第六編 患者が求める医療とは

     血管と腸管が怖い、なぜだろうか
 血管には、心臓から新鮮な血液を送り出す「動脈」と、からだから心臓へ血液を戻す「静脈」、動脈と静脈の間にある「毛細血管」の三種類がある。からだは絶えず、血管を流れる血液から酸素や栄養の補給を受け続けて生命を保持していく。
 その血管が、生活習慣(食事、運動、喫煙など)や加齢などの影響で、弾力性を失い内膜(内皮)に悪玉コレステロールなどが溜まって動脈硬化が進むと、内側が狭くなり血流が悪くなる。また、内皮細胞が何らかの原因で、傷ついて破れると自然に血栓(血の塊)を作って破れを修復しょうとする。ところが、その血栓が血流を塞いでしまう。こうして狭心症や心筋梗塞などの「心臓疾患」を起こす。脳の血流が途絶えると、脳梗塞などの「脳疾患」を起こし生命を危険にさらす。
 また、動脈硬化が進むと、血圧が急に上昇したとき、動脈の血管(脳動脈、肺動脈、胸部大動脈、腹部大動脈など)そのものが内部からの圧力で風船のように膨れる、動脈瘤である。この瘤(こぶ)が破裂すると、救命処置が極めてむずかしい。
 「血のめぐり」が悪いとか良いとか、この言葉は昔からよく使われている。血液のスムーズな循環には、血管のしなやかさは勿論のこと、血液の流動性(流れやすさ)も大切である。特に血液がドロドロして、毛細血管に流れにくくなると、末梢の血流が悪くなり、高血圧や肩こり、頭痛などの不調現象がおこる。
 血液ドロドロの正体は、血液中の余分なコレステロールや中性脂肪で、その過剰な脂質がもとで、血液がドロット粘り気を帯びてくる。そしてドロドロ血液が動脈硬化の原因になる。余分なコレステロールを回収して肝臓へ運んでくれるのが善玉の方である。
 さて、こうなると、血液ドロドロを防ぐ食事をつとめて摂るこ・・・・

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