コンラック先生   監督 マーティン・リット
原作 パット・コンロイ
音楽 ジョン・ウイリアムス   
ジョン・ボイト    1975年公開
STORY
サウスカロライナの孤島は黒人だけが住む未開拓地域で、大人でも読み書きが出来ないところだ。
そこに、パット・コンロイという若い教師が新任教師として赴任してきた。
「僕の名前はパット・コンロイだ、言ってごらん」「コン・・ラック」「コンラックじゃない、コンロイ、さあ・・」
「コン・・・ラック」
子供達は誰一人として、コンロイと正確に発音もできないありさまだった。
大統領の名前も、自分の国の名前さえ知らない子供たちにコンロイは愕然とする。
彼は今まで子供たちを押さえつけることしかしなかった教育方針に反発した。
自然とふれあい、からだを動かし、レコードを聴かせ、時には映画も見せる。
体当たりで触れ合うコンロイに子供たちは心を開き、いろいろなことを覚えていく。
しかし、州の教育長の注意や命令を無視し、自由奔放な教育をしようとするコンロイは
罷免の憂き目にあうことに・・・。

NOTE
教師パット・コンロイの実話を映画化した作品で、実際の出来事も1965年と古い時代ではない。
黒人であることを自ら卑下する女校長に押さえつけられ、何一つ満足な教育を受けていない子供たちは、
コンロイの友達のように接し、真剣に話しをしてくれる毎日の中でどんどん学習していく。
コンロイは「勉強」ではなく、本当に身につく「学習」をさせるのである。
人間として、男として、女として、生きていく事のために、何が大切なことかをからだで学習させていく。
「誇りを持って生きていけば、つまづくことはあっても決して転ばないんだ」
子供たちへのコンロイのことばは、僕の胸にも深くきざみつけられた。
日本中の教師に観せて、一から勉強し直してもらいたい映画である。