Fish-23

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 雛びた漁村でもそれなりの活気を感じさせる港のある入江を見下ろす小高い丘の上に、昭和時代の映画に出てくる旧家の様な、村の分限者に相応しい立派な屋敷はあった。塀に囲まれた広い庭は家人だけでは手入れが出来ないであろう松を主にした庭木が茂り、遠くでカモメが、近くで大量の蝉が鳴いている。
 障子も窓も開け放たれたままの広々とした座敷で、葉月は背後から犯されていた。
 襖も障子もすべて開け放たれ、いくつもの座敷の更にある奥の仏間までもが見える。高い屋根と広い軒下を吹き抜ける風は暑い夏の午後でも涼やかだったが、葉月も少年も汗にまみれていた。畳に互いの汗と体液が染みるのも構えないまま、一糸纏わぬ姿のままよがり狂う葉月は非現実的な世界に自分が紛れ込んでしまった様な感覚に神経が麻痺しかけている。
 あの後、何度も達し、最後には少年に抱きついてまで快楽を貪った。
 激しい快楽の余韻で呆けたまま、少年のランニング一枚の姿で手を引かれ歩き…途中何人もの村人とすれ違った気がする。少年にお辞儀をする大人の垂れた頭と、丈の足りないランニングの裾を無意識に手で引いても隠しきれない下腹部やこぼれる乳房や精液が伝う内腿や顔を盗み見るしたたかそうな視線。村に近づくほど人の気配は増え、舐め回す様な視線は増えていく。
 屋敷についてすぐ、縁側からそのままこの座敷に上がり、組み敷かれた。 
 一段と激しく犯され、そして気づけば磨き抜かれた縁側の隅に風呂敷包みが増えていた。座敷の前ではないが、わずかに離れた場所にひとつ。誰かがいつの間にか訪れ、そして置いていったとしか考えられない。葉月に与えられたランニングも、少年の半ズボンも、当然畳の上に脱ぎ捨てられている。少年の底なしの性欲と回復の早さに溺れさせられている葉月の意識は途切れ途切れだったが、声を抑えていられた自信はなく、そして少年が交わりを中断させてくれた記憶もない。――よがり狂わされている姿を村人に見られた可能性は高かった。
 何人の村人が葉月がこの少年に犯された事を知っただろうか。この小さな村で。余所者とだけ考えられればよいが、村の中心に肉屋や雑貨屋がぽつりぽつりとあるだけの村で、そして葉月は純也と共に村紹介を兼ねた散歩と買い物の為にそれらを一巡りしており、何人かの村人と挨拶をしている。網元の後継の子供に連れられ犯されていた娘は医者の妹だと知れ渡るのは簡単かもしれない。まだ小学生程度の子供に…だが少年の話を信じればこの村では子供が大人を慰みものにするのはおかしな事ではないと受け取られてしまうだろう。
 ぐちゃりと肉茎を引き抜かれ呼吸を整える余裕も与えられないまま、葉月は少年の手に引かれ仰向けに転がされる。
「――ん……っ」
 唇が重なり、少年の舌が口内に捩じ込まれるのに応え葉月は舌を絡ませた。手慣れたキスとはいかないが、非現実的な現実から逃避するには少年に応える事が一番楽で自然な様に少女は感じ、そしてそれに従ってしまう。少年の手が汗まみれの乳房をぐいぐいと揉みしだき、唾液の糸を伸ばしてはまた舌が絡み合う。まだ幼さの残る少年が、その幼さ故に邪気を感じずに済むのも葉月の警戒心を削り落としてしまう。逆に肉欲で少年に絡む自分をだらしがないと感じる葉月を、まだ子供でありながら力のある腕が抱きしめる。柔毛の上を擦る傘に、自然と身体がくねり、視線が交差した。
「上に来いよ」
