6月23日  撮影14日目 クランクアップ

約一週間のインターバルのあと、いよいよクランクアップの日。

クランクアップ
撮影初日をクランクインというが、すべての撮影が終了することをクランクアップという。
予定が進むにつれて、次々と出演出番が終わる俳優さんがいるが、俳優さんの最後の
出演カットの撮影がOKになると、「○○さんすべて終了です、お疲れ様でしたあ〜!」
の声と共に、拍手で送るのが普通で、主演級は花束などが贈られたりする。

クランクアップの日は、どんなに遅くなっても、ビールなどが用意されて、小打ちあげと
称する乾杯があるものだ。

最終日のこの日は、長門裕行さん扮するヤクザの組長の部屋の撮影。

景子が拉致同然に親分の女にされている場所の設定である。
スケジュールはこの日だけで、絶対に予定のすべてを撮りきらなければならない。
分量も多く、スタッフはさすがに徹夜覚悟で臨んだ。

景子役の季依ちゃんにとっても一番大変なシーンがある。
シャブを打たれているうえに、オサムとセックスをするシーンである。
北村君の表情のある芝居と、長門さんの迫力いっぱいの芝居の中で、
季依ちゃんも体当たりの演技に力が入った。

一日中同じ場所での撮影で、昼、夕方、夜の設定があるが、これまた
スケジュール上の都合で、夜になってから昼の設定のシーンを撮影しなければいけない
ときもあり、実際の時間が何時なのか、感覚がおかしくなったりする。

忙しい一日だったが、今日が最後ということもあるのか、バタバタする中にも
ゆとりのある笑顔も時折みられる一日だったような気がする。
しかし、さすがに気の抜けない一日の疲れもみられ、
撮影も深夜にさしかかった頃には、物陰で居眠りをするスタッフもいた。
責められないよな〜。

ちょっとの休憩時間には、長門さんご夫妻が所有する競走馬の話題でも盛り上がった。
競馬ファンならお〜!とうなる名馬が、ご夫妻所有の馬主歴に名前をつらねる。
長門さんは懐かしそうに、そして、現在所有のウマのことも我が子の自慢のように語っていた。

北村君は、自分の出番がすべて終了しても、しばらく現場に残っていたが、
明け方を迎えようとする撮影には、さすがに最後まではつきあえなかったようだ。
翌日も仕事があるのだ。現場を大事にする人なので、できれば最後まで見届けたかったと思う。
季依ちゃんの一人のシーンですべての撮影はついに終了した。
午前3時半になっていた。
お疲れ様でしたあ!

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