スケアクロウ   監督 ジェリー・シャッツバ―グ    ジーン・ハックマン   
アル・パシーノ
1973年公開
STORY
喧嘩っ早いおかげで刑務所暮らしが多いマックスは出所したばかり。
妻の元を去り、生まれた子供が男か女かも知らないフランシスはまだ見ぬ子供へのプレゼントを抱えて
妻との再会を考えている。
二人はヒッチハイクの途中に偶然出会い、行動を共にするようになる。
「二人で洗車屋をやろう。商売を始めたら毎日ステーキだぜ」
マックスはフランシスを強引に相棒に決めつけ、ピッツバーグを目指して旅をしていく。
喧嘩で全てを解決するマックスと争いを避け続けるフランシス。
まったく正反対の二人は旅を続けて行くうちに、かけがえのない絆が生まれて行く。
そんな或る日、マックスの妹の家によった二人は喧嘩に巻き込まれて刑務所へ・・・。

NOTE
スケアクロウとは英語で「かかし」のことである。
喧嘩好きのマックスは「かかしはカラスをこわがらせるんだ」と言い、人を笑わせる事で
人の怒りを静めるのが信条のフランシスは「かかしを見てカラスは笑ってるんだ。
この畑の主人はいいやつだ、作物を荒らすのはやめようって思う」と言う。
それはそのまま彼らの生き方である。
その正反対の二人は、両方とも実にダメな人間である。人生の落伍者寸前のところに立ってしまっている。
正反対ではあるが、そういう同じ匂いをお互いに感じているのだと思う。そして、相棒を励まし、戒めることは、
そのまま自分に言い聞かせていることなのだ。二人はなんとか成功者になろうとする。
「俺達はかかしだな・・・」
その言葉は決して自らを嘲笑しているのではないと思う。かかしのように見てくれは不出来な自分たちも、
かかしのように人の役に立ち、目標を持って大地に立っていたいのだ。