３連休の最初の日、車も多い。藤沢市の自宅を夕方４時前に出てポイントに到着したのは７時前になっていた。NIGHT'Sさんのリベンジアオリイカ、釣り客が妙に少ないのと、三崎港のお祭りがあったこと、風が結構強いことで嫌な予感があったのだが結果は杞憂に。

アジを投げて早々、私の竿にイカが乗る。竿を聞けば軽いのでマルイカとわかる。すぐ食い逃げしてしまうのもマルイカならでは。案の定アジは食い散らかされて上がってきた。

７時半過ぎ、NIGHT'Sさんが 「なんだか乗ったみたいなんですけど」
竿を代わりに持って聞けば確かにイカだ。軽いのでマルイカのようだ。ヤエン初心者のNIGHT'Sさん、基本から動作を学ぶには格好の教材だ。
「ヤエンを入れますんでハイと言ったら竿を立ててください。ハイ、そうそう、そのまま今度は竿を寝かしたり立てたりしてヤエンをイカに近づけて〜。」
勝手がわからないためか恐る恐るやるその動作がかえってイカに違和感を与えないでいい。

「ヤエンがイカの下に入ったら竿を立ててヤエンをイカの下から跳ね上げてください。そうです、掛からなければもう一度、ラインを巻きながら竿を倒して〜再び竿を立てる。」
ズン！と竿先が入ってイカが掛かり・・・・・。
「あとはゆっくり巻くだけです。落ち着いて。」と声を掛ける。
竿が妙に曲がるなと思いながら玉網を持って海面を懐中電灯で照らしてイカの浮上を待つと・・・・・・。
「アオリだ！良い型！」白い体が光の先に浮かび上がった。玉網ですくって堤防にドスン！、1600gのオスのアオリイカだ。

「やった！イエ〜イ！」NIGHT'Sさんより私がはしゃぐ。グフグフ墨を吐くアオリイカ、小さい頃にウツボにでも食われたかエンペラに傷がある。しかしこれまで生き続けた貫禄が感じられる。
この時期のアオリイカは産卵行動を終えた固体は掛かっても全然引かなかったり、アタリも小さいものが多い。アジに抱きついてからジージーとドラグを引き出すより居食いパターンが増える晩もあり、まさにこのパターン。とりあえずのヤエンでの初アオリでめでたし、しかもナイスワンである。

「おもむ〜にメールしても良いですか？」NIGHT'Sさん。わかりますその気持ち。私も素直に喜び、おめでとうを伝え祝杯。しかし喜びの間に海中ではアオリイカが・・・・・・。

「また乗ってるみたいなんですが・・・・・」
「あ〜乗ってますね。」
「あ！離しました！」
「あ〜巻かないで！そのままにして」

しかし、イカがもう乗ることは無かった。アジを回収するとアジは内臓が完全に食われ尾のほうの肉がわずかに残る姿だった。

「遅すぎましたね。おしゃべりしている間に（苦笑」
「アオリイカは内臓を食い尽くすと再び神経質になります。内臓を食って夢中になっているときがチャンス。イカがアジの頭を落として内臓を食い始めてから食い終わる間です。ベストはアジの頭を落とした頃。」

周囲ではカゴ釣りの方がマダイやメバルを。相模庵には相変わらずアオリからの便りがなくマルイカの食い逃げばかり。直下狙いの根魚仕掛けにはゴンズイやネンブツの常連。

10時半
「なんだか、乗ったみたいです。」またもや居食い。
「あ〜ハイハイ」ヤエンと懐中電灯、玉網を取りに行きます。
「あ！離した！。」
「巻かないで、テンションを張ったらだめです。竿を置いて3分待って！、イカがアジを離したということはまだ内臓を吸ってないかと・・・・」

３分後・・・・。
「じゃ、そろそろ入れてみましょう、行きますよ、ハイ！竿立てて！、ああ！そんなに強く煽ってはだめです！、まずヤエンがイカに到達してから」
「はい・・・・・」かなり強引な竿さばきにもイカはアジを離すことなく・・・・、完全に夢中。
「さっきと同じように竿を寝かして、竿を立てて・・・・」

ズドン！！、先ほどより明確に竿先が突っ込んで行く。これにはNIGHT'Sさんもわかった模様。グイグイグイと逆噴射で暴れる。先ほどのイカよりかなりの暴れよう。

「無理しない！無理しない！、よ〜し！浮いた、もう少し下がって・・・・。」イカは最後の逆噴射で逃げようとするが玉入れ一発。イカ御用。今度も一回り小さいながらもオスの１キロアオリイカ。
第１ヤエンがイカの胴体に、第２ヤエンが吸水管に刺さり完璧である。アジを見ても内臓をアジの肛門近くまで食い進んでいて３分待ったことが正しいと証明された。ヤエンは海中の推理ゲーム。

程なく隣にも１キロ級が上がる。地合いだったのか？、相模庵のアジは嫌われる。 NIGHT'Sさんは手にした２ハイのアオリイカと逃がしたアオリイカでヤエン釣りの基本を学ぶ。釣ってみないとわからないことがある。よかった。たぶん、ハマッタ？（笑）と思う。 風が強くなった深夜１時納竿。とりあえず先生の御役目御免。