マルチとねずみ講の数字の裏にある話

 

先日、仕事中にマルチを生業としている方からセールスを受けまして、彼のセールス文句に社会正義を守る仕事というのが有りました。マルチに社会正義を語られるうんぬんより、知らないとはいえ「正義の敵」に社会正義を語って同意するはずも無く、色々話を聞いた挙句に相手が詰めに入る寸前で逃げました(最低)。

それはともかく、最近マルチだねずみ講とかいったものが多いですが、悪いものだとか詐欺or詐欺みたいなものといった評判を耳にする事が多いですが、一体どうして詐欺みたいなものなのかご存知の方は少ないと思います。とりあえずマルチも社会正義を守る仕事らしいので、「正義の敵」の私としてはマルチやねずみ講の数字の裏にあるトリック、これを明らかにしてあげようと思います。

参考とするのは私がセールスを受けたマルチの会社(社名は秘密)とします。ここは毎月2万円位を支払って製品を買い。3人子供を作るとランクアップして収入が入るようになり、3代下の子供(曾孫ですね)が揃うと利益が出るようになります。以後、どんどん下の代の子供をつくって8代下の子供が揃うと毎月1400万位の利益が出るようになります。ここまでくれば2万の出費で1400万の利益ですから年収億単位も夢ではないわけです、すごいですね。

では、ここに至るまでに何人の子供が必要でしょうか。最初会社が10人使ってマルチを始めたとします。1代下は30人・2代下は90人・以下270人・810人・2430人・7290人・21870人・65610人、合計して98400人の子供、最初の10人が月収1400万を得るためにこれだけの子供が必要になります。更に最初の子供30人が月収1400万を得るためにはさらに9代目の子供として196830人が必要で、合計で295230人のマルチ参加者が必要という事になります。マルチの参加者がそれだけいると思いますか?

ちなみに私がセールスを受けた「彼」は5代目の子供だったので私が参加すると6代目となります。そして私の代が全員月収1400万を得るために必要なマルチ参加者は71744520人、なんと7000万人以上必要です。ここで問題です。私が「彼」の誘いを断ったのは正しいでしょうか?あくまで最初が10人という仮定の元ですが、最初の人以外がマルチで儲けるのがどれだけ難しいかご理解いただけたかと思います。

まあ、天文学的数字は置いといて最初の10人が儲かった時どれだけの人間が利益が出ないかを見てみましょう。3代下の子供が出来て初めて利益が出るということは、6代目の子供(子と孫のみ)、7代目の子供(子供のみ)、8代目の子供(子供なし)が損をしている訳ですが、この3代の合計は94880人、逆に言うと儲けている人は3630人しかいないということです。儲ける側に入る確率は3.7%、これだけです

ちなみにこの会社、費用は毎月20000円で済みますし、3人子供を作っただけで親になれますしマルチの会社の中ではかなり良心的なほうだと思いますが、それでも儲けるのはなかなか大変です。一応、私は人の行動をあれこれ言うのは好きではないので、止めたりはしませんがこの数字を見ても本当に儲かると思いますか?なお、ねずみ講にしてもシステムはこれとほとんど一緒です。モノが実際に取引されているかどうかの違いだけですので、儲ける側に入る確率がとんでもなく少ないのも一緒です。

以上の事実から見てみますとおいしい話には裏が………無いのも有ったりしますが……すくなくともマルチやねずみ講には裏があります(弱気、理由は知っている人だけ分かってください)。

 

 

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