Fish-08

07<08>09 TOP BBS

*                    *

「ぁ……う」
 こくんと喉の奥へ滑り落ちていく生ぬるい液体の感触に目が覚めた葉月は、重なっている唇の感触に気付く。岩場で人工呼吸された事は判っていなくても、今こうして口移しで水を飲まされている事実は気付かざるを得ない。
 水がゆっくりと流し込まれている。噎せるだけの余力もなくぼんやりとそれを飲む葉月は、いつの間にかはだけていた水着のブラジャーも外され一糸纏わぬ裸にされている事に気付く。
 水は唾液のとろみを帯びていた。舌と唇に少年のものの感触が刻み込まれている。水を流し込んだ後、ゆっくりと舌が動く。子供の舌が、葉月の舌をまさぐり、撫で回す。
「――起きたか」
 唾液が糸を引いた。
 いつの間にか、気を失ってしまったらしい…ぼんやりと巡らせた視界に映る他の少年達の姿は減り、海の家の座敷に横たわる葉月と少年ともう一人だけが残されていた。
「おわり……?」
「……。いや、他の奴らは昼飯に戻っただけだ。俺達の分は後で伊月が持ってくる」
 やや不機嫌そうに少年は葉月から身を離す。
 心地よく吹く風は、朽ちたトタンの壁に所々に空いている穴だけでなく、いつの間にか開けられた奥の網戸へと吹き抜けていくものだった。さして時間が経っていないのか、簾格子の陰の位置は変わっていない。まだ海水浴場は人が絶えず…いや更に人手が増えていた。バーベキューらしい香ばしいにおいが漂ってきて、葉月は空腹に気付く。
「貴方はご飯を食べに行かないの?」
「離れたら終わりだろ」
「まだ許してくれないの……?」
「舵、葉月の腕押さえろ」
 不機嫌そうなまま少年が葉月の手を上へ押さえつけ、もう一人の少年に押さえさせる。また責められる予感に身を捩り逃げようとする葉月の脚を、少年が広げて身を割り込ませ顔を埋めた。
「や……!」
 柔毛に息を感じた瞬間葉月の肢体が跳ねる。気を失っている間に収まってくれていてもいい筈の疼きがまだ止んでいないのは、少年のキスの間もうっすらと感じていたが、それが焚き火に空気を送った様に一気に再燃する。
 ねちゃりと音がたった。
 一気にクリトリスから膣口までを舐め上げられて葉月の全身が強張り細い身体が畳の上で限界まで撓る。
「なめちゃ……いやぁ…おねがい…やめて……はぁ…んっ!や……ぁ!」
 指とは違うぬるぬるとした感触に葉月の腰は左右に逃れようとするが、両手と腰を抑えられた身体は自由に動かない。交際相手にも許さなかった行為に葉月は全身で啜り泣く。脚の間に割り込むその肩幅は葉月と大差ないほどに小さく、異性としては頼りなく、それが葉月を更に追い詰める。まだ西瓜割りなどに興じているのが似合いそうな小学生に性器を舐められてよがり狂う…そんな事が起こるとは想像もしていなかった。――こんな快楽があるとは。
 舌がクリトリスを舐る。柔らかな肉色の小粒な肉豆を同じ肉色の子供の舌が下品な程にべろべろと舐め回し、舌先で捏ね回す。少年の顎までを愛液がたっぷりとぬめらせ、下唇が粘膜を撫でる。楚々とした佇まいの柔毛を鼻が擦り、座敷の上よりもより濃密な愛液のにおいが肺の奥まで吸い込まれていく。
 仰向けで啜り泣く葉月の瞳に、自分の腕を押さえ込んでいる少年の姿が映った。松崎少年よりも少し理屈っぽそうなその少年は葉月の頭のすぐ上に膝を突いている為に、自然と腰が視界に入る。
 勃起していた。
「こんな…こんなこと……っ…するの…だめなの……っ」
 ぞくりと背筋が妖しくざわめくのを抑えようと葉月は懸命に声を出した。まさか、そうとは思いたくないが…この少年達がまだ子供なのにセックスを求めてくる可能性があるのだろうか。可能性を無視したいが、葉月の視界に映った隆起はまだ幼い少年のモノとは思えないはっきりとしたものだった。
「もし訴えたとしても淫行で捕まるのは葉月だ」
「そんな……っ、ぁ…いや……あっ……ぃ……やあぁ…っ…あぅ…んっ……あんっ!」
 少年達に無理矢理されても淫行になるのか、それとも少年達が婦女暴行になるのかその判断がつけられず戸惑う葉月は、膣口に捩じ込まれた舌に仰け反る。二本の指よりも不安定な筈なのにずぶりと拡張する舌の感覚はどうしても身体の記憶を呼び覚ます。両手を上で抑え込まれた葉月の細い身体が撓り、背が畳から浮いては落ち、少年の身体に割り込まれた脚の先で爪先が縮こまっては痙攣して伸びる。
 相手はたった二人の子供で、密漁がそもそも誤解なのだから葉月がここまでの屈辱を耐える必要はないかもしれない。だが得てして子供は残酷だという事を、そして田舎の排他的な社会が容赦ない事を考えるとどうしても逆らえない。――何故か、この状態で踏みとどまる事が出来てしまう自分が葉月には判らない。
 ぬちゃりぬちゃりと舌が鳴るたびに、白い身体が濡れた畳の上で快楽に身悶え、腰の奥から溢れる熱く狂おしい疼きが葉月の理性を削いでいく。まだ幼い小学生の責めは手に入れた小動物をなぶる様に執拗で、性行に貪欲でないのはそれに味を占めていない為なのかもしれない…だが葉月の身体はまだ得た事のない性行の満足感を期待してしまう。男を招く様に愛液は溢れ、膣口は脈打ち舌先を撫で回す。
「葉月、説明」
