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 必殺技の名前です(違) 

19:31 2014/03/18


宇宙膨張、裏付ける重力波=南極の電波望遠鏡で初観測?初期の姿明確に・米チーム
(ウォール・ストリート・ジャーナル:2014/3/18)
http://jp.wsj.com/article/JJ12037850411489024105020076238590070290676.html

宇宙誕生直後の「時空の揺れ痕跡」初観測(NHK:2014/3/18)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140318/k10013051871000.html


南極点に、天文学の観測施設がある事を知っている方は、きっと少ないと
思います。「南極点望遠鏡 (South Pole Telescope, SPT)」と呼ばれる、
きっと地球上ではもっとも過酷な場所にある天文台では、宇宙の始まりを
観測しています。

そしてそこで、「宇宙マイクロ波背景放射」の「Bモード偏光」を観測した
というニュースがありました。
はい。何の呪文だろうと思った方は、きっと正常です。

まず、私たちの「宇宙」は「ビッグバン」によって無の1点から爆発的膨張に
よって生まれたと言われています。
※この「ビッグバン」という言葉は、最初に火の玉宇宙論を提唱した
 ガモフ博士に対して、批判派が言った嘲笑が語源だったというのが
 有名なトリビア。

その中でも特に、「宇宙」が超高温の「ビッグバン」となる直前に、
非常に高速に膨張したとされる説が「インフレーション理論」です。

宇宙のインフレーション(Wikipedia)

ここで注意なのは「インフレーション」が起きた事を、直接示す証拠は
まだありません。
つまり、「インフレーション理論」はまだ「仮説」なのです。

それでも「インフレーション理論」が広く支持されているのは、現在の
宇宙の様々な観測結果から推論すると、「インフレーションがあった」
という仮定にたどり着くからです。

でも、やっぱり直接の証拠を探したい、というのが、科学者の常です。
そこで考えられたのは、「インフレーション」の超高速膨張が発生したと
仮定した場合に、何か痕跡が残らないか?
そしてその痕跡を観測できないか? という事です。

その方法というのが、
「インフレーション」が起きたとしたならば、空間に振動が生じたはずだ。
というもの。

そして、空間が振動すると、
別途、初期宇宙にある事がわかっている温度の「ムラ」が原因で発生する
光の「ムラ」が、振動の影響で歪められ、ある種の渦巻き状の振動を取ると
推測されたようです(このあたりは私もついて行けてない感が山盛り)

この光の「ムラ」の事を「Bモード偏光」と言います。
詳細はこちらを(投げ)

「Bモード偏光」とは何か?(日本物理学会:2010/3/22)
【注意】PDFが開きます。
http://www.icrr.u-tokyo.ac.jp/JPSCR/komatsu-jps_bmodes.pdf


というわけで、「Bモード偏光」を観測する事で、宇宙誕生時に
「インフレーション」が発生した事の証拠を見つけられる事に繋がります。

問題は「Bモード偏光」が非常に微かな信号強度なので、水蒸気の少ない
乾燥した土地での観測、もしくは宇宙での観測が必要になるという点です。

「南極点望遠鏡 (に併設されている「BICEP2」)」がなぜ南極点という、
とても大変=建築にも運用にもとてもコストと労力がかかる場所に
建っているのかというのは、そこに理由があります。

※氷だらけに思えますが、南極は地球上でも有数の乾燥地帯です。
 理由は、凍ってしまうので、水蒸気が空気中に存在できないため。

「研究室に行ってみた。宇宙ベンチャー 開発エンジニア 高橋有希」
第3回 ビッグバンはどうやって始まったのかを探しに
(ナショナルジオグラフィック)
http://nationalgeographic.jp/nng/article/20130107/336059/


他にも、やはり地球でも有数の乾燥地帯である、チリのアタカマ砂漠で
観測しているプロジェクトもあるようです。

宇宙マイクロ波背景放射(CMB)の偏光観測によるインフレーション宇宙の
探求に道筋(高エネルギー加速器研究機構:2011/8/24)
http://www.kek.jp/ja/NewsRoom/Release/20110824092704/

KAVLI IPMU、宇宙マイクロ波背景放射観測プロジェクトPOLARBEARに参加
(東京大学国際高等研究所 カブリ数物連携宇宙研究機構:2013/4/26)
http://www.ipmu.jp/ja/node/1540


そして今回、「南極点望遠鏡」に併設されている「BICEP2」のチームが、
「Bモード偏光」の観測に世界で初めて成功したというのが、ニュースに
なっているという訳ですね。
ある種の競争で、一位を取られた感じでしょうか。

でも、これによって、「インフレーション」がどのようなものだったかを、
追求できるデータが得られるかも知れません。
なにしろ、「インフレーション」が、いつどのように「ビッグバン」に
繋がるのが等、分かっていない点があります。

宇宙の始まりを知るという観点で、去年のヒッグス粒子の発見に次ぐ
ビッグニュースと言えそうです。

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 今日よりも一歩前へ 

20:11 2014/03/10


東日本大震災に関しては、そう思っている方が沢山いらっしゃると思います。
複数の問題の軸があるので尚更ですが、それを混同しないように
注意しつつ、一歩一歩進んでいくより他に無いのだろうと思います。

仮設住宅や県外避難されている方々のためには、町と商業活動の復興が
必要で、そのための都市設計のロードマップが必要です。

放射能の除染に関しては、除染のロードマップ、中間貯蔵施設のロードマップ、
その先には日本の放射性廃棄物の管理方法のロードマップが延々と続きます。

福島第一原発に関しては、やはり解体に向けてのロードマップになってくる
でしょう。

どうしても時間スケールが長くなる福島第一原発の事故処理を考えると
重たい気分にはなりますが、原発事故処理を別ラインとして考えた場合、
都市の復興に関しては、問題は内在しつつも前に進んではいます。
それが救いとは思います。

3年目の被災地(2)大槌はコンパクトな町へ(ケンプラッツ:2014/3/10)
http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/article/const/news/20140306/654189/


原発事故処理についてはもちろん重大な課題として残り続けていますが、
こちらは時間間隔を切り替えて取り組んでいくより他に無いように
思います。
何しろ長期保管は10万年という単位ですから。

100年当たり1桁エネルギー消費量を増やしてきた人類(JBpress)
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39574


それでも最初の10年、100年にしていくべき事はある訳です。

福島第一原発の廃炉作業はまだ困難を極めていますが、進める以外の
選択肢は無いでしょう。

さらに広げて日本各地の原子力発電所については、今後10年を見据えた
廃炉へのロードマップが必要になります。
これは、10年後、20年後の日本という国家および経済圏を、どのような
設計にしていくか、という国家戦略に他なりません。

3年たってもまだ進んでいないという批判は簡単でしょう。
でも、対案無き批判に価値はありません。
忘れず、迷わず、たとえ遅くとも前に進むのみです。

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