キーライト そのシーンのメインになるライトです。 想定した光源の光として設定されることが多く、方向性、光量は殆どかわることがありません。 わかりやすく言うと、さっき太陽の光が左からきていたのに、10秒後には右からという事はないですよね。 また、光の強さも、かわらないはずです。ですから、カメラの露出設定の基準のライトになります。 ※ただ、広角の画とアップの画での見た目の印象、あるいはカメラアングルとの関係での被写体にあたっている角度 など、臨機応変に対応していきます。微調整は常に必要です。
おさえのライト 光が直接あたってないところ(物)でも、肉眼で全く見えないということはないですよね。 暗いとしても、目がなれると、うっすらと見えるはずです。 ところが、フィルムでもビデオでも、設定した露出(しぼり)に対してある程度の光量をあてなければ、 真っ黒になってしまって、決して肉眼で見ているようには写ってくれません。 キーライトがあたっていない暗部を最低限写るように、弱目の光量であてる光を、「おさえ」と言います。 各被写体に対しての「おさえ」と、全体にある程度の明るさをつくる「ローベース」があります。 直接光があたっていないところを見えるようにするライトという意味で、おさえのライトによって無駄な影をつくらないことが、 きれいなライティングをするひとつの基本でもあります。 文章で説明しようとすると難しいですが、実際でも、一番ひとすじ縄ではいかない技術ではあります。 同じ被写体でも、キーライトのあたっている範囲、画角の広さ、被写体の色などで、 カットごとに光量を対応させなければなりません。 また、絶対になければいけないということではなく、わざと暗いものは暗いと、真っ黒にすることもあります。 この「おさえ」のライトは、長い経験なくしてあやつるのは難しいと思います。
バック 外であれば建物であったり、室内であれば壁であったり、人物などの被写体の向こうにある対象をライティングするライトです。 キーライトがイイ具合にあたっていて、とりたててあてる必要がないときもあれば、別にあらためてあてなければならない 場合もあるわけで、さらにはあてる角度や範囲などで、相当印象が違います。 雰囲気をつくるうえでは重要なことで、立体感、遠近感すべてにかかわってきます。 逆目のライト(逆のライト) 被写体を中心として、カメラとは逆の方向からあてられるライトです。わかりやすく言うと、逆光です。 逆、タッチ、と言われるこのライトは、輪郭をたたせたりツヤを出したりという効果があります。 被写体とバックの色が似ていてくっついて見えるときに逆のライトをあてると被写体が浮き出ます。 まわりが真っ暗な場所の設定で、逆だけで輪郭をだすと、シルエットと同じ意味のライティングになります。 このように、「逆」は、光源による方向的な意味の光ではなくても、輪郭を出すということや、髪の毛のツヤ、いわゆる“天使の輪” をつくるライティング、被写体の質感を出すライティングなど、技術として重要です。 また、キーライトとは別に、顔にタッチをつける光のあて方をすると、力強さが出ます。
タッチ(ツヤ) 逆のライトの種類のひとつです。 人物を始め、被写体の質感、立体感を出す方法として大切な技術です。
キャッチ これは基本というよりは、方法のひとつです。 キャッチというのは、人物の目の光のことです。 瞳に光が入っていると、ぐっと表情が生きるのです。 キーライトやおさえのライトの角度によって目に光がうつらず、ただの黒目になってしまっているときに、 キャッチライトやキャッチレフを使って瞳に光をうつし、生きた表情をつくるライティングですが、 人物の心情によっては必要でないこともあります。 目の表情のための光ですので、もちろんクローズアップのとき以外はあまり必要ではありません。
|