第五篇 再発防止へ生きる幸せ

     退院すれど完治なし、再発防止へのスタート
 平成15年1月14日、S病院を七ヶ月ぶりに退院した。その時、病院から処方された薬は、整腸剤、便を柔らかくする薬、お腹に挿入されているチューブの孔や、チューブを抜き取った孔を消毒する液剤であった。そして、二週間ごとの外来診察・治療に出かけた。
 私の場合、大きな既往症は、29才の時に患った「肺結核」、このときは入院一ヶ月、自宅で内科療養一年を要した。右上葉の肺に大豆ほどの空洞ができて、ある日、突然喀血した。長い内科療養のお陰で空洞は石灰化したが、体調を崩すといつ再発するか分からない。
 今回の四回に及んだ腹切りの大手術で、体調が極度に崩れ、体力が低下し、体重も結核直前の47kよりも4k痩せたので、極度に肺結核の再発を恐れた。術後、吐き出す痰が真っ赤なときは「しまった」と心の中で叫んだが、どうやら今のところ再発の兆しは全くないようだ。
 肺結核の再発防止には、睡眠不足による過労が禁物である。昔は栄養失調も大きな原因になったが、今日では、日本人の食生活が洋食化の傾向に変わり、栄養過剰なのに栄養失調になる人が増えているという。一口に「栄養のバランス」というが、毎日の食生活でこれを実践するとなるとむずかしい。そこで、不足分の補充をサブリメント(栄養補助食品)で賄う。
 体重コントロールも欠かせない。自分にあった標準的体重を知り、毎週日曜日の入浴前に家庭用体重計にのる。それと、「かぜ」を引いたら、こじらせないで早く治すことだ。高齢者は、あまり熱が出ないで症状が進む場合が多いというから、要注意。肺炎を引き起こしたら、極めて危ない。
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