9月8日 陛下献上のワカサギを食うために。



ワカサギについての想いは釣り物道中をご覧になっていただければ一目瞭然だが、その食味、釣趣ともに嵌るものがある。なにしろ芦ノ湖のワカサギは天皇陛下に献上する代物、スーパーに売っているジャンボワカサギの苦いはらわたとは比べ物にならないのだ。

花鳥、おもむろと芦ノ湖へ向かう。ところがおもむろが遅刻して来るのが遅れた。朝の地合いを逃すことはワカサギ釣りにはダメージが大きい。幸い天候が曇りなのでだましだまし釣れると良いのだが・・・・・。これがピーカンだと全く釣れないのである。
船を出せたのは6時過ぎ、いつもの湖水荘からエンジン船を借りて箱根町を出航?。昼までの半日で船を借りたので6500円とリーズナブル!。湖水荘のあんちゃんの話によると釣況はかなり渋いらしい。でも相模庵に釣れないはずは無いと自分に言い聞かせて頑張ることにする。このワカサギ釣りであぶれたことの無い相模庵である。逆に釣れたことの無いおもむろ、相模庵が常々話す「絶対釣れる!」を実践せねばならぬ。

仕掛けを説明しておくと、山川仕掛け2.5号の針10本仕掛けを各自竿2本づつ用意してもらった。今回浅ダナだったのでリール竿の場合は7本針で良かったかもしれない。ロッドはルアーロッド。長竿リール無しの人は20本くらい針をつけてやったほうが有利。あとは缶ビールがあるといいと思う。

まず出航して定番ポイント、箱根町海賊船沖の12メートルラインを偵察。さすがに数10隻の船が出ている。ぐるっと舟を回したが一度もワカサギの釣れるのを見ない。早朝で、この曇りの天気で釣れていないのはよほどひどい証拠。本来なら休む暇無く釣れないとおかしいのだが・・・・。竿も出さずに目指すはあのポイント、二ッ石の浅瀬である。ここは正直いってギャンブル。しかし箱根湾では岸から一番近いドン深の谷があるので深場にいるワカサギが尾根づたいに浅場に上がってくるのだ。芦ノ湖の湖底図を所有する相模庵には当然の絶好ポイント!。船の行き足を停めゆっくりとポイントに近づくと案の定シャロー(浅場)をワカサギ達が跳ねている。相模庵が試しに仕掛けを入れると小さいながらワカサギが釣れてきた。おもむろにアンカーをれるように指示して釣り開始である。

ワカサギはとにかく地合いを逃さないことが重要、釣れている時に多点掛けをして数を伸ばすこと、釣れていない時は1匹でも確実に確保すること、その判断が難しい。釣れている時に仕掛けを絡まして地合いを逃すなんてもっての他!。取り込みからワカサギを針からはずす作業、クーラーに入れる作業一連がスムースに行われないと駄目である。その作業の合間も置き竿を誘うために体を揺らしてボートを揺らす。もうひとつ重要なことはチームでやる場合は群れを逃がさないように仕掛けを湖の中に残しておくこと、すべてを上げてしまうと群れの足は止まらない。そんな注意をしながら釣っていると4点5点と数が伸びていく、おもむろの8点掛けを最高に朝の2時間は順調に釣れ続いた。花鳥は船酔いも無く、慣れない初めての釣りにポツポツ地道に釣っていく。竿が硬いのでアタリがわからないようではあったが。

朝の2時間は天国だった。海でいえば船団からポツリ離れて釣るベテラン船長のように相模庵の周りは舟1艘もなし。ワカサギの通り道に仕掛けがあれば釣れない時間はあれど待てばまた回ってくる。しかしすずきボート軍団に瞬く間に周りを囲まれてしまった。すずきボートは曳き船をしてくれポイントまで連れて来てくれるのである。それと同時に船団の出来ていた海賊船前はもぬけの殻になっていた。すずきボート軍団が相模庵たちの周りに来た頃から釣果が落ち出した。仕掛けに寄り道してくるのでワカサギの道が変わったからである。実は相模庵たちが爆釣していた時間にすずきボートの奥さんがボートで偵察に来たのである。浅場のワカサギを目で確認し尚且つ我々の釣りを見て10数分後だった。カルガモ編成でゾロゾロ曳き船。まあここは知る人ぞしるポイントだし、奥さんは百も承知だし、双眼鏡できっと見られていたのだ。

北の天気が気になっていた。どんよりしてていい感じである。湖尻は20分かけても行きたいワカサギの好ポイント、桃源台付近は大船団を形成、しかし誰も釣っていないぞ。過去に大釣りしたことのある早川水門の6メートルラインに行って釣ってみるもピクリともせず。いったいどうしたのだ!ここ数年の芦ノ湖!。1時間無駄にして元の場所に戻る。戻ればすずきボート軍団は散々に。またポイントに入りなおして釣り始める。朝の調子は出ないが釣れないよりはましである。12時までのラストスパートで最後まで気を引き締めて釣りきった。釣果は相模庵150、おもむろ120、花鳥30〜40。おもむろ、花鳥共に記録更新、海賊船組みが10匹釣るのも人苦労だったらしいので少し物足りないが、湖水荘のあんちゃんの「今日の竿頭」の言葉に納得。今日は風が回っていた。アンカーは2個持っていって前と後ろを固定したほうが良いと思う。ワカサギの通り道の真上に船を固定するのが有利だからだ。舟が回ると今回のポイントのように掛け上がりを攻める場合は底立ちをまめに取り直さないと釣れない。ファミリーに手軽と子ども連れ、カップルも目立ったが手軽でなくだんだんシビアになっている芦ノ湖のワカサギである。

きれいな空気と湖水、海賊船をバックに釣りの準備をする。朝の芦ノ湖は湖面冷ややかで周囲の緑からも体中に気持ち良さが伝わってくるようだ。よくわからないが最近世の中ではこれをマイナスイオンというらしい。

見ての通り。岸から10メートルほどの浅瀬。水深2〜3メートルを攻める我々。ウィード(藻)の発育がよく水面まで伸びているのを確認、ワカサギも視認出来る。時折、バスがワカサギを襲ってボイルした。

おもむろが好調でコイノボリ状態。こんなおふざけも釣れているからこそ。釣れていない時は黙りこくってビールを飲む。しかしみんなよくボートからションベンしたなあ。何回した?。

楓果ちゃんも南蛮漬けを食べるのかな?。