狼たちの午後    監督 シドニー・ルメット    
 
アル・パシーノ
ジョン・カザール
チャールズ・ダ―二ング
   
1976年公開
STORY
夏のうだるような午後、ブルックリンの銀行に3人の男が強盗に押し入った。
プレゼントの包みから乱暴にライフルを取りだし、作戦は決行、しかし、一人はおじけづいて逃げてしまう。
更に、銀行の金はすでに輸送後で、現金はほんのわずかしかないことがわかった。
途方にくれるソニーとサルは、まもなく警察に包囲され、たてこもるしかない状況に追い込まれる。
「何ですぐ逃げなかったの?」「君達はちゃんと計画を立てたのか?」
人質となった銀行員には同情までされ、群がる群衆のヒーローにまでなって騒がれる2人。
警察はソニーの母親、妻、更にホモとしての妻まで連れてきて説得しようとするが、2人は拒否しつづける。
血の気が多く、情緒不安定なサルにどこか不安を感じながら後に引けなくなっているソニー。
そして、いよいよFBIが乗り出してくる・・・。

NOTE
ブルックリンで実際に起きた事件を元にした映画。
ラストクレジットの最後に、ソニーは20年の刑で服役中と出る。
あまりにもまぬけな強盗に、やがて親近感とも連帯感ともいえる感情を持つ人質達をはじめ、
ピザを差入れて「俺はスターだ!」と叫ぶ黒人、ソニーのシュプレヒコールに喝采を送る野次馬、
人情感ある所轄の刑事と冷静なFBIとの対比、オカマの愛人・・・・
それぞれが真夏のニューヨークの事件の中に様々なアメリカを浮き上がらせている。
この作品の1番の見所は、何と言ってもアル・パシーノである。彼の魅力を見たいならば、
他のどの映画よりもまずこれをおすすめする。
圧倒的にこの作品のパシーノの演技はすさまじいのである。
今も時々ビデオを借りてきては、繰り返し観ている一本だ。