6月2日  二日目



照明助手さん3人と、腕組みをしてるのは美術さん。
彼等は実に頼もしい。そして可笑しい。
7時15分新宿集合。
最初は歌舞伎町でのクラブのシーンから始まった。
「どんなに遅くても12時には終わって、幕張まで移動しながら
 車の中でメシくらいに考えないと今日の予定が撮りきれないぞ。
 とにかく段取り良くいこう!」

クラブのシーンは2シーン。
全体の芝居の動きを決め、衣装やメイクの準備、ライティングが始まった。

プロデューサーの佐藤さんと望月監督が、客の役で出演。
佐藤さんも演出部出身で、二人のすべてアドリブの芝居はリアルかつ絶妙。
普段の生活を無駄にしていないからこそできるのである。
頭の中だけで、人を見ていない人には上っ面のセリフしか書けない。
映画作家の卵たちよ、熱い彼等を見て肝に銘じなさい。
幕張に移動し、デイシーン(昼間のシーン)の撮影と、夜になると
タクシーの中の撮影が予定されていた。


走る車の撮影は、セッティングが大変なのである。
マイクを車の中にセットし、録音技師さんはトランクの中に隠れる。
走るときにはトランクが閉められ、荷物のようになってしまう。
(もちろん、少しだけは空けます)
ライティングは色々な方法があるが、今回の場合は、
吸盤式になっている器具を屋根に取り付け、バッテリーで
付くライトをセットして、窓の外から入り込む光を作った。
理想的には、走っているのだから光も動くことなのだが・・・。
車の中にもカメラのフレームに入らない場所にライトをセットした。

それでできた画面はだいたいこんな感じ