只見の自然は世界遺産級
 今年、国は世界遺産に推薦するためのリスト作りを始めました。そして全国から19地域が選出され、只見町がその中に入りました。区域は越後三山只見国定公園内です。最終的な候補地には、知床・小笠原列島・琉球列島が残りましたが、只見町も世界に誇るべき純度の高い自然があると評価されたのです。どんな点が評価されたのかご紹介しましょう。
多雪が作り出した山岳景観
 国内屈指の豪雪地である只見町は、雪に侵食された急峻な山々をもつのが特徴です。これを雪食地形と呼びます。雪の影響を受けた独特の山岳景観は世界的に珍しいものです。
多雪に適応した植物
 なだれの起きる斜面には樹木は育たず、幹のしなやかな低木が生育します。さらに急なばしょでは草木も生えず岩が露出しています。なだれに押し出されどしゃが堆積した所は水や養分が豊富で、背の高い草木類が密生します。ゆるい斜面では多雪に適応したブナの純林、そして沢沿いにはうっそうとした渓畔林が広がっています。山頂付近は亜高山帯の樹林帯を欠く偽高山帯という特異な植生が見られるなど、雪の影響を受けた環境下に現世的で多様性に富んだ植生が発達しているのが特色です。
只見の山々
ニホンカモシカ イヌワシ
左下:ニホンカモシカ 上:多雪によってつくられた只見の山々 右下:イヌワシ
 
多種多様な動植物
 雪によってつくりだされたさまざまな地形や植生には、そこをすみかやエサ場として多種多様な動物たちが生息できます。ここには天然記念物のカモシカ、ヤマネ、イヌワシなどをはじめ、世界的に絶滅が心配されている鳥類やコウモリの仲間が数多く確認されています。  このように多くの動植物が見られるのは、ブナ林をはじめとするすぐれた生態系があるからです。生物学的に多様性の高い貴重な自然が残っているからこそ世界自然遺産の候補地に選ばれたのです。どうぞこの夏、奥深い只見の自然を堪能してください。

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