『夕立迷路・10』

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「玲、膝上げろ」
「ぅぁ…ふぅ……っ…、は…ひ…っ……うぁ……っ」
 口の端から垂れる唾液を神津君が舐め上げてくれた。軽い振動でも膣内の神津君の動きになって私を淫らにさせてしまう。子供みたいな体重を受け止めていた肩と胸板でなく、両脚の膝を交互に上げる仕草は自ら腰をくねらせるもので膣内の神津君の傘がぐりぐりと奥の方を擦りそれだけでまたイってしまいそうになる。向き合う形で両膝を抱えられたら次に何をされるのか、須藤君の好きな体位で神津君もよくするから次にすべき事は憶えている。
 がりがりの腕を神津君の首に回して、しがみつくとほぼ同時に神津君が私の腰を上下させた。身体の前の荷物を上下させる動きは当然突き上げられて浮いた分だけ次には沈み、ぐっちょぐっちょ淫猥な音を撒き散らしながら根本から傘が抜けそうな長いストロークでリズミカルに打ち付けられる抽挿に口を閉ざす事が出来なくなって息が止まりそうになる。折角アイロンをかけたYシャツに爪を立ててしまうのが止められない。神津君の肩越しに黒板が見えて、ぞくぞくんと背筋がざわめいて膣が締まる。教室でセックスしてる。神津君と教室でセックスしてる、愛液の臭いが漂ってるのを皆に気付かれそうなのに、気持ちいい、いつ先生が来てもおかしくないのに、もっと突いて欲しくてしがみつく。
「きもち……いぃ…っ、こぉづくん……いぃっ」
「教室でこんなによがるのか?」
「だ、だって……お……ひぐっ!おちっ……んちん……かたぁいっ!」
 教卓から背を離した神津君が歩くと普通の抽挿より更に強いものになってごつごつと子宮口に当たって意識が飛びそうになる。教卓に向かう時の光景と逆回しの流れで、神津君がどこに向かっているかが判って恥ずかしさが増してしまう。神津君に貫かれながら同級生の後ろ姿が潤みきった視界に被さり、教卓の前の水たまりが見えた。
『何か零れてるぞー』
『誰の制服?これ』
 空耳が掠めて首を振りたくる中、私の背が私の机に下ろされる。ベッドの様な広さは当然なく、私の肩から背中にかけてが乗るだけで腰は丸めた状態で神津君と繋がっていた。片脚が自由になって降りた状態だけれど足は床に届かないで突かれる度に宙を掻き、ぐちょっぐちょっと鳴る愛液がゆっくりと脚を伝っていくのが判る。片手で机に掴まってる私の乳房がゴム鞠の様に前後左右に跳ねて暴れ、神津君の手がそれを掴んで滅茶苦茶に揉みしだき硬くしこった乳首が指で摘ままれ捏ねられる。
「らめ…ちくびっ……らめ……ぇっ」
 今日は平常心で授業を受けられる自信がない。ぎしぎしと重みを受け止める私の机で執拗に神津君が抽挿を繰り返す。片足を神津君の肩の辺りに掲げられた状態での抽挿は脚を交差させているから結合部の密着度が高くて、動きを止めたまま乳首やクリトリスを捏ねられ、焦れきって私が泣き出しそうになると抽挿を始めてくれる。教室で淫語を口にして、自分でも乳房を揉みしだいて、腰で弧を描いて神津君の刺激に溺れて何度達しても神津君の射精がなくて頭がぐちゃぐちゃになったある時、かたんと小さく廊下側の一画で音が鳴った。
 びくっと全身が跳ねる中、神津君との抽挿が止められない。涙と涎で濡れた顔を例の扉に向けた私の目に、少し困った様な表情を浮かべながら立ち上がる佐々木君の姿が映った。

