5月26、27日  ロケハン  
撮影する場所を捜し、下見をすることをロケーション・ハンティングと言い、略してロケハンと呼ぶ。
「弱虫〜チンピラ」のロケハンの1回目は、7時半渋谷集合で始まった。



ロケハンでは何を見るのか
どんな場所かをただ下見するわけじゃない。
どういうカメラアングルが可能か、考えている芝居ができるのか、人や車の状況、
電源はどうするか、曜日によってどう違うのか、ほかの場所との比較・・・
頭に描いているイメージと照らし合わせながら、新しい発見にアンテナを張り巡らす。

    スタッフにイメージを説明する望月六郎監督

この作品の主な舞台は、都内の赤羽と千葉県幕張近辺だ。
製作部さんが台本を元に、今まで撮影したことのある場所でイメージに
近いところや、新たに自分の足で探しまわって見つけた場所を
あらかじめ下交渉し、撮影可能なところがある程度そろえ、監督、カメラマン、
照明技師、美術デザイナーを連れて場所をまわる。

ひとつの設定に対して、何種類かの候補を用意しているのが普通である。
なかなか気に入る場所がないときは、ほかのスタッフも自分の経験から、
イメージに近い場所の情報を提供し合う。



クランク・インは6月1日。時間が少ない。
この二日間ではすべてを決めることはできなかった。
オールスタッフ打ち合わせの後とか、インの直前までロケハンが残っている。
製作部さんは、残り少ない時間で、監督が気に入る場所をまたさがさなければならない。

美術打ち合わせ
二日目のロケハンは、湯河原まで行った。終わってからは、エクセレント・フィルムの事務所に
帰って美術打ち合わせ、略して「美打ち」を行うことになっていた。
シーン1からラストシーンまで、内容を細かく打ち合わせするのである。
車は?たばこの種類は?拳銃の種類は?昼のシーンか、それとも夜か?・・・
細かいことといったらこのうえない。
打ち合わせは3時間近くかかった。