撮影8日目 病院・屋上、駐車場



最初に撮影したのは、友川の自転車の走り。
カメラは軽トラックの荷台にセッティングし、走りながらの撮影である。
今回は自転車の走りのカットが多かったので、この作戦も多用された。
炎天下、荷台で受ける風は爽快感いっぱいだった。

わずかな日陰にかたまるスタッフ 向かい側の建物には少女と金山和彦さん

屋上は逃げ場所がない。しかも、南中高度で日陰もほとんどなく、
建物のダクトから吹き付ける冷房の風のほうに、用があるふりをして近づいていったこともしばしば。
金網越しの芝居なので、顔が一番良く見えるカメラアングルの設定に苦労していた。
金網の上に、車椅子が落ちるカットの撮影。
「どうやって落とす?屋上からひも付けて落とそうか」
「いや〜,、バウンドしますよ絶対。危ないっすよ」

こういう時は、スタッフがみんなで喧々囂々、意見を出す。
フリーがほとんどのスタッフ達は、それぞれいろんな現場で経験
したことも考え合わせ、上下関係なく、力を合わせていく。

「ガッシャァ〜ン!!」
物凄い音だった。怒られるぞ、おい・・・

助政が上から覗いているカットを撮影したいが、
下からのアングルだと、塀が高くて見えない。
足場の悪い場所に脚立を立て、無理なバランス
をふんばって良い位置をキープしなければ
ならなかった。
その見た目のカットの撮影は、今度はカメラが無理な
バランスで設置しなければならなかった。
みんなが立っているのは地面ではない。
塀の上から下が見えるように、厚い板を乗せた足場を
作っているのだ。
    これがその見た目。
    お〜、高い・・・

結構大変なシーンだったが、あまり時間をかけてもいられない。
この後に駐車場に場所を移し、まだ昼間のシーンは残っている。
更に、瀬戸のバス停車駅ではスカイラインでの撮影が控えている。

スカイライン
夕方、薄暮での撮影。太陽は落ちてしまっているが、まだ真っ暗になる前、空がギリギリ青い状態で、
周りの風景もライティングしなくてもうっすらと写る時間帯。
約10分前後の短い時間を狙うため、まだ明るさが残っているうちからスタンバイし、1カットくらいしか
狙えないのが普通。

そのスカイラインでの撮影は、雨のシーンである。
現場には、雨降らしのためのタンク放水車が来た。

担当は特機部(特殊機材)である。
カメラの画角を把握し、何本もの太いホースを的確な位置に
セッティングして雨のシーンを演出する。

ライティングのテーマは、雨がちゃんと写るようにすること。
そのセッティングのために、本隊と別れて、先に現場に来て準備した。
自転車が橋を渡って走ってくるシーンで、雨降らしの状態、人、車の整理、天空の光量と、
神経を使う要素がいっぱいの状態で撮影された。



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