気は優しくて力持ち
日時:平成18年9月2日土曜日
船宿:金沢漁港仁春丸 船代:8千円(駐車代300円)
出船:7時 沖揚がり:13時30分 天候:晴れ。北東弱風。凪。
長潮:満潮15:30頃・干潮5:00頃
タックル:(竿)サクラNewメバル2.4M(リール)ダイワAIRD100L(道糸)PE1.5号(おもり)三日月型10号(仕掛け)船宿謹製<ハリスナイロン6号3メートル・針ススキ18号板おもり巻き> (餌)活赤えび
日本男児のひとつの理想形ですかね、金太郎。時は平安時代、京の都を悩ます大江山の鬼酒呑童子を退治したことで有名な源頼光の四天王の一人、坂田金時の幼名云々といったことはまあ置いておいて、そんな名前の船長さんがいるのです。アイナメのテンヤ釣りなんていうマニアックな釣りに通っている先であるところの仁春丸さんのK金太郎船長であります。私やまやと言えば、濱生丸の望月船長や吉野屋の岩淵船長・藤田船長に仲良くしていただいているわけですが、彼らはほぼ同年代なんですね。年長者として敬愛しております船長さんはこの金太郎船長をおいて他にはいないのであります。
そんな仁春丸さんですが、近年通う日数が減っています。冬場のアイナメが著しく不調なため、ほとんど出船しないことがその理由。毎年、アイナメに2回ほどと今年で5回目を迎えた「目指せハワイ旅行!金沢漁港キス釣り大会」の時のみ。それでも、船長をはじめみなさん僕のことをちゃんと覚えていてくれて電話しただけですぐにわかってくれるのです。一方、仁春丸さんの看板といえば、江戸前伝統釣法のひとつでもあります活えびを使ったスズキ釣り。しかしながらこのスズキ釣り、船長の指示ダナでジーっとアタリを待つという言わば「静」の釣りでありまして、少々苦手としているタイプの釣りなため、1年に1回来るか来ないかといったところなのです。
ところが、このところ大きなスズキが外道の大鯛も混じって好調とのことで、件のキス釣り大会に出かけた際に船長から「デカいのが釣れてるよ。餌があるうちだけ(今年は赤海老の供給が不安定らしいのです)だから来なよ。」と言われていたのでどうしようかなと。そんな折に、マゴチ釣りで謎の魚に道糸をブチ切られる事件が発生!羽田沖で2本竿を出していたときに、いきなり置き竿がぐわーんと引き込まれ、慌てて竿を手に取るもドラグはフルロック状態(マゴチはそんなに走る魚ではないので、デカいなと思ってから緩めれば十分間に合う)。緩める間もなくバチーンっと道糸が切れてしまったのでした。まあ、それがスズキだと推測されるということから、翌週行ってみようかなと。もちろん、釣り場はぜんぜん違うんですけどね。
そうは言っても、この時期メインのマゴチ釣りもしたい。仁春丸さんは割りかた早く揚がるので、翌日も午前だけ行こうと。で、あるならばハゼ釣りをせねばなので、せっかく八景まで行くので平潟湾でハゼ釣りしてみようかな。でも、ネット上にあんまり情報がないんですよね。暗いうちは様子もわからないので、まずは以前聞いた富岡川へ。でも、どうすれば釣り場へ入れるかわからず。両岸は工場などですから、橋の上からちょい投げするしかないかも。川沿いの道もないので、あっさり断念して船溜りへ。まったく反応なく、薄明るくなってきたところで平潟湾へ。まずは侍従川を少し遡ったところで竿を出しましたが、これまたまったく反応なし。
次に、その侍従川河口と六浦川河口の間、遊歩道になっているところを探ります。水面を覗けば、手前はところどころ牡蠣殻の付いたかけ上がりになっており、いかにもハゼには良さそう。3.6メートルの伸べ竿で届きそうな沖目は藻場になっています。岸から海底までの高さも程よく、柵も低いもので理想的なハゼ釣り場とも思えるのですが、致命的なことにハゼの姿なし。沖目の藻の切れ間を探ってみましたが駄目駄目でした。両川の間500メートルほど試しましたが結局反応なし。下げ潮だったのが良くないのか、元々駄目な場所なのかは不明です。
