■FISHING REPORT 8月17日 漁師気分でイサキ・アカイカ。


昨年秋に伯父(ちなみに漁師ではない)が漁船を買い替えた。86才の漁師が現役引退するので200万で譲り受けたのだ。趣味が高じてのめりこんでしまうタイプの相模庵一族の頭領である伯父、船を買うも脳梗塞で倒れ船に乗れず仕舞、その上、再発もするので一人では海に出るのは危険と家の人が許さない。私が帰省した事で付き添いを得た伯父も気合いが入る。午後1時河岸払い、オキアミは大4ブロックも積み込んでいざ大海原へ!

だけどなんか変?うわーロープを1本ほどいてない!そしてエンジン急停止!。やばいぞ!船底のふたを開けてみると案の定ロープがプロペラに絡んでいる。万事休すか?船に積んであった鋸でロープを切断しようと試みるがなかなか複雑に絡み合って取れない。水中眼鏡がないので潜って取る事も出来ず。携帯で従兄弟の姉ちゃんに刺身包丁を持ってきてもらうと、さすがに切れ味は良くまず1本取れた。そのとき悲鳴が聞こえた。なぜだか知らぬが姉ちゃんが船に乗ろうとしたらしく、隣の船から飛び乗ったのだが船の間が離れて海の中へドボン!ずぶ濡れになってしまった。全員汗びっしょりになりながら懸命にロープを外すも戦況進まず、私の提案で一か罰かでプロペラを逆回転させてみる事に。すると太いロープが運良く取れてきて、ほっと一息。

出船したのは5時過ぎ、なんと4時間の格闘であった。船を沖に進めると水深は40M程度、しかし魚の反応がない。私が魚探をチェックしてみると感度が0になっていた。これでは写るものも写らない。笑ってしまった。まあ70歳になる伯父ですからハイテクは苦手。それならばと相模庵の講習、まず根の探しかた。レンジを深め(水深40ならば80くらい)にとって船を進めると砂地のところは無反応だが根では海底の下にもう1本、ラインが出る。これを二次反射と呼び、この現象は船から発せられた音波が固いものに当たると船に強く戻ってきて振動子(トランスデューサー)で再反射してまた海底をチェックしてしまうのである。海底が砂地だと音波は吸収されてしまう。この違い。これはブラックバスを釣るときには重要なことだ。これを海に応用しただけ。伯父はしきりに感心していた。

広く魚探をチェックしていると水中に起伏の激しい瀬があるのを発見。水深は25M前後まで浅くなり根の上には魚の反応が激しく写った。魚種判定は経験上不可能だが反応の大きさからいってマアジか、イサキと予想された。自分で船を操船して自分でポイントを捜して自分で魚の反応を見つける。まさに漁師の醍醐味。船を慎重に進めてアンカーを打つ。これまた船頭がいないので仕方ない。コマセを詰めて1投目、底から2M切ってビシを振り1M巻いてまた振って待つ。ロッドキーパーに竿をかけるや否や明確なアタリ。少し待って巻き上げるとイサキだ。急いで2投目、すぐアタリ、今度は一荷を確信、入れ食いだ。針はマダイ針12号、しかも三つ又サルカンで枝スを出してあるごっつい仕掛けに釣れるのか?と思ったが魚の食い気の方が勝り心配なし。確かにワラサやヒラマサも出る事があるので漁師仕掛けとしては妥当なのかもしれない。入れ食いモードは日暮れと共に終了。やはりイサキは回遊性の魚、アンカーを打っては不利は明白。しかもコマセは二人では効かない。地元漁師はコマセなしで釣ってはいたが。

暗くなると全くアタリが無くなった。伯父がイカの仕掛けを4セット投げ入れた。私がイサキの仕掛けを電動リールで巻き上げるとビシを追うイカの姿を確認。小さいながらも群れが付いているようだ。集魚灯の効果が出てきたのだ。伯父は小さい魚を釣った。20センチほどのクロムツの幼魚だった。これは煮付けにすると美味しい魚だというと怪訝そうな顔をしていた。

イカ釣りはカルチャーショックだが全く誘いを入れず置きっぱなし、ただしそれぞれの仕掛けは13ヒロ、15ヒロ、17ヒロというようにタナを変えてある。たまに乗っているかなと聞いてみる。これは誘いを入れたらもっと釣れるんでないかなと思うも、置きっぱなしで十分釣れるのである。実験君の血が騒ぎヤリイカのプラヅノに電灯を点けて釣ってみた。これでも釣れた。夜9時になったので明日昼から来てたくさん釣ろうという事になりポイントをGPSに記憶させ、夜の海を私の操船で帰ってきた。GPSは夜の海でも頼りになる。イカの刺身とイサキの塩焼きが最高に旨かったのは言うまでもないが、翌日私が発熱、2日連続の釣行は不意になってしまった。

ヨットのむこうが伯父の船(9M)

伯父の操船でやっと出船。

魚探、GPSハイテク機器は立派なもの。

夜になるとイカ用のランプを照らす。

1本が鉛ツノ、1本がウキスッテのイカ仕掛け。

イケスには今日の獲物が。

伯父の作ったブリを釣る仕掛け、タコベイトがたくさん付いていて大きなザルに整然とならべてある。