新日本プロレスリング 闘魂炎導2 
the next generationn
N64用ソフト
1998年12月26日発売
ハドソン

 

 新日本プロレスやUFOなどの選手が実名で登場

 PSで大人気の『闘魂烈伝』シリーズを手掛けている制作会社、ユークスによる作品。ゲームシステムなどは違うものの、コンセプト、操作感、モーション、見た目など良くも悪くも烈伝と一緒、という印象を受ける。

 システム

 基本的にA、B、A+Bの各操作で打撃技が、これにZボタンを同時に押すことで投げや関節などの掴み技が出る。さらにA2回入力やB2回入力などもある上に、相手の状態(Sグロ、Mグロ、Lグロなど)によっても技が変化するので、1選手に装備されている技の数は膨大である。
 特筆すべきは返し技のシステム。相手が技を出した時に、同系列の入力を行う事により、あらゆる技を返す事が出来るのだ。(例えば、Aを入力すると、相手のA、A・A、A+Z、A+Z・Aの技を返せる)。相手との読み合い次第ですべての技を返せるこのシステムはなかなか良く出来ていると思う。

 モード

 MVP、レスラーシャッフル、ラーニングの3つのモードが特徴。
 MVPモードは、新日の年間スケジュール(G1やSGタッグなど)をこなし、年間MVPを目指すというもの。参加選手の顔ぶれや、その選手達の状態(タイトルの有無とか)によって発生するイベントもある。長州や猪木の引退セレモニーは涙もの。
 レスラーシャッフルは、ベースとなるレスラーを決定し、その選手に別の選手の技を装備させるというもの。例えば長州ベースで武藤と掛け合わせると、ムーンサルトや側転エルボーを装備した長州ができあがったりする。ただし、装備される技や、それによって消える技などは自分で選ぶ事は出来ない。運任せのエディットといったところか。
 ラーニングモードは、選手とスパーリングを行う事によって、プレイヤーの攻撃パターンをCPUに覚え込ませるもの。レスラーシャッフルモードで作ったオリジナルレスラーも使用可能。

 ダイナミックな演出

 烈伝シリーズのウリの一つでもあるのが、入場シーンに代表されるダイナミックな演出。この作品でもその辺りは健在で、とくにポリゴンプロレスゲーでは初めて入場コスチュームが加わった。さらにケロの選手コールや、坂口社長による選手権試合宣言などもポイントが高い。MVPモードで発生する猪木や長州の引退セレモニーなどのイベントは、演出にこだわるユークスらしい。
 ひとつ残念なのは、テーマ曲などを内蔵音源で鳴らしているためか、実際の音源とは若干印象が違うことである(中には聞くに耐えないほどショボいものも)。


 ユークス作品のクセというか特徴として、演出部分にばかり傾倒しているという事が挙げられる。入場シーンなどはどんどん進歩する一方、操作性やゲーム中の細かい不具合(明後日の方向に技が出たり)などが、一向に改善される気配がない。
 操作などは個人の好き嫌いもあるだろうが、やはりもっと改善の余地はあるはず。今回の作品に関して言えば、まず3Dスティックを使う事自体意味がない。アナログスティックの特性と言えば、微妙な操作が可能な事だが、その辺はほとんどゲーム中には活かされていないからだ。3Dスティックを使う利点がまったくないどころか、かえって操作性を悪くしているだけで、フラストレーションが溜まる。例えば烈伝では十字キーを斜めに入力してダッシュするとコーナーに向かって走るので、素早くコーナー飛び技を出す事が出来たが、この作品では斜め入力+ダッシュでは、選手が斜めに走るだけ。また、コーナー方向にスティックを入れっぱなしにしているとコーナーに登るのだが、その際に少しでもスティックの入力がずれていると、場外に出てしまう。烈伝に関しても言える事だが、もう少し他のプロレスゲームの操作性などを研究する必要があるのでは?
 ユークスの掲示板に「このゲームってキャラクターグッズだったんですね」なんて書き込みがあったが、ゲーム部分や操作性をしっかり作り込んでないと、そんな事言われちゃうんだよね。タッグ時のレフェリーは馬鹿すぎるし。

  次の作品は『闘魂烈伝4』(DC)。グラフィックや技数などは文句ない仕上がりになるだろうけど、それだけじゃ意味ないんだぜ。

99.3.6(ダーク三世)