎ進み、それがアオリイカの逆噴射と同化した。そしてアオリイカがアジを抱いた瞬間を竿先を通して理解することが出来た。
少し沖へ走らせてからゆっくりと寄せ、走られては寄せをくり返すうちにイカがアジの食事に夢中になって難なく寄るようになる。
底を切ったところでヤエン投入、このポイントは足元から沖へ15メートルほどケーソンがあり、ケーソンの角に摺られてはひとたまりもないのでヤエン投入後、竿先を高く上げて障害物を避けるようにする。
湯河原の場合、ひな壇がバックにあるのでその最上段まで上ってヤエンをアオリイカに到達させる猛者もいる。ポイントの地形を理解していないと釣るのは難しい場所といえる、ってあまり俺も理解してない(苦笑。

ヤエンがアオリイカに向かって進むのを竿先の曲がりで感じつつ、竿先がヤエンの重みで曲がらなくなったところ(ヤエンがイカの下にあり、イカの浮力でヤエンがぶら下がってる状態)でリールのクラッチをオンする。その前まではいつイカに走られても良いようにクラッチフリーにしてある。
イカの下部から忍び寄ったヤエンはラインを緩めることによってハネ上がり、針がアオリイカの薄皮1枚刺さってぶら下がる状態が理想。イカに痛覚はなく、何も感じさせない。
小学生のころ、クラスの女の子のスカートの下に気づかれないように物差しを差し込んでハネ上げる、そんな経験をした読者諸氏、ドキッとされた方はヤエンを始めるべし。これと同じテクニックがヤエンに生きる(爆。
ヤエン到達を確信したらゆっくりとアオリを寄せてくる。ビックリして逆噴射しても時、既に遅し、ヤエンの針先がグイグイとイカの体に突き刺さる。掛かってから逃げようとさらに逆噴射すれどうまくかわして取り込み、後検量1.5キロの立派なオス。苦労して釣ったのでアドレナリンが噴出(笑。

次の一投もイカが乗って、こいつは走る走る、あまりに走るんで角度がないとヤエンが届かないと思い、イカが食事バカになったところで充分に寄せる。ところがフッと軽くなってしまった。少しやりとりを無理(時間掛け過ぎ)したかなと反省するもアジを回収してみたら尾っぽだけのブーメラン状態。走りながら食いやがったか?。イカもイカの子、早食いもいれば遅食いもいる。超早食いのイカには対応しきれぬ。これもヤエンの醍醐味で仕方なし。獲ってヤエン、泣いてヤエン。

さらに連続でアタリが止まらない。自信を持って寄せ、自信を持ってヤエンを入れ、自信を持ってヤエンを掛ける。掛けて巻いてくるところで痛恨のバラシ。最近掛けてからバラすのが非常に多くなっている。自作ヤエンの針の並び、大きさとかもっと改良を重ねないといけない。日々研究も大切である。

2度連続のバラシにアオリイカがまだ答えてくれた。5連続のアタリ、今度は仕留めないと。
手にしたのは小さかったが600グラムくらいのオス。ほっとした。

おもむろは2度アタリがあったが、詰めが甘かったのとヤエンがケーソンに掛かり失敗したのとチャンスをものに出来なかった。
でも確実に頭の中では戦略が組み立てられアオリイカを釣ってる(笑)。きっと秋にはいい釣りをするに違いない。