「……、はずかしい……」
 照れを含んだつぶやきを漏らす葉月に少年がにやりと笑い、そして畳の上に転がる。
 すっかり疲れ切っている筈でありながら求められるままに緩慢な動作で畳に手を突いて上半身を起こした葉月に、少年の手が肌に貼りつく髪に触れた。少年を見下ろす葉月の瞳に、全裸で横たわる少年の姿が映る。野生味溢れる顔だが粗暴な風情ではなく、幼い頃から村人に網元の息子として甘やかされていただけとは異なる風格が漂う…だがまだ幼さの残る顔と、子供らしからぬ逞しくしなやかな身体。今自分と交わっているのは子供なのだと実感せざるを得ない苦痛が葉月の理性を揺さぶる。
「どうした?」
「……、わかい、な……って」
 時折意識の底から浮かび上がる交わりへの抵抗に葉月は呟く。せめて高校生程度であればいけない戯れとでも考えられたかもしれないが、どう見ても中学を卒業していない…いやもしかしたら中学校に入学しているのを期待してもいいのかもしれない。だがどう考えても平時に葉月が異性として意識するには若過ぎる。
 寝転んだままの少年が葉月の手を引き、引き寄せた。少年の上に覆い被さる形で倒れ込んだ葉月の唇がそのまま奪われる。もう何度キスを重ねているだろう…すればするほど親愛の情などの意思表示ではなく淫らな行為なのだと認識して刻みつけられていく。まだ幼さの残る少年としていいレベルのキスではない。少年のまだ成長途中の胸板の上で乳房が潰れる。成長期は過ぎ後はあまり変化がないだろう葉月とは違い、少年の胸板はその骨格と同じで成長途中のものだった。異性の頼り甲斐には程遠い胸板の上で、互いに顔を擦りつけ合う様なキスを重ねるたびに葉月の乳房がたわみ、潰れ、捏ねられる。
 口内に溜まる唾液を飲む少年に、至近距離から見つめられながら葉月はわずかに迷った後、唾液を嚥下した。
「こうしていたいのは、俺だけか」
「……、でも、むりよ……」
 呟く葉月に少年の顔がわずかに歪む。拒絶するしかない以上中途半端な優しい言葉をかける方が残酷だと考えながら、傷ついた表情を見ると胸が痛む。他人として突き放すつもりにはなれず、だがどう接していいのかも判らない。
 ぴくりと手が揺れ、そして指が絡み付く。
「好きだ」
 ついばむ様なキスを繰り返し、少年の舌が葉月の唇を卑猥に舐め回し、唇で唇を挟み、舌をちろちろと唇の間に捩じ込んでくる。思考を熱く飽和させるキスに甘い痺れが背筋を伝い膣と子宮全体を更に疼かせた。たった四度の同年代の異性との交わりでは得られなかった牝の悦びをたった数時間で刻みつけられ、そして余韻から抜け出せていない葉月にはそれに抵抗するのは難しい。
 くちゃりと葉月の舌が少年の舌を舐める。
 子供の舌だと判っていても葉月には止められなかった。舌の表面のざらつきと唾液のぬるつきを互いに絡めあうたびに覆い被さっている状態の十九歳の汗まみれの裸身がびくびくと震え、白魚の指が野生児の指に抑え込まれたまま藻掻き揺れ汗に滑る。少年に覆い被さりかけている体制の腰が淫らにくねり、激しい性交に赤くわずかに腫れている膣口周辺の牝肉が咀嚼の様に蠢き、濃厚な白濁液が膣奥からごぽりと溢れ、内腿から畳へと伝い落ちていく。
 誰かが見ている様な気がした。蝉時雨が止んでいる。肌に容赦なく突き刺さる複数の視線の中。
「まつざきく…ん……んふ…っ…ぁ……ぁ…んっんん…っ…わたし……わたし……っ」
「勲でいい」
