もれ切り ライトひとつつけると、あてたくないところにまであたってしまいます。ライティングをする上では、余計な光を排除しなければなりません。 余計なところにあたっている光を「もれ」と言い、それを排除することを「もれを切る」と言います。 人物にはあてたいが壁にはあたって欲しくない、3人いるうちの1人だけにあてたい、被写体の下半分にあてたい、など、 ライティングには欠かせない技術です。 もれ切りにはいくつもの方法があり、「もれ切り3年、レフ8年」とも言われるほど、うまくできるには経験が必要です。 もれ切りに使うものには、黒いカーボン紙や照明用の黒いアルミホイル、黒フラッグなどを使います。 黒いものを使う理由は、光が無駄に反射しないようにということです。 シャープにくっきり切りたいときはライトから離し、グラデーションでなじませたいときはライトに近いところで切ります。
ぼかし 「切り」というのは光を完全に遮断することですが、グラデーションをつけたり、完全に遮断せずに少しは透過させたいときに 「ぼかし」という技術で対応します。 壁の上の方まで均一にあたっているのを、切ると真っ黒になるのでグラデーションでぼかしたい、 人物の芝居の動きで、どうしてもライトに近づいてしまって段々光が強くなるのを均一にしたい、 人物に光をあて、顔の光量はちょうどいいが、衣装が白っぽいので浮き上がりすぎるのを抑えたい。 例えば以上のような、光の強さを部分的に調節するときに必要な技術です。 「ぼかし」に使うのは、パラフィン紙、トレーシングペーパー、照明用ビニールなどです。 これも影の性質を利用し、ライトからぼかす道具が遠いほど、シャープな輪郭でぼかせます。 |
左の写真は、センチュリースタンドに 黒ケント紙に穴をあけたものを垂らし、 2Kwライトをあてています。 壁にあたっているのはこのような感じ→ |
光が直接あたっている状態だと、光の質は硬く、その影はシャープにはっきりと出ます。
太陽の光でも、雲にさえぎられずに直接あたっていると、はっきりとした影が出るのと同じことです。
しかし、映像において、すべての光による影がはっきりとシャープに出てしまうと、影ばかりが目に付いてうるさいものです。
ライトの位置、角度で影があまり目立たないようにしていますが、影が出ても雰囲気に影響があまり出ないようにしたいものです。
ライティング技術として、ライトの光をフィルターなどに透過させ、光を散らして影をやわらかくすることをディフューズと言います。
ディフューズするために使うものとして、次のようなものがあります。
パラフィン紙 | ||
トレーシングペーパー | ||
ビニール | ||
フィルター |