激突!     監督 スティーブン・スピルバーグ   
 
デニス・ウィ―バー   
1973年公開
STORY
ごく平凡に暮らすサラリーマンが仕事で車を運転していた。
アメリカの広大な道を何事もなく走っていると、超大型トレーラーの後ろについてしまう。
先を急ぐ彼は前をノロノロ走るトレーラーを追い越す。それが恐怖のどん底に陥るきっかけとなってしまった。
大型トレーラーは彼の車に猛然と襲いかかっていったのだ。
一本道を逃げ場もなく猛スピードで追われる恐怖。
サラリーマンは顔面蒼白で、ただ逃げるしか手立てのないバトルが何百キロも続く。
NOTE
S・スピルバーグの監督第一作で、実はTV放映作品である。
超大型トレーラーに追われるパニックという非常にシンプルな話だが、
全編息をもつかせぬ緊張と興奮の連続だ。後の『ジョーズ』に繋がって行く手法として、
この作品の敵である大型トレーラーの運転手はなかなか姿を現さない。
いったいどんなやつなんだという見えない恐怖をうまく演出しているのだ。
敵は人間ではなく、大型トレーラーそのものが意志を持って襲いかかっているようにしか見えない。
話し合いでは絶対に通じないという言い知れない恐怖を感じる。
登場人物はほとんどデニス・ウィ―バー一人といってもいいくらいで、その孤独感も観てる側を包む。
D・ウィ―バーは後に『警部マクロード』というTVシリーズで人気を博した。