ロケハンでは何を見るのか |
どんな場所かをただ下見するわけじゃない。 どういうカメラアングルが可能か、考えている芝居ができるのか、人や車の状況、 電源はどうするか、曜日によってどう違うのか、ほかの場所との比較・・・ 頭に描いているイメージと照らし合わせながら、新しい発見にアンテナを張り巡らす。 |
スタッフにイメージを説明する望月六郎監督 |
この作品の主な舞台は、都内の赤羽と千葉県幕張近辺だ。 製作部さんが台本を元に、今まで撮影したことのある場所でイメージに 近いところや、新たに自分の足で探しまわって見つけた場所を あらかじめ下交渉し、撮影可能なところがある程度そろえ、監督、カメラマン、 照明技師、美術デザイナーを連れて場所をまわる。 ひとつの設定に対して、何種類かの候補を用意しているのが普通である。 なかなか気に入る場所がないときは、ほかのスタッフも自分の経験から、 イメージに近い場所の情報を提供し合う。 |
クランク・インは6月1日。時間が少ない。 この二日間ではすべてを決めることはできなかった。 オールスタッフ打ち合わせの後とか、インの直前までロケハンが残っている。 製作部さんは、残り少ない時間で、監督が気に入る場所をまたさがさなければならない。 |
美術打ち合わせ |
二日目のロケハンは、湯河原まで行った。終わってからは、エクセレント・フィルムの事務所に 帰って美術打ち合わせ、略して「美打ち」を行うことになっていた。 シーン1からラストシーンまで、内容を細かく打ち合わせするのである。 車は?たばこの種類は?拳銃の種類は?昼のシーンか、それとも夜か?・・・ 細かいことといったらこのうえない。 打ち合わせは3時間近くかかった。 |