さてさて、泣く泣く船宿に行ってみますれば、すでに何人かのお客さんが。オカミさんに挨拶して船に行ってみると左舷がかなり埋まっています。それで、右舷ミヨシにしてみました。その後もぽつぽつお客さん到来で、9人で出船。やまやのほか8名はみなスズキの常連さんのようです。お見かけしたことがある方も何人か。船が小さいですからほぼ満員です。常連さんの一人は「混み過ぎ」と言って帰ってしまったそうです。でも、金太郎船長曰く、混んでいる方が海老がたくさん下りるからスズキの活性も上がるんだとのこと。カサゴ船担当の学船長が、餌として小さ目のダボハゼを積んでいたので、「野毛屋さんの辺りでハゼ釣りしたんですけどまったく駄目でした。」と告げると、「野島の裏手、バーベキュー場の下が砂浜のかけ上がりになっているんで、そこで狙ってみてくださいよ。」とのことでした。
こちらの船はえさの赤海老を積んで一足早く出船。釣れたスズキは生簀で活かしておくシステムですが、「針飲んじゃってたら無理に引っ張らないで切っちゃって。血が出たら死んじゃうからね。死んじゃったらこの暑さだからどうしようもないよ。」とのご注意。濱生丸のマゴチも同じく船の生簀で活かしておくシステムですが、やはり死んでしまって時間が経ってしまったものは火を通さないとってことになっちまいます。
さてさて、船は南に進路を取り、野島の赤灯近くでスローダウン。以前来たときにもこの辺りでした。「はい、どうぞぉ。26メートル。」タナの指示は中おもりまでの水深です。スズキ釣りでは船長のタナ指示をきっちり守らなければお話になりません。そのためにも道糸はしっかりメーターマークが見える状態のものでないとね。開始早々気づけば同じく右舷胴の間の常連さんの竿が大きく弧を描いています。おおっ、もう本命ですか!?手馴れた感じのやり取りの挙句に上がってきたのはやはり本命のスズキ。しかも大きい!70UPですなあ。しかも、当然ながらコチよりも太いので4キロくらいあるのかも。
さてさて、2流し目。投入してしばらくすると、竿先にコツンっという軽いアタリが。おやっと集中するとすーっと竿先が引き込まれました。違和感を与えないように竿先を引き込まれるままに下げていって、一呼吸置いてゆっくり大きく竿を立てるとしっかりした手応えが!針掛かりを確実にするために、しばし竿で溜めてからリーリング開始。「来ましたーっ!」と告げると、左舷ミヨシの常連さんがタモを持ってきてくれました。相当に重みはあるものの、思っていたほどの抵抗もなく上がってきてしまい、こんなものなのかなと思ったそのとき、もう中おもりが海面に現れようかという瞬間に突然彼の暴力が始まりました。
海面近くなって、「あれ?なんか明るくないかぁ??」と身の危険に気づいたのでしょうか?一瞬にして10メートル糸を出されました。その後は一進一退の攻防。その間にポイントを外れてしまったために全員仕掛けを上げて僕のやり取りに注目です。常連さんたちからすれば僕なんかトーシロですからね。「ずいぶん強いなあ。」「本物ならそろそろ弱っても良いだろうが。」「まさか、シャークか?」そんな状況にも居たたまれなくなって、件の常連さんに「少々強引に上げちゃっても良いですかねえ?」と尋ねたところ、「駄目駄目、ゆっくりやんな。」と諭されてしまいました。大げさではなく5分間ほどものファイトの末、ようやくゆらりと海面に現れたお魚は、先ほど常連さんが上げたのとほぼ同じサイズ。無事にタモに収めてもらいました。以前来たときに釣ったのはいずれも50〜60センチのフッコサイズでしたから、ここまでの強い引きは味わっていませんでした。ともあれ、早々に坊主脱出できて良かった。スズキは結構濃厚に魚臭いので、タモと魚を置いた床をしっかりゆすいでおきます。
