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STORY
スワン・レコードの総師、スワンは音楽界で絶大な力を持っていた。
彼は音楽の殿堂とも言える大パラダイス劇場の計画を着々と進めていた。
無名の音楽家、ウインズロー・リーチは、壮大な組曲、カンタータを作り上げ、
スワンのオーディションに出向いて行った。
そこでフェニックスという名の美しい歌手と出会い、お互いに引かれ合う。大きく膨らむ夢。
しかし、スワンは彼のカンタータを自分が作ったように画策し、ウインズローを抹殺しようとする。
無名の彼の抗議は聞き入れられるはずもなく無視される。
ウインズローはスワン・レコードのプレス工場へ行って生産を阻止しようとするが、
逆にプレス機に顔を挟まれ、絶叫と共に海に身を投げてしまう。
ジャマ者を消したスワンは、権力の前に負けてしまうフェニックスも自分のものにしてしまう。
しかし、ウインズローは死んではいなかった。
つぶされて怪物のような姿になった顔をモンスターの仮面で隠し、
パラダイス劇場の地下に隠れてスワンへの復讐に燃えていたのだ。
NOTE
あのホラーの古典、「オペラの怪人」のパラダイス劇場版である。
スワン役のポール・ウイリアムスはこの作品の全ての曲を手がけているが、
オープニングでまずドカンとロックでぶちかまし、
「ダウンタウン物語」とはまた違った才能で圧倒される作品になっている。
B・デ・パルマの作品の中でもこの作品は知らないという人が意外に多いが、
ホラー、カルトといった枠を超える繊細で悲しいヒューマンドラマとして相当質の高い作品で、
「ファントム〜」を観ずしてデ・パルマを語るべからずと言ってもいい。
何度も観たが、観るたびにドラマとしての味が出てくる作品である。
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