■FISHING REPORT 12月13日 はじめてのアマダイは、ほろ苦く甘かった。


今日は平塚・庄三郎丸のアマダイ釣り大会に参加してみた。アマダイという魚、以前から釣りたい誘惑に駆られながらもまだ一度も挑戦したことがない魚である。そんな11月半ば庄三郎丸のホームページをチェックしていると今回の釣り大会の参加者募集をしており、反射的にメールにて参加予約を入れてしまったのである。

大会に出る限りは準備が必要と思いキャスティングに勤めるY君のくれたダイワのアマダイ釣りのパンフレットと庄三郎丸のホームページを教材にイメージトレーニングを重ねた。仕掛けも市販のものではなく自作してみた。チヌバリ4号、ハリス3号2.5m、枝バリ3号30cmで1.25mのところから三叉サルカンで結んだ二本バリ仕掛けである。大会当日になってわかったことなのだが市販の仕掛けは蛍光玉がついておりハリも金色だった。自分の仕掛けは10年前にやっていたチヌ釣りのハリを使用したので黒いハリである。正直ちょっと不安になった。

大会は盛況で158人の参加者が7隻の船に分乗し7時30分に相模川河口を出船した。競技の順位決定は1尾の長さによって競われるため誰にでもチャンスがある仕組みである。私の乗船した第十二庄三郎丸は大磯沖の水深70m〜90mを攻めた。1時間もしないうちに待望のアタリがあり(とはいっても初めてなのでなんだかわからないが)33cmの アマダイが小気味良い引きとともにあがってきた。そのあとすぐに20cmを追加できた。9時くらいからお昼ごろまで船中でもまったく釣れない時間が続いたが、12時半頃待望の25cm級をゲット。この時、隣の年配氏とグルグル巻きのオマツリだったのだが例の黒いハリのおかげで私の魚とすぐ判明。良かった!。

しばらくすると朝に釣った33cmを副船頭がもう一度計測させてくれというではないか。どうやら入賞の関係で同サイズの魚を釣り上げた他の釣り人との優劣をつけたいらしい。その結果、私のアマダイは32.8cmに訂正され、副船頭に『納得してくださいね』と言われた。だったら”もうちょっと大きいのを”というのが釣りバカの嫌なところで、気合いを入れ直して猛烈に誘いつづける。競技終了30分前、私は36.2cmのアマダイを手にしていた。本日の4尾目でこの魚が最後になった。玉網に入れた瞬間おもわず体が震え興奮を覚えた。最終的にはこのアマダイが船中26人中4番目の大きさとなり、トップの42cmは総合成績部門へエントリーされたため私が船中第三位の成績として表彰されクーラーボックスを賞品に戴いた。

アマダイ釣りがはじめてだった私がこのような成績が残せた理由を私なりに分析してみたい。ビギナーズラックといわれても仕方ないのだが、158人の釣り天狗のなかで一番数多く釣り上げた方は7尾、最低は0尾であった。そんなタフコンディションのなかで4匹釣り上げた秘策とは次のようなものであった。
まず午前中は風が北東風であったため、船頭はポイントの大磯沖より平塚方面に向けて船首を向け深い方から浅い方へカケアガリにそって船を進めていったことが釣り始めてすぐに理解できた。このアマダイという魚、砂地にもぐる習性があるため、底から1mくらいのところでテンビンを維持する必要がある。しかし深い方から浅い方へと船が進むため次第におもりが着底してしまい餌のオキアミがうまく潮になじまない。そのため1分に一度はラインをフリーにして底を確認し、棚どりをまめにしたのである。午後には南東の風に変わり船を浅い方から深い方へと進めたので油断しているとすぐに天秤はアマダイの頭上にあって全く底を狙えない。その点を注意し誘いをかけ続けた。

ここで重要なことは庄三郎丸の社長も話されていたが、必ず立って手に竿を持って水面近くで誘い続けるということ、これはしっかりと仕掛けが底をキープできる姿勢である。釣れない方には仕掛けが底まで下りるとロッドキーパーに固定して眺めている方も多く見られた。そんなことでは釣れる魚も釣れない。また私の場合は釣れた4匹が4匹とも竿を上に誘い上げるときにアタリがあったものである。しかもそれらはすべて下バリに食っていた。私の誘いのストローク幅、仕掛けの長さにそのあたりの要因があるかもしれない。
そして私はアマダイのアタリが小さいことを事前に学んでいたのでクッションゴムは付けずに天秤に仕掛けを直結して対応した。いろいろな工夫を過去の他の釣り経験から施し、さまざまな思考と戦略の組み立てがまあまあの結果になって満足いく釣りであったが、やっぱり数が釣れる釣りがいいとつくづく思った。高級魚だから仕方がないが・・・・。

当日は刺身と鹿の子焼きを食したが刺身はアマエビのような味がしてビックリした。食べるのもはじめてだったのである。またいつか気の向いたときにやりたい。


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