 貫かれたい。頭の中が膣をこの猛々しい若過ぎる…だが大きく硬く何度も回復する逞しい牡の性器で抉られみっちりと満たされないと泣き叫んでしまいそうな衝動に、葉月は少年の指に指を絡み付かせ訴える。半分覆い被さった状態の肌に密着する熱い牡槍は十分に勃起しており、無意識にそれに擦りつける白い肌に汗と精液と潤滑液の混ざった淫臭の体液が染み込んでいく。
「欲しいんだろ、勲って呼べよ」
 唾液を激しく啜られ全身でよがる葉月の嬌声が開け放たれた座敷に溢れる。もう何度も後背位で貪られ達し続けてしまったが騎上位には慣れておらず、どうすればいいのかが判らずに少年に必至に指と視線で訴える葉月は、少年や他の目に映る淫らで嗜虐心を激しく掻きたてる己の姿に気づかない。
 見られている。先刻の風呂敷包みとは違い誰かに見られているのには気づいている。それなのに腰のくねりが、舌と唇の動きが止められない。視線の主を確かめるには勇気が足りず、だが交わりを盗み見られる事を理由に少年に止めさせる事まで考え至る事が出来ない程、甘い肉の疼きに少女は支配されていた。
「……、いさお…くん……して……」
 ごろりと身体を重ねたまま畳の上を転がされ、葉月は少年に組み伏された形になる。視線がついてくる。複数だった。視線を浴びながら身体がくねりあい、交互に絡ませていた足が互いを撫でつつ牡を迎える形に体勢を変えていく。一方的な陵辱ではなく和姦そのものの牡と牝の動きである。指が解かれ、葉月は畳の上で曖昧に顔を隠しながら肢体をくねらせる。
 顔を隠しても葉月の肢体は視線に晒され続けている。水着姿とは話が違う。逃げ出さなければいけないと頭の隅でかすかに点滅する。何が身体を隠してくれるか…座敷にあるのは脱ぎ捨てられたタンクトップと葉月にはサイズの合わない少年の半ズボンと下着だけだった。庶民の葉月の目にはモデルハウスか昭和中期の映画のセットの様に映る程、座敷は何もなくがらんとしている。無論庭木の手入れを怠らないこの屋敷が家財道具に困る事などないだろう。
 畳に汗が落ちていく。高い天井と骨董品の様な照明。屋外の明るさと室内の暗さのコントラストが激しい。初めて上がった家で、門も閉じていない誰でも出入りが出来る屋敷で、誰か複数の視線に晒されながら葉月は淫らに身体をくねらせ少年が挑みかかってくるのを待つ。――皆、これから自分が少年のものでよがり狂わされて絶頂すると判っている、避妊具なしのまま網元の跡取りの子供に精液を膣内に子宮にたっぷりと注がれると判っている、視線を浴びながら挿入を待っている娘がもう交わりに溺れきっていると判っている。熱く煮えたぎる思考の隅で葉月は泣き、そして葉月の身体は腰を少年の腰に合わせようと畳から浮き、ぐちゅぐちゅと音を立てて性器に粘膜を擦りつける。
「……、前の奴とどっちがいい?」
 ぽつりと漏れた少年の問いに葉月はかすかに首を巡らせかけ、そして膣口に捩じ込まれた傘に全身が跳ね上がった。答えを考える余裕も与えずそのまま一気に膣奥まで灼熱の牡の槍が突き挿れられ、白い裸身が限界まで強張ったまま激しく痙攣する。甲高い声が迸り、待ち焦がれていた愛しい牡に膣肉が狂おしく抱きつき絡みつき、跳ね返す様な剛直に愛液のぬるつきと淫らな肉壺を擦りつけぐびりとうねり、互いに膣奥と射精孔を押し付けあう。
 少年が呻き、娘が喘ぐ。
