アブラチャンはクスノキ科の落葉低木。妙な名前は実に油が含まれていることからの命名で、只見ではジサガラと呼ばれています。実はふつう緑色をしていますが、なんとこれは真っ赤な実をつけます。国内では只見町の長浜地区にだけ自生するというたいへん珍しい植物で、町の天然記念物に指定されています。 今から820年前、高倉宮以仁王が平家から逃れる途中、ここで追っ手の石川冠者有光の首を討ち取りました。そのときの血がアブラチャンの実を赤く染めたという伝承があります。この植物は、1964年、地元長浜の吉津愛一郎氏が発見し、和名は小林勝福島大学教授、学名は植物学者大井次三郎博士がそれぞれ命名したものです。長浜の唄ヶ崎公園にあり、これを記念する碑が建てられています。朝日診療所の正面の山といった方がわかりやすいかもしれません。ちなみに赤い実が見られるのは、7月中旬から下旬です。 |
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