燃えよドラゴン    監督 ロバート・クローズ
音楽 ラロ・シフリン
共同製作 レイモンド・チョウ   
ブルース・リー
ジョン・サクソン
ジム・ケリー      
 
1973年公開  
STORY
少林寺を波紋されたハンは、アヘン密造組織の大ボスとなり、組織の要塞島で武術トーナメントを開催した。
そこに招待されて島に乗り込んだのは、ローパー、ウイリアムス、そして、組織の実態をあばく要請を受けたリー。
実は、妹がハンの手下、オハラに襲われ、自殺した復讐もしなければならなかった。
前夜、リーは要塞のアヘン密造工場に忍び込む。そのとき、ウイリアムスは外の空気を吸いに散歩に出ていた。
スパイの潜入が発覚したが、ハンはウイリアムスと勘違いし、仲間になるのを断った彼を殺す。
再度の侵入でリーは要塞の秘密を当局に無線で知らせ、大勢のハンの手下達と大バトルを展開する。
先乗りしていた諜報員のメイ・リンが逃がした捕虜も混じった壮絶なバトル。
やはり仲間になるのを断ったローパーもリーと共に戦い、トーナメント会場はすさまじい戦場と化す。
そして、ついにリーとハンの一騎打ちになる。

NOTE
公開当時、父が会社から帰って来ていつになく大騒ぎした。
「すっごい映画観てしまった!とにかく凄い、やたらもの凄い!いやーこりゃスゴイ!!」
ブルース・リーについて僕が語るまでもなく、日本中の男たちの大ヒーローになった。
目つき、歩き方、あらゆるしぐさをマネ、テーマ曲を聴くたびに「ウワリャアアアア!!ハッ・・ハァッ!!!」
と怪鳥音を発し、すりこぎでヌンチャクを作って遊んでいるうちにくさりがはずれ、
頭を直撃したのは僕だけじゃないはずだ。
僕達の世代にとって、J・チェンがどんなにスゴイことをやろうとも、
ブルース・リーは絶対的なヒーローであり続けるのだ。
公開した時には本人はもうこの世にいないという事が更に彼を伝説化した。
その後の『ドラゴン危機一発』から『死亡遊戯』、更にはTVシリーズの『グリーン・ホーネット』まで。
スクリーンでしか絶対に会えないヒーローを神とまであがめてしまうのだ。
映画としてのリーは2年ほどしか活躍していないのだが、それぞれの作品の彼の顔は別人とも思えるほど違う。
しかし、いつでも同じなのは、とどめをさした後、勝利の後の悲しい表情である。
実生活でも本物の武道家だった彼は、戦わなければならなかった戦士達へのレクイエムを歌っているかのようだ。
確かに映画には筋書きがあるが、ブルース・リーのそのスピリットだけは演技ではなかったのかもしれない。