■FISHING REPORT 10月24日 カツオだ・・・・ぜ!


■ 困難を乗り越えてこそバラ色の人生が待っている?。

「ごめなさーい!」イカヅノ大佐からの悪魔のメール。
大佐の常宿、腰越I丸から出船し、釣りキチの週末報告のタカギーさんに、なんとしてでも人生のカツオを釣っていただこうと綿密な計画を練っていたのに・・・・・。
な、なんと!、その日に限ってカツオ船を休船するとか。上乗りイカヅノ大佐が自身の常宿の状況把握を怠るとはなんとも恥の上乗り!、いやぁ〜上塗り!(怒!。

車の免許の無いタカギーさん、在住の鶴見方面からでは、電車釣行で6時出船のカツオ船には間に合わないのだ。
しかし6時半出船のカツオ船があった。始発で来ていただき大船駅で待ち受ければ間に合う。それが腰越港I丸だったのだ(冷汗。

さぁ〜大変、どうするか?、以前からタカギーさんにカツオを期待を持たせるような発言があり、中止の言葉は実に言い出しにくい。それに回遊魚のカツオ、そろそろ群れが南下するのは目に見えている。来年にすれば?、来年はカツオの群れが来ないかもしれないのだ。

大佐とI丸船長の相談・紹介で茅ヶ崎港まごうの丸からの出船を決めたのは2日前の夜遅くであった。
私の住む藤沢市から鶴見までは高速で25分で行ける。迎えに行ってUターン、茅ヶ崎に行くのは40分、この強行策でタカギーさんに早朝4時ピックアップを提案。了解を得た。

■ 釣行当日

なにげに時計を見る・・・・・。3時19分・・・・あれ?、目覚まし時計は?。
うわぁ〜わわわわわ、大変!、すぐに着替えて、冷蔵庫の中のエネルギーをバックに詰める。3時26分に出発。あわてていたが間に合う自信はあった。だいじょうぶ、僕にはETCがある。他の車より早いはず(笑。
果たして時間通りに4時40分、船宿へ到着したのである。

席順は左3番からイカヅノ大佐、タカギーさん、相模庵の順、相模庵は胴の間中央となる。イカヅノ大佐の後ろには昨日船長がすくったシコイワシのカメが控えて万全の構え。
準備が終わったところでタカギーさんが

「プシュッ!」

エネルギーを充填し始めた。いきなり氷結果汁、青物釣りは気合の釣り、船上みな殺気立つなか、気の抜けたこの音。この日の朝日は実に鮮やかでタカギーさんの満足げな顔が映える。

出港、平島を脇に徐行、すると・・・・なんだか様子が変だ・・・ぞ!。 港を出たばかりだというのに鳥がやけに多い。情報では西へ走って釣るということだったが、そのまま烏帽子岩の横。

こんなキワでもカツオが食うのだろうか???、不安をかき消す期待感が大きな鳥山にある。緊張の瞬間である。そんな時・・・・。

「プシュッ!」

右横で2本目のエネルギーに手をかけた男がいる。
「こやつ・・・やるな・・・・できる・・・・」
負けずにエネルギーに人差し指をかける。こちらはダブル搾りで応戦だ。ウオッカベース対決はかくして開戦した。

「ちょっとやってみて・・・・」

船長の言葉にはいまいち確信が持てないようなふうにも聞こえた。なんせかなり近場なのだ。
やってみるとサバが結構食ってくる。しかし左ミヨシで本命のカツオが上がると気合の船上。

キター!、相模庵の竿が曲がる。よし!、う〜ん、平ソーダか?、引きがあまり強くなーい。しかし海面を逃げ惑う紫の背中はまさしく本ガツオ!。なぜだか全然引かない1.5キロ君をゲット。幸先いい出足にほっとする。

イカヅノ大佐とタカギーさんはイワシをつけて泳がせ。
タカギーさんの竿が「キター!」
「おー、おー、おー」とわけのわからんことを口走る。
「よし!よし!、いいぞ!」みんな応援団。
思いの外、早く訪れたタカギーさんの至福、ファーストカツオゲットの瞬間である。
「やったー!やったー!」周りをかえりみず騒ぐ3人。
ガッチリ握手、写真撮影。しばし呆然と。
騒いだあと周囲に謝る。「どうもすみません、酔っ払いなもので」(爆

しかし、静かなのも束の間
「ちょっと、ちょっとぉ!、みんな釣りに熱中していて酒を飲むのを忘れてんじゃないの?」
「あはははは」



■ イカヅノ大佐の憂鬱

カツオにスイッチが入り、かなり上ずってきたことに、船中で最初に気付いたのはたぶんイカヅノ大佐だったろう。
大佐は上から5メートルの浅ダナでカツオをポンポン食わす。なぜか大佐だけにアタリが集中。海面近くに浮き、餌を捕る、ヤル気のあるカツオだからである。
ビシをはずし、天秤だけで釣るフカセ釣法も冴える。

悲しいかな、釣りというものは船中に魚を取り込まないと評価されないものである。バラシの嵐で相模湾中に知れ渡る。
「オレは楽しんでもらおうとやってんだ。笑えるでしょ?わははは。」
「ぎゃははは、けんちゃん、またバラした〜ざんねーん!、切腹ー!!!」
「わはは、わはは」
なんせアタリが我らに集中、それに大佐がふざけて何本もバラすものだから周囲の客はかなり気分が悪かったんじゃないかと。
大佐の名誉のために言っておくが、大佐は釣りのエンターテイナーを自称している(笑。本気になればこんな釣りではない。

確かにカツオの活性が上がり、相模庵とタカギーさんも海面近くをやってみる。
船長が撒いたイワシを海面でカツオが取るくらいだ。

「あれれ?、ぐわぁ〜!」

タカギーさんが慌てる。ロッドキーパーに置いた竿にカツオが食った。作業中に垂らしておいた3メートルのハリスにカツオが!。この男、相当の運も持ち合わせておる。
2本目のカツオは交通事故的に釣れてしまった?。
「わはは、わはは」相模湾にこだまする。

飲むペースも早いとビルジポンプの調整が不可避。
立ちしょん用トイレに立つと案の定出ない。(情けない話)参照
どうした?オレのドレンコック。仕方ないので後部トイレで落ち着いてやるとやっと出た。


トイレを出て席に戻ろうとするとやけに騒がしい。イカヅノ大佐の叫びとタカギーさんの竿から海面遠く、横に出た道糸。
おまつり?いや、魚が付いてる。
「お、おー!!」 強烈に引き込む。
「松方弘樹、世界を釣るだぁー」
「クリック!、クリック!」ジージーと。
「でけー!、シイラ、シイラ!」
1メーター20はありそうなやつ。しかもスレ掛かりで尻尾から上がってくる。
船べりまで寄せてギャフを入れようかとしたときプツンと切れた。

「14号が切れたぁ」とタカギーさん。
切れたのは糸だけでなくタカギーさんの気持ちも(笑。
その後、酔ったのか?眠いのか?タカギーさんウトウト。
9時を回るころにはエネルギー不足で戦意喪失気味の3人。結構、酒を持参したのにあっという間だった。
それだけ集中してテンションが高かったのだ。

その後、江ノ島沖、亀城とまわって終了。亀城では大型のカツオがポツンポツンと当たったが、エネルギー切れの我々には縁がなかった。
最終、相模庵3、タカギー2、イカヅノ大佐2の結果。全員釣れてメデタシメデタシとな。船中トップ5本、平ソーダ混じり、サバだばだーって感じであった。