 まず私の制服を拾って丁寧に畳んでくれた佐々木君は次に教卓前の水たまりをモップで掃除して、そして隣の机に腰を乗せる。――その間、神津君は一切休まずに私を喘がせ続けていた。確かに学習会ではよくある事だけれど教室での行為はどこか異常で、恥ずかしさに身体を縮込まらせようとしても身体も心も神津君との行為に溺れきっていて、その為の行為…キスも軽い自慰も愛撫も淫語も止められない。いや、佐々木君の視線を感じる度に更に身体が狂っていく。
 不意に熱い蒸しタオルで頬を拭われた瞬間、また私は達してしまう。いやらしい悦びに溺れる私を佐々木君が微笑んで見ている。いくと口走る頬を熱くて気持ちよいタオルが撫で、口の端も顎も丁寧に撫でるそれはとても繊細な動きで、熱いタオルの爽快感とは違う心地よさで気持ちをぐちゃぐちゃにする。それを止めるでもなく神津君はゆっくりと抽挿を繰り返していた。濡れた顔を拭い終わるとそれは首筋に移り、やがて乳房を撫で回す動きに変わる。
 何故だろう、学習会のメンバーだからなのか佐々木君が触る事が怖くない。ゆっくりと拭われる乳房の力加減にぞくぞくとしてしまう私は乳首を優しく摘ままれた瞬間、緩い吐息を漏らしながら膣内の神津君を締め付ける。いつの間にか切羽詰まった刺激を抑えられた交わりの中、踝まで汗と愛液の混ざった緩い粘液が届いていた。二人の手が全身を撫で、そして当然の様に目の前に突き出された佐々木君のものをぽぉっとして私は眺める。
「玲、フェラチオ出来るか?」
 神津君の声に私は蕩けたまま佐々木君の傘の先端にそっと唇を寄せた。いつも清潔感のある佐々木君は臭いもキツくなく、唇で挟むとしょっぱい粘液が口内に広がる。そっと柔らかく髪を撫でる動きと、薄い腹部の上から性器の存在を探る様に撫でる指。やがて徐々に激しさを帯び、私の身体は前後から激しく揺さぶられる様になった。
 どう考えればいいのか判らない。神津君とのセックスを佐々木君が見てる、喘ぐ私の口を塞いで頭を揺さぶっている、達してしまう私の頭を撫で、時折引き抜いて呼吸を楽にさせてくれてはまた口内に迎え入れさせる。怖い様でいて、何故か怖くない。恥ずかしくはある。ぐちゅぐちゅと口内を掻き混ぜる鰓と幹を舌で撫で、先走りの汁をこくんと飲む。かすかに揺れる呼吸が徐々に乱れて、やがて口内を犯すと言う響きが相応しいレベルで頭が揺さぶられ、口蓋を傘の先端でごつごつと突き回されると、私の頭の中で火花が散る…苦痛ではなくて妖しい淫らな被虐感、苛められているのでもないけれど、男性器で滅茶苦茶にされて快楽を発散されるどこか後ろめたい愉悦。神津君、私、佐々木君にフェラチオしていやらしい感じになってる。気付かれたくないけれど膣の収縮で多分私の感覚は全部伝わっていて、それでもぎちぎちに漲っている神津君に更に溺れる。乳首もクリトリスも触られる度に悲鳴が零れそうな位敏感になっていて、子宮口に傘の先端を押しつけたままぐりぐりと腰を捻る神津君の動きに仰け反りながら吸い付く私の喉奥で、佐々木君の精液が迸った。
「――〜〜っ!!」
 全身ががくんと跳ねる中、神津君と佐々木君の手がしっかりと私の腰と頭を抑え込み絶頂から逃さない。いつもとても濃く感じる精液は喉奥で流し込まれると苦みを感じないで済むけれど、でもごくんと一度嚥下するだけでは納まらないで、まるで鳥の雛が餌を流し込まれるみたいに佐々木君の精液がどくどくと注がれる。精液から逃がしてくれない手は子犬みたいな佐々木君の印象に相応しい大き過ぎない男子の手だけれどどこか怖くて、でも何度も嚥下していく間に押さえる力が抜けてそっと優しく耳朶を撫でてくれる動きに変わっていく。不思議。佐々木君は確かに逆らえない様に抑えるのに絶対に痛くさせない。まるで薄いガラスの器を手で守っている様な穏やかな力。
 ゆっくりとゆっくりと神津君の腰が私が狂わないぎりぎりの範囲で動く。不思議。神津君以外の人とどうすればいいのか判らないのに、何故か怖くない。頭の中がぐちゃぐちゃだからなのか判らないけれど、怖くない。目隠しの時よりもするっと胸に入ってくる無防備な安堵感…佐々木君がペットを撫でてる感じに近いからなのかもしれない。
 とても優しくて、疑うのが申し訳ない位に優しくて、またペットみたいに扱われているのかなとぼんやり考えかけた頃、ぬろんと佐々木君のモノが引き抜かれて苦い味が口内いっぱいに広がる…いや前からそうだったのかもしれない。いつも他の人の精液を飲んでいてもやっぱり神津君のでないと躊躇いがあって、でも乱れた呼吸を繰り返す私の頭を撫でる手の優しさに、私は口内に少しだけ残っているものをごくんと飲み込んだ。
「ありがとう」
 佐々木君が頭を撫でながら私の唇を指で拭う。何でお礼を言われるのか判らなくて呆けてしまう私の脚を抱えている神津君の腰が引かれ、そして傘の先から根元までが一気に突き挿れられた。
「は……ああぁう!!」
 がたんと机が大きく鳴り、腰を打ち付ける音が響く。大きく張り出している鰓が膣内をごりごりと擦って圧し広げて引き戻されては、鏃の様に打ち込まれて傘の先が子宮口まで当たる…大きい、太くて硬くて熱い神津君のモノ。びくんびくんと全身が震えて背筋が撓り、無意識に腰が卑猥な動きを繰り返して、頭の先まで膣になってしまったみたいな錯覚に喘ぐ。
 神津君の激しい抽挿はやや強引で、頭がおかしくなってしまう。男と女とか性器とかセックスとかそういう本能的な部分が自分の中で剥き出しにされて、貫かれている事に全身で溺れて熱く溶ける。自分が兎みたいな小動物になって狼かライオンの肉食獣に貪られている様な絶対的な捕食の感覚なのに、狂いそうな程いやらしくて身体がくねる。仕留めて欲しい、服従しながらぐちょぐちょに膣が神津君に絡み付いて締め付けていくのが自分でも判る。足首まで濡れている感触。佐々木君が肩と一緒に机を押さえている。激しい動きに胸がぶるんぶるん跳ねて暴れて痛いのに気持ちいい。カーテンのクリーム色に染まった教室。いやらしいにおいが篭もって熱い。
 我慢してるのに小さな声で卑猥な言葉が零れて、神津君におねだりを繰り返す。自分じゃない自分が恥ずかしい言葉で甘えていく。神津君の口元が少し意地悪そうに歪む。
「で、どこがいいんだ?玲」
「おまんこ、おまんこが……っきもちいいの、っ!ぁううっ、ぐちゅぐちゅ、きもちいぃ……っあ!いくぅ、またいくぅっいっちゃう…ゃぁんっ、きょうしつでいっちゃう…いくぅっ……!!」
 小声でずっと喘ぎながら腰ががくんがくんと壊れた玩具の様に跳ねて暴れて、愛液が鳴るのを腰同士が激しく打ち付けあう音が掻き消して、私の下腹部から先刻よりはっきりと液体が迸って、床や他の机に飛沫が当たった。恥ずかしくて気が狂いそうで藻掻く私の身体は二人の手で抑え込まれびくんびくんと硬直して痙攣する中、一際激しく打ち付けた後子宮口に傘の先端を密着させ神津君が、射精した。

