望月監督の演出は、まずそのシーンの芝居を 俳優さんに自由に演じてもらうのを見る。 自分の思っていることと違うところの話し合いと、 新しい発見に目を光らせ、どう撮れば芝居が良く 見えるか、イメージ通りの表現ができるかを考え、 スタッフ達といっしょに方向性を固めて行く。 ← 窓から外光が入り込むライティングをしている |
このヤクザの事務所の設定は、何かあったらすぐに逃げられるように 家具も最小限度。金庫も使わず、金はダンボールに入れている設定。 ダンボールに積め込まれている札束は、見えるところだけ本物だが、 1枚めくるとただの紙である。 しかも、お札を取ると、その下は詰め物、いわゆる上げ底だ。 |
都内では、撮影のために快く貸してくれる病院は少ない。 撮影では、美術さんが病院らしく見せるために看板やドアの表札、ポスターなどを用意して飾り込んだり、医者や患者、看護婦などのエキストラを用意する。 エキストラの動きをつけるのは、助監督の仕事だ。 ただの通行人ならまだしも、特定の職業の通行人の場合は、細かいところまで それらしく芝居をさせることが必要である。 「ちゃんと芝居させてくれよ。医者が看護婦にそんなに深くおじぎなんかするかよ」 歩くコースも、手前の芝居とのタイミングや、動きがダブらないように注意するなど、 結構難しい仕事であるのだ。 |
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廊下のセッティング |
夕食の弁当を食べるスタッフ。 赤羽の街角で、地べたに座って食べるのも、 撮影中だからこそだろう。 普段は絶対できないことが、ロケ中だと結構 躊躇無くできたりするのはなぜだろう。 |
雨が降ってきてしまった。 こういう時のために、制作部さんは大きなパラソルを準備している。 雨が降ると、カメラだけでなく、ライトにも養生をしなければならない。 点いているライトに水滴がつくと、電球がワレてしまう。 酔ったおじさん達に静かにしてもらうようにお願いしながら、 無事に撮影が終了した。 |