 力任せに葉月の腿を抱え込み腰を突き出す少年に、葉月の腰が畳から浮き、白桃を思わせる双丘に子供の腰が打ち付けられる。一振りごとに水気を大量に含んだ打擲音が鳴り響き、子供らしからぬ長大な屹立が切っ先から根元まで獣染みた速さと大きさで抜き差しされ、何度も射精を繰り返された膣から溢れる白濁液を張り出した鰓が掻き出し、淡桃色の尻肉と剛毛の生えかけた若い下腹部も、肉槍の下の袋と白い背中も結合の粘液が伝い、糸を垂らせ、畳を汚し、座敷を吹き抜ける潮風に淫臭を含ませる。
 直前の問いを意識出来ているのか出来ていないのか、葉月の唇は少年の名前と牝の嬌声を繰り返し、畳と顔の間を行き来していた白い手が、日に焼けた首と短い髪の後頭部に絡み付く。無意識の指に肩に爪を立てられた少年が唸り、膣奥に切っ先を押し当てたまま腰を白い尻肉に押し付けたまま弧を描く。
 ぽたぽたと顔と胸元に落ちてくる汗を浴びながら葉月は尿意に似た激しい焦燥感に激しく首を振る。何度も絶頂を迎えてしまってはいたが、爪先まで痺れる様な甘く常習性の強過ぎる快楽とは更に一味違う身体の奥底からの突き上げと、座敷が消え無重力空間に放り出された様な平衡感覚の消失は責め立てる少年に葉月を縋りつかせた。海の家で感じたそれよりもずっと長くそして熱いうねりに翻弄される錯覚に、葉月は少年の名前を何度も繰り返し呼び、白い腕を絡みつかせ口の端から甘い唾液を溢れさせて身悶える。長大なもので膣を圧し拡げられ牝肉を満たされつつ失禁してしまいそうな肉体に怯えながら、だが腰の動きを止められない。休止を求める声が徐々に切羽詰まり至近距離にいる少年へとは思えない鳴き声へ変わっていくが、だがその声は更なる激しいとどめを求める牝の淫らな切望と、激しい責めの被虐に怯える不慣れな牝の手折られる寸前の命請いを読み取らせるものだった。声だけですら牡の射精を促せる淫蕩なさえずりに誰もが意識を引きずり込まれる。
 背を限界まで丸められ宙を掻く葉月の長い脚の爪先は縮こまり、透き通るような白い内腿が激しく痙攣し、仰向けの状態の形よい乳房が前後左右に目茶苦茶な動きで弾み、鴇色の乳首が天を仰ぎ少年の愛撫を求めて疼く。全身が少年を欲しがっていた。乳首を噛まれ指で引かれ乳房に指を食い込ませて乱暴に時に柔らかく揉みしだかれたい、うなじを舐められ尻肉を掴まれたい…一日前には考えもしなかった牝肉の疼きに支配され、葉月は鳴き叫び、そして限界まで絞り込まれ追い詰められていた痛痒感が決壊する。
 みっちりと少年に満たされているその結合部から液体が迸り、二人の身体を濡らす。
 驚きの声を漏らす少年の腰ががくんと跳ね上がり、膣奥に切っ先を突き付けたまま若い牡の精液が脈打ち放出され、全身を震わせる葉月と射精に身体を強張らせる少年が音を失い、固まる中、少女の牝肉に密着した牡肉が長い射精に脈打ち、絶頂に我を失う女体に更に膣内射精の牝の悦びを刻みつける。
 何度目かも判らない射精にも関わらず長く大量の射精を一滴残らず膣内に注ぎ込んでも少年は結合を解かず、片手で放心状態のまま身体を痙攣させ続けている葉月の腰を撫で、濡れた手を見た。
「――可愛いな、本当に」
 流石に体力を使ったのか葉月の腰を畳に降ろし、潮と汗にまみれた身体からゆっくりと身を離す少年のものは満足いくまでの射精の後でようやく下を向き、潮と精液と愛液の露を互いから垂らしながらその結合を解いた。肩に生々しい爪の痕の血を滲ませながら少年は葉月に覆い被さり、わずかに考えた後、唇を重ねる。
「俺の女になれ」
 互いの荒い呼吸だけが支配している午後の座敷に蝉時雨が戻るのは、長い夏の日が暮れる直前だった。

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