第二編 術後・腸閉塞の巻

     食欲が低下し、お腹の調子が悪くなった
 平成12年6月17日、S病院を四週間ぶりに退院した。その後、当分の間アフターケアのつもりで、仕事をセーブし、食事はつとめて減塩食にし、毎日30分ぐらい散歩を励行してきた。
 病院で処方された薬は、整腸剤、便を軟らかくする薬、胃の粘膜を保護する薬、血圧を下げる薬、胃酸の分泌を抑える薬であった。 入院したS病院を紹介してくれた地元のN病院に、週に一回、薬の補給と血圧のコントロールにでかけた。
 降圧剤は急に止めると、薬で血管を広げ血流をよくして、血圧を下げていた状態が解除されるので、再び上昇するから危険である。そうかといって、服用し続けると止められなくなる。そこで、正常血圧への回復とにらみ合せて、少しづつ降圧剤の軽度のものに変えていった。このコントロールが順調に進み、7月下旬には一番軽い薬に変わった。
 この頃から、どういうわけか、食欲が低下し食後に胸やけを感じるようになった。8月に入り、N病院の内科であらためて診察を受けた。医師は「消化薬を出しますから、これを服用して少し様子をみましょう」とのこと。その後、食事も消化のよいものを多く摂るようにして経過をみたが、一向に改善の兆しがなく、8月の半ば頃から、下腹にガスがたまり膨満を感じるようになった。血圧降下の薬の方は異常がないので止めになった。
 8月下旬に入り、再度、N病院で診察を受けた。腹部のレントゲンを撮った結果、小腸にガスがたまっているとのこと。「篠さんは腹部大動脈瘤の大手術をしているので、多分、腸の癒着が原因しているのでしょう」と医師が語った。少し様子をみるので、腸内のガス症状を改善する薬を出してくれた。
 この時点では、腸閉塞という病名はその影すらでなかった。本・・・・・・

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