6月7日 撮影7日目

修の部屋の撮影二日目。
今日いっぱいですべてのシーンを撮りきらなければならない。
電車のある時間までといっても、近隣の住民のこともあって、10時半頃が限度だろう。
朝の電車で、主演の北村君と一緒になった。
駅近くのファーストキッチンで朝セットを買い、ロケバスに乗ると、ほとんどのスタッフは
現場直行で、ガランとしたバスの中で北村君は演技プランを語っていた。

昼間はラストに近いシーンで、結構長い。
外での撮影もあり、それを終えた後には、ベッドシーンを含む夜のシーンが5つ。
「外やってる間に中の準備も分かれてやらないと、とても時間内には終わらないぞ」
監督も時間の少ない中での重要なシーンの撮影に、自分、そしてスタッフに
緊張をうながし、ナーバスになっていた。
 

思いの他順調に進んでいた撮影であったが、時間制限の壁が大きく立ちはだかった。
ベッドシーンで監督が頭の中でイメージしていたカットを撮影する時間はなくなっていた。
シーンを成立させるために、瞬時の判断で演出を組み立てる監督。
可能な中でベストの方法で、この日の撮影は無事に終了した。
妥協ではない。あくまで作戦変更である。

   
修のいる月島組のヤクザ、古庄役、曽根英樹さん。
修に女を取られた過去があるヤクザだ。

望月監督は、アクシデントをプラスに変える。
決して妥協はしないが、ひとつの事についていくつもの引き出しを持ち、
スタッフ達の意見も非常に大切にする、柔軟な監督である。