明日に向かって撃て!   監督 ジョージ・ロイ・ヒル   
音楽 バート・バカラック
ポール・ニューマン
ロバート・レッドフォード   
キャサリン・ロス
1970年公開  
STORY
ブッチ・キャシディーとサンダンス・キッドは壁の穴強盗団として西部では有名になっていた。
しかし、時代の波が訪れ、銀行もしだいに近代化し、彼らにとって仕事がしずらくなっていた。
ブッチ達率いる強盗団は、現金輸送の列車を行きと帰りの両方襲うという大仕事をしようとしたが、
帰りの強盗のときに逆に返り討ちに会う。
西部の町中から集められた名うての保安官達がやとわれていたのだった。
逃げても逃げても執拗に追われ、2人はサンダンスの女(K・ロス)と3人で南米のボリビアに旅立つ。
安息の地のはずのボリビアで、こりもせず銀行を襲うブッチとサンダンス。そして、ここでもお尋ね者になってしまう。
追われるのに疲れ、真面目に働こうとする二人がありついたのは、山賊に狙われる牧場主の用心棒の仕事だった。
その初仕事で山賊に襲われ、牧場主は撃たれてしまうが、彼らは金を取り戻すために山賊達を撃って全滅させる。
サンダンスは早撃ちの名手だが、ブッチは今まで人を撃ったことがなかったと告白する。
それからは山賊の真似をして金を稼ぐ事しかできない2人。
強盗しかできない自分達が、いつしか時代におきざりにされていくのをどこかに感じていく。
田舎町にいやけがさした頃、通りすがりの町で警官隊に囲まれる2人。
激しい銃撃戦に傷付き、袋のねずみになってしまう。
「もっといいところにいこう、最高の場所さ」
追い込まれた建物の陰で語り合うブッチとサンダンスは、軍隊にまで包囲されてしまっていた・・・。
NOTE
セピア色の画面で始まるこの映画は、ラストもセピア色につつまれるように終わる。
そして、2人のアウトローと女教師の3人がボリビアまで旅をするのもセピア色の写真の連続で描かれている。
この3人は西部開拓時代の末期に実在し、3人で写った写真も残されている。
彼らは銀行強盗だが、決して人を殺そうとしない。
彼らを知っている酒場のオヤジや昔世話になった保安官も、ついついキツイ言葉のひとつも言ってしまうような、
いつまでもヤンチャ坊主のような魅力的な人物として描かれている。
ニューマンの笑顔やレッドフォードのダンディー振りがはまり過ぎるほどはまり、実に魅力あふれる2人になっている。
彼らを包むバート・バカラックの音楽、特に主題歌の「雨にぬれても」が流れる自転車のシーンはいつまでも心に残る。
これもあまりにも有名なストップモーションのラストシーンと共に、開拓時代の終わりと一緒に散っていった
ブッチとサンダンスは、この映画を観た人の心に永遠に残るのではないだろうか。
邦題の「明日に向かって撃て!」というのは、明日のなかった彼らへの、
もっと生きて違う輝き方をして欲しかったという最高の手向けの言葉なのだと思う。
そして、原題は「BUTCH CASSIDY AND THE SUNDANCE KID」である。西部にこんなやつらがいたという・・・・。