浅草岳山ろくは、大面積のブナの純林が広がり、巨木の多いところです。とくに、沼ノ平周辺から平石山にかけて集中しています。 今回ご紹介するブナは、叶津川支流木ノ根沢の近くにある只見NO1のブナの巨木です。幹周五m、直径一・六m、高さ三十mもあります。樹勢旺盛、幹は地上二十mまでまっすぐで、周囲を圧倒する巨樹です。 今年只見町で開催された世界ブナ・サミットでも話題になった木ですが、あいにく国道工事のため入ることができません。早く開通して、いつでも会える木になることを願っています。 |
No.10 田村幸男 プロフィール 年齢 / 65歳 古くて新しい“炭焼き”
先代から営まれていた、昔ながらの“炭焼き”を復活させ、次世代に残そうと考え、塩沢の山奥斜面を切り開き、父を手伝った記憶をたどりながら、石と土と人力のみで作り上げた窯は、数多くの困難と失敗の連続であった。窯作りで特に大変だった事は、石の選択を誤り、窯の天井が崩れてしまった事だ。 炭焼きには、ナラを使うが、豪雪地帯であるが故、根が曲がり、節々がよじれ、雪に耐え抜いたものを使うことになる。それらの木を、勘と経験で炭にしていくが、空気の調整を誤り全て灰にしてしまった事もある。 苦労した分、窯を開けたときの喜びはひとしおである。オレンジ色に染まった炭に、火の粉が花火のように窯全体に広がった光景は感動を覚える瞬間である。 石油資源が枯渇すると言われているが、自然エネルギーの有効利用として、古くて新しい“炭焼き”を地域の人たちにも推奨していき、参加の輪が広がる事を期待している。
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