 意識朦朧とした状態の私を並べた机の上に横たわらせて、神津君が私の顔の前に腰を突き出した。いつもの習慣でそれを口に含み、傘の先端から残滓を吸うと堪らなく濃くて苦くて、でもそれすら美味しい気がしてこくんと嚥下する。いつもは何度も射精してからの行為だから愛液と精液が混ざってクリーム状になっているけれど、今日は射精が一度目だから周囲に絡み付いているのは私の愛液が大部分でぼんやりと恥ずかしい。どれだけ濡れてしまうのだろうか。
「流石に二回目は駄目だからね」
 ちょっと困った様な声で言う佐々木君がモップで周囲を掃除していて、片付けなかった意味が判って恥ずかしさよりも先に感心してしまう。
 くちゅっくちゅっと舐る前から十分に猛っていた神津君のモノが益々硬く大きくなるのを感じて甘く痺れきった身体がまた妖しくざわめいて、いつもなら他の人の後でもう何回かあるのになとはしたない名残惜しさで吸い付いてしまう。ゆっくりと頭を撫でてくれる手が優しい。
 不意に風が身体を撫でた。
 カーテンは閉めたまま窓を開けたのか、仄かな薄暗さはそのままに電車の走行音や遠くの音が教室内に届く。グラウンドの野球部の朝練のものであろう、ボールを打つ小気味のいい音。夏の朝。――去年はこんな事になっているなんて想像もしていなかった。
 そのまま二回目に移ってもおかしくない状態の神津君のモノがぬぷりと引き抜かれる。少し息苦しくて机の上で乱れた呼吸を繰り返すのがやっとの私の身体を熱い蒸しタオルが撫でた。いつも不思議だけれど佐々木君は何故こんなに準備万端なのだろう?と女の子としては立場がない事を考えながらとろとろと眠りそうになる私の頬が優しく撫でられる。
「皆が来る前に起こすから眠ってていいよ」
「タオル一枚借りていいか?」
「どうぞ」
 不思議。佐々木君の声音は基本的に優しいけれど私と神津君に対してだと少しニュアンスが違う。私相手の時は小さな子供に話しかける様な優しさだから、男子同士だとそれはちょっと変になるからかもしれない…でも私も同級生なのになどと脈絡もない事を考えているうちに睡魔に負けてしまい心地よい眠りに落ちそうな私の下腹部から、どろっと精液が溢れるのが判る。まだ何も着ていないから横になっている腰は二人からは丸見えで、恥ずかしいのにもう身体に力が入らない。佐々木君が拭ってくれたばかりの肌をとろとろの精液がゆっくりと伝って、こぽっと更に膣口から精液が溢れる。
「……。出し過ぎ」
「具合がいい」
 少し咎める様な佐々木君の呆れ声にさらりとした神津君の返答。よく眠れたのならよかったと安心しながら恥ずかしくてほんのちょこっとでも縮まろうとしている私の身体を、神津君がころんと仰向けにさせる。
「ゃ……」
「いい子だから大人しくしていろ。掻き出すから」