ここでタックルのご紹介ですが、竿がサクラのNewメバル竿。まあそういう名称なのをヤフーオークションで落札したのですが、写真で見る限りは白いカラーといい夜メバル竿と同じに見えました。で、来てみればやっぱり夜メバル竿。すでに持っていた2.1メートルに加え2.4メートルも持つことに。で、これは通常の東京湾メバル竿に比べると少々硬めなので、コチの置き竿やライトの太刀魚などに使えるかもと。まあこんなことやっているからどんどん道具が増えちゃうんですよね。今回、これをスズキに使ってみたのですが、2.4メートルという長さといいグラス特有の粘りと腰の強さがぴったりでした。取り込みの際には、いっぱいまで巻いてタモ取りしてもらうわけですが、ハリスが2ヒロと長めなので短い竿では厳しいのです。急にそこから走ることもあるので、ハリスを手繰るのはご法度ですしね。そして、リールはダイワの新製品であるエアド。非常に小さいリールながらドラグ力は4キロとしっかりしたもの。小ささと軽さが手持ちの釣りにこれまたぴったり。
その後、船中大きなイシモチやカサゴ混じりでぽつりぽつり。上がるスズキはほぼ同じサイズです。カサゴが混じるってことは、根の上ってことでしょうか?そこからどのくらいの高さなんでしょうね?5人が1本で並んだところで、横須賀方面へ少々移動。実は、この日は最初のポイントの真中に大型船が停泊しており、船長はポイントを攻めきれずに若干困惑していたようです。ちょこっと深めのポイントを2箇所攻めましたが不発だったため最初のポイントに戻ります。そして、左舷トモ寄りの方が上げたのはきれいな鯛。後検1キロちょうどでした。そして、僕にもちょこちょこっというアタリ。スズキではなさそうだと思っているとクーッと引き込んだので一呼吸置いて合わせ。しかし、スカッと。ありゃありゃと巻き上げてみますと海老の尻尾がスパっと食い切られています。「小さ目の鯛は、何回かに分けて餌を食ってくるから、辛抱して待たなければ駄目だ。大鯛なら一発で食うんだけどね。」おととしもそんなこと言われたような気がします...
その後、左舷ミヨシの常連さんが2本目。いいなあと思っていると、竿先に違和感が。むむむっと見ているとすーっと引き込まれまして、せーのっと合わせるとズシンっと。今回もまた海面近くまで上がってきてからドラグが鳴きます。水深25メートルほどなのに40メートル近くも糸を出されちゃって「大丈夫かよ。」と思いつつ必死のやり取り。先ほどよりもやや時間をかけて上がってきたのはやはりちょっとデブかも(後検、1本目73センチ3.3キロ・2本目71センチ3.4キロ)。それにしても、このやり取りはスリリングです。正調小物釣り師を自認する私やまやが味わい得る最大の引き味ですね。
そしてそして、3本目が来ちゃったのですよ。ところが、ぐーっと合わせて「来ましたーっ!」と巻き上げようとしたときに竿が跳ね上がりまして「バレましたーっ。」巻き上げてみたらチモトでハリス切れでした。「今のはちょっと合わせが強過ぎたなあ。まあ、そうそううまくばかりはいかないものだよ。」と船長の弁。「大鯛だったんじゃないの?」と常連さんに冷やかされます。直後に右舷胴の間の女性(ご夫婦で常連さんみたい)が掛けます。「一人切っているから慎重にやってよー。」さすがの手練でしっかり捕りました。これが11時過ぎくらいで、その後は潮がなくなったためか13時30分の沖揚がりまで船中音無しになってしまいました。
2本が3人・1本3人・0が3人という結果で、最大は75センチ3.7キロでした。港に戻ってから、船長と若オカミさんが1本1本きちんと計量してくれるのです。釣果をいっしょに喜んで欲しかった仲良しの昭ちゃん(船長の弟さんですから仲良しといってもずいぶんと年上です)は残念ながら不在。1本は桟橋上で粗粗捌いて帰りに「一度釣った魚を食ってみたい。」と言われていた現職場の上司宅へ。でも、このサイズだと嫌がらせのようだなあ。実際、月曜日に聞いてみると「キスだと思っていたらなんか重いから変だなあと思って箱を開けてみて『ギョエェェェ』って驚いたよ。」残り1本は行きつけの中野駅近く「うおき」に持ち込んで、刺身とカマ塩焼きを堪能しました。居合わせた常連さんたちにも刺身が振舞われて喜んでもらえたようです。
学船長に聞いたところ、今年はアイナメ良さそうだとのことですから、この冬は金太郎船長に逢う機会も増えそうですね。でも、アオリイカや太刀魚にも是非模様良くなって欲しいし、そうなると体と休みが足りなーいなんて嬉しい悲鳴になるのですが、どうでしょか!?