■FISHING REPORT 8月11日 うなぎ浸け針漁の夜


10日の夜10時に藤沢を旅立った。東名高速を名古屋の手前までは順調に走ったのだが、小牧ジャンクション付近で10キロ程度の渋滞が2ヶ所、200キロくらいを4時間で抜けた。ガソリン補給は1時間待ち、大津−西宮間渋滞55キロ所要時間4時間と表示される。最悪だ。思い切って大津で降りて京都市街を抜けて西へ走る。途中で有料道路に乗って丹波篠山から舞鶴道路、中国道まで3時間余りで到達。こんなときカーナビは本当に役に立つ。中国道は岡山県から先は絶対といっていいほど渋滞しないので時速120キロ走行の快適ドライブだ。島根県浜田市に到着したのは午後4時、18時間を要してクタクタの到着となる。

夕飯のビールに酔いもまわり、いや、かなりまわっている、睡眠時間は1時間しか寝ておらず強烈に体はだるい。眠くないのは感性が研ぎ澄まされすぎて眼は爛々。そんな夜9時過ぎ、「うなぎの浸け針行くか?」と従兄弟に言われると二つ返事で「行く!」と答えてしまう。浜田の家の裏は浜田川という川、伯父が錦鯉の養殖をやっていたころ8年間にわたって売り物にならない不細工な鯉を勝手に逃がしていたため、現在ではかなりの大きさに育って数百匹が川を泳いでいる。鯉は川をきれいにし、堕物でも錦鯉は錦鯉、景観はすこぶる良く、伯父は市からも感謝される人である。話がそれたが、うなぎの浸け針漁とはなんぞな?。何も深く考える必要はない。タコ糸に5号のハリスを結んで餌を付けて利き手でブンブン回して川へ投げ込んでおくだけ。タコ糸の端を川辺の木や草に結んでおいて翌朝に仕掛けを上げに行くのだ。寝ている間にうなぎが食いついてくれればラッキーという程度の気軽な釣りである。

気軽な釣りといえども戦略を立てればそれは確信犯となる。この日の川はど茶濁り、うなぎは雑炊、いや増水(こういう冗談はパソコンを叩いて文章作らないと出ません!)と濁りが大好き。普段は石垣や岩の間に潜むうなぎもこうなれば泳ぎだして餌をあさる。仕掛ける場所は当然石垣の前やテトラのある場所、そういったポイントの流れのゆるい餌場になりそうなところに狙いをつけて・・・・。

最終戦略は餌である。うなぎは普通ミミズで釣る。確かにミミズも良い、が、この夏の時期の特餌を、仕掛けを流す前にこいつを捕らねばならぬ。少し瀬のあるところに行って従兄弟が網を3.4投打てば小型のアユが10ほども捕れたであろうか?。この生きたアユを残酷にもハサミでブツ切りにして針に通すのである。出血とアユの独特の香りにうなぎは強い関心を示すのだ。神奈川県は酒匂川でも竹竿の先にアユをつけてテトラの穴に突っ込んでまっ昼間からうなぎを釣る名人がいるという、相模庵の友も藤沢の引地川でシーバスフィッシング中にうなぎがミノーにバイトする。そう、大型のうなぎは紛れもなくフィッシュイーターなのだ。

準備整い仕掛けを投げ入れる。睡眠不足のためか立ちくらみが激しい。この釣りは数が勝負となることが多いがこの日は7本しか流さなかった。30本流す人もいるし100本流す人もいる。しかし7本、釣り物道中にも書いてあるがあまり数を増やすと相模庵一族はめんどくさくなって、はえ縄になってしまうのである。小さな流れ込みのあるところ、テトラの前、石垣の前、ここぞと思うところに仕掛けていく。国立病院の霊安室の裏は気味が悪いが良いポイント、我慢して仕掛けを入れる。従兄弟は死の商人で出入りしているのでちっとも怖くないらしい。すべてを仕掛けて家に戻り、ビールを飲んで早々に眠りについた。

爆睡した。6時半起床である。他人に仕掛けを上げられないように早起きしていくのも重要なことである。もしかしたら昨晩仕掛けていたのを見られていたかも知れぬ。苦労して仕掛けたのにうなぎだけ横取りされたのではたまったものではない。急いで仕掛けを上げに行く。まずは支流の流れ込む場所に仕掛けた2本。スカ・・・・、軽い・・・・・。う〜ん。次の場所へ移動、コスモ石油のスタンド下。1本目・・・・、手で手繰ると!う〜ん軽い〜残念。2本目・・・・あれ?川の真中へ投げたはずの仕掛けが???。手繰れども糸は張らず、仕掛けはどこ???。巻いていくと私の足元の水中にタコ糸がある。タコ糸とハリスの継ぎ目には男性のスペ○マの如き白きヌルヌルがこびり付いており、従兄弟が「うなぎのだぁ〜」というのでゆっくり上げるとテトラブロックの下の濁り水の中から大うなぎが顔を出したのでびっくりして糸を緩めてしまった。再度引っ張って今度は抜き上げることに成功した。うなぎは流心部の餌を食って自分の住家に戻っていたのだった。相模庵はうなぎの家の上から仕掛けを投げていたのでした。今まで釣った事のない大きさは78センチと長くそして太い。国立病院裏でも65センチを追加、こいつは弱っていたのでスカだと思ったら力なく付いてきた。7打数2安打なら上出来である。うなぎ釣り師の面目躍如である。

身長177センチの相模庵と比べればその大きさはわかるでしょう。

天然のうなぎは緑色なんです。これが最高級のうなぎ。

きれいに開いたうなぎ。まわりの葉っぱはイチヂクの葉。うなぎのヌルヌルを取るのにちょうど良い。うなぎを押さえて滑らずさばき易いのだ。

暑いのと風が無いので扇風機を使って焼いてます。

きれいに焼きあがりました。やっぱり炭火は最高ですね。