 舌を踊らせる途中での少年の言葉の間ですら、不安と戸惑いが押し寄せてくる。まだ続けて欲しい切なさに少年を見ようとしてしまう葉月に、腕を抑え込んでいる少年がくすっと笑う。そのかすかな息の音に気づき全身が熱くなる。
「……、きもち…いいです……っ…なめられて……ぁあ…きもちいいです……」
「もっと。――言ってる間は可愛がってやる」
 いやらしい言葉を言わずにいれば子供に恥ずべき場所を舐められるのが終わるならばそれを喜ぶべきなのに、葉月に瞬間的に浮かんだのは切なく堪えがたいもどかしさだった。舐められるのが終わるのが嫌な自分を本能的に恥じ、葉月は長い睫毛に縁取られたしっとりと濡れた黒目がちな大きな瞳をキツく閉じる。
「は……はじめて…はあんっ! はじ…はじめてなめられて……なめてもらって…こんな、こんなにきもちぃい……っ…きもちいい…なんて……しりませんでした…ぁ……っ…あああぁ……おとたてちゃいやぁ……きもちいいです…あっ……そこ……そこだめ…っ…だめぇっ……あっ…っひ!ひあぁ!そこ……っ、そこ…だめぇ……っ、いいっ!きもちいぃ…っ、きもちいいっ!」
 クリトリスを集中的に舐められ葉月の全身が限界まで強張る。頭に浮かぶ余裕もなく熱に浮かされた様に言葉が溢れ、直接神経を撫で回される様な鋭い快感が全身に響き渡り、我を失わせる。びくびくびくと華奢な肢体が痙攣し、首を振りたくる事も出来ずに声を上擦らせて鳴き、喘ぐ。
 いつの間にか手を解かれ、そして少しの間があるたびに言葉で責められねだる…快楽だけがすべてになる。
「またいくのか?」
「はい…っ、いきます、またいきます…っ……いかせていただきます……っ、いく…いくっ、なめてもらっていきますぅ…っ!!」
 ひっきりなしに痙攣し続けていた膣がぎゅっと縮こまりそして弛緩する。
 弾けた意識に涙と汗と唾液まみれで朦朧とする葉月の耳の外でぱしゃりと機械の音が鳴り、強い光が瞼の裏で閃く。
「……、ぁ……」
 瞳を閉じていたい。まだ少しも動きたくない…そう感じながら重い瞼を開いた葉月の瞳に、腕を押さえていた筈のもう一人の少年の手にある古い機械が映る。黒と銀の本体に、かすかな音をたて吐き出される四角い紙に、無骨なレンズ。
「ぃ……やあ!」
 型遅れどころではない骨董品物のポラロイドカメラが何を写したのかは想像するまでもなかった。そして、自分の周囲に何葉も落ちている紙の存在に気づき、葉月は呆然とする。
「四度も寝てるのに教え込まれなかったのが不思議だな、葉月」
「な……」
「こんなに素直な身体を可愛がって貰えなくて可哀想だったなって意味だ」
 少年の言葉から逃れようと畳の上に散らされた数々の写真を拾い集めようとして、それに写った内容の卑猥さに葉月は凍り付く。
 下腹部に顔を埋める少年の頭に添えられた…いや掻き抱く様な白い手。限界まで広げた粘膜と、その奥に挿入されている三本の指。尖りきった乳首と淫らに喘ぐ顔。身悶える全身。濡れた柔毛と粘膜の上端のすっかり露わになっているクリトリス。――半分以上は丁寧に葉月の顔が写り込んでいる。
「これ以上…もっと……脅迫…する気なの……?」
 絶望感に冷たい汗が流れる葉月の肌の中で理解不能なうねりがどくんと揺れた。全身を濡らす汗を海風が撫で、相変わらずの海水浴場の歓声が現実感を失調させる。
「今更写真で脅迫する必要はない。そうだろう?葉月」
「――ゃ……!」
 ぐいと引かれた手が、布に触れた。
 指と手のひらに触れた布越しの硬い感触に反射的に引こうとした葉月の手は、抑え込まれびくともしなかった。快楽の余韻でまだ力が入らないのもあっただろうが、それよりも少年の力と葉月自身の不可解な迷いがそれを実現させなかった。
 大きい。
 華奢で小振りではあっても大人の女の手はそれなりの大きさになる。だがその手が当てられてもそれの長さはまだ余裕があり、そして布越しであっても判る太さと逞しさに動揺する葉月の身体がどくどくと脈打つ。
「『気持ちいいです、もっとお願いします』だろう?」
「いや……ぁ……」
 ゆっくりと手が上下させられた。長い。付け根の辺りから先端までの形を、葉月の手は憶えさせられる。夏服の半ズボンの布地は無骨に厚かったが、凶暴にそそり立つ逞しい肉は布の上端にまで届きはみ出していた。ランニングが濡れている…それは汗や潮ではなくぬるぬるとした液体だった。子供だが、それは大人と同等かそれ以上である。
 少年が口にした言葉を言った憶えは葉月にはない…だがそう言ってしまってもおかしくなかった狂おしい快楽は憶えていた。
「脱がせ」
 両手が導かれる。まだ横たわっていたい疲れた身体を起こされ、絶望感にうなだれたままの葉月の背中と胸元に濡れた髪が貼り付く…だがそれを整える指は、少年の下腹部に添えられていた。
 他の部分は乾き始めている布の硬い感触を手で感じている葉月の両方の手首は、半ズボンのファスナーとボタンの前で固められている。
「ゆるして……」
「……。舵、葉月が思い出せる様に手伝ってやれ」
 畳の上に座り込んでいる葉月の双丘の間に不意に手が捩じ込まれた。

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