■FISHING REPORT 10月3日 マダイシーズン開幕 基本タックル


朝の下浦沖は思いの外べた凪だった。いつもほど波が無いのに気が緩み、缶ビールの蓋を早速開ける。松輪で久々の基本回帰である
だいたい波の状態を見て、船酔いそうに無いと判断したら飲むのが常。松輪の波は相模庵にとって鬼門なのだ。
イカヅノ大佐は2時まで飲んで二日酔い、いつもの調子が出ない。いつもならプシュプシュいわせてるのだが・・・・・。
しかしこういうときの大佐は侮れない。二日酔いの釣り、ゴルフで何度も辛酸をなめさせられた皆の過去がある。

朝一の3投くらいで誰かしらの竿が曲がると安心でき、気合も入るのだが。実をいうと船を回して2投目くらいが一番ワクワクする。
1投目はコマセでマダイを寄せることに徹し早めの入れ替え、そして2投目。 音沙汰なし・・・・・。次は?沈黙・・・・・。
美喜丸・・・・。一昨年の暮れに6枚釣らせてもらって以来4連ボ。マダイは1回1枚釣ることを自己目標にしているのでそろそろ顔を見たいのである。

最初の1時間は上げ潮、それからは下げ潮。潮変わりに期待しながら懸命にやり返す。

「ここで釣れないと今日は釣れないよ、他の船は顔見てるよ。」

にこやかな顔から発せられる船長の声から、多少の苛立ちが感じられたのは相模庵だけではあるまい。我々は手が悪いのか?。

「おいおい!そろそろ釣ってくれよなあ。」

と心の中で言っているのは

 「間違いない!」



しかし、如何せん表層にソーダ、中層にサバ(結構型の良い)攻撃を受けて仕掛けが降りないこともしばしば。

「潮変わりがほんとチャンスだから頑張って」

口火を切ったのはちょろ松さんだった。この時期よく釣れる300〜400グラムサイズをゲット。なんとなく安堵する。
餌取りの応酬の中、マダイらしき餌の噛み痕も。潮さえあえばマダイは違和感なくオキアミを飲み込むはずである。

またサバか・・・・・、電動で全速で巻き上げたビシの先の糸に張りが無い。スパイラルして上がってきたのはマダイ。400グラムサイズ。釣れちゃった。

1投おいて同サイズを追加、いつぞやあれだけうるさかったサバがいなくなっていた。マダイはやはり王者の魚なのか、食事時間は独占なのか?。
さらにもう1枚、仕掛けを投入するたび期待感がある。たけちゃんも小さいながらも4枚釣っている。大佐も2枚。ちょろさんも追加。マダイって釣れない釣りと思われるけど、スイッチが入ると意図も簡単に釣れてしまう。

スコーン!といいアタリがあって700グラムくらいの引きかな?、小さいからと杜撰なやり取りをしていたらバレてしまった。

下浦の潮変わりの潮が剣崎沖まで行くのに小1時間の時間差があると船長はいう。マダイの食いも一段落したので移動して2回目の潮変わりに勝負を賭けることに。
剣崎沖では潮が早いので1〜2投目が勝負、道糸の流れに棚取りがちょっと不安だがやってみる。

かなり時間をおいてズコッと竿先がお辞儀、「よし!」今度はキロ級と確信した。しかし残り20メートルというところで突っ込みをかわせずハリス切れとなる。ハリスが傷ついていたのを結び変えなかったのが原因。潮が早いんで抵抗が結構あって辛いんだな。

悔しいけど短期決戦、めげずにコマセを振るとキーパーに竿を置いた瞬間当たる。ちょっとビックリして竿をつかむ。潮が早いんでアタリも早いんだなあ。こいつもなかなかいい。
先ほどのバラシもあってかなりゆっくり慎重にやり取り。2回バラシては面子もあるし船長にも悪い。
イカヅノ大佐にすくってもらったのは1キロ丁度のサイズ。この日船中最大になったマダイ。

いつの間にかあれほど凪だった海が風と雨で荒れてきた。潮がかっとんで釣りにくいので早めの沖上がりとする。
たけちゃん6枚、ちょろ松さん2枚、イカヅノ大佐2枚、相模庵4枚と艫のほうが良く釣れた。小型ながら久々の引きを堪能しました。

この日は潮の変わり目とタイの食いのすごさを肌で実感できた日であった。変化と結果が結びついて、潮が流れなくても釣れる相模湾とはちょっと違った体験。