 私の机に垂れていた精液の水溜まりの視覚的効果は絶大で、私はその日の授業はまともに顔を上げる事が出来なかった。

 短縮授業も終わって、急いで家に帰った私は客用布団を干して浴衣を洗って縁側に腰を下ろす。今日も夕方から天気が崩れるかもしれないと天気予報が言っていたけれど、今の所それまでには乾いてくれそうないい天気で風もそれなりに吹いている。朝のうちから洗濯機で乾燥までさせておいた上で干してるタオルケットを靡かせた風が縁側を吹き抜けて風鈴を鳴らす音が涼しい。じりじりと熱い日差しに日焼けしてしまいそうな気がしてサンダルを脱いで居間に戻りながら帽子を脱ぐ。
 結局あまり仕事が休めないそうで父はそろそろ会社に戻った頃だろう、今夜は用心棒が必要ないのは助かった様な残念な様な…いつも神津君が守ってくれるのは内心嬉しいけれど、申し訳がない。父の帰宅と関係なしで今日は用心棒がいらないという帰り際に聞いた太鼓判は、つまり今日は送別会か何かなのだろうか。
 もしかしたら今日も神津君が来てくれるかと思い準備しておいた氷出し煎茶を注いだグラスは表面に汗を掻いていて、そっと手に取ると冷たさが心地よい。家の中はエアコンも扇風機も使っていないけれど夏らしい暑さと感じる程度で、空調があまり得意でない私には有り難かった。簾を吹き抜ける風。穏やかな時間。
 基本的に昔からこういった静かな過ごし方に慣れていて、神津君達と一緒にいる方が今でも不思議でならない。息を付いてお茶を飲むと冷たさが心地よくて、目を閉じてしばしまったりとしていた私は縁側で干している客用枕にふと目を向ける。枕カバーはタオルケットと一緒に洗ってしまった剥き出しの蕎麦殻枕をじっと見つめた後、行儀の悪い膝歩きで縁側ににじり寄って日向の縁側からくいと引き上げて抱き締める。ずっと干していた蕎麦殻枕は体温より熱くて、でも胸に抱き締めたそれは大きくて重くて今朝までそれを使った人を思い出してかぁっと顔が熱くなる。
「〜〜っ」
 居間にぺたんと座っていた私は気恥ずかしさの余り、枕を抱き締めたまま床に倒れ込み左右に転げてしまう。枕カバーを外してあるから神津君の残り香などある筈はないのに鼻を埋めて吸い込むと、日差しの中で干していた健康的な日だまりのにおいが喉や肺の奥まで染み込んで熱い。
 ぎゅっと抱き締めた蕎麦殻枕の熱が身体に馴染むまでそのまま転がっていた私は、そのままぱたりと畳の上で横になる。
「……。このままで、いいのかなぁ……」
 神津君が守ってくれるのは嬉しいけれど、受験生の夏に私の護衛にかまけて勉強を疎かにさせてしまっては申し訳がない。何か出来る事はないのだろうか。しばし考えるけれど事態が異常過ぎて何も思い浮かばない。香取君には申し訳ないけれど転校のタイミングが今でとても助かったかもしれない。
 それでも何かしないといけないだろう。
 私は蕎麦殻枕をぎゅっと抱き締めて顔を埋める。
 どこか神津君の匂いがしないか、思い切り息を吸い込むけれど、そこは日だまりのにおいしかしなかった。

『夕立迷路』End
初校201502040510

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