わんこさん、Multiculturalpediaの制作にご協力いただき、ありがとうございます。
興味深く拝見しました。 太陽にいると言われる三本足の烏(カラス)が金烏(きんう)と呼ばれ、その鳥自身の名前が太陽を指すこともあるんですね。
辞書でも確認してみました。
・金烏:〔太陽に三本足の烏(からす) がいるという中国の伝説から〕太陽の異名。 (大辞林) ・玉兎:〔月の中にウサギが棲(す) むという伝説に基づく〕月の異名。 (大辞林) ・金烏玉兎:太陽と月。日月。(大辞林)
私達が時間のことばで、「歳月」、「月日」、「日数」などというとき、太陽と月はきっても切れない関係にあるんですね。
古代の中国の思想の1つ、陰陽五行説では、万物を「陽」のもの(日、天、春、昼、明、南、動、男)と「陰」のもの(月、地、秋、夜、暗、北、静、女など)に分けていましたが、お日様はその最たるもの、根源のもので、「太陽」と命名されたのでしょうか。また、夜の月は日本では「太陰」とは日常会話では呼ばれませんが、新しく入ってきた「太陽暦」に対する、従来の暦、「太陰暦」に名をとどめています。古代中国のこの陰陽五行説の影響は他のページでも触れていますが、現代日本の随所に見られます。
そして、これは中国の影響を受けたアジアの国々だけの考えではないかもしれません。さまざまな言語に男性名詞、女性名詞があります。
例えば、フランス語では「太陽」は男性名詞でle soleil、「月」は女性名詞でla luneで、それぞれ男性定冠詞le(不定冠詞 〔un〕)、女性定冠詞la(不定冠詞 〔une〕)がつきます。語尾(接尾辞)が変わるものも多いそうで、ある程度の規則性はあるようです。 イタリア語では男性名詞か女性名詞も冠詞だけでなく、語尾(接尾辞)も変わります。il Sole(太陽)、la Luna(月)。単数の場合は男性名詞(語尾が-o)と女性名詞(語尾が-a)、例外もあるのだと思いますが。
フランス語、イタリア語、スペイン語などのラテン語系と違って、ゲルマン語系のドイツ語は太陽は女性名詞(die Sonne)、月は男性名詞(der Mond)。
こういった、違う例があるとホッとします。
一通りの考え方をする世界を作り上げるのが目標であるかのように、グローバル化の波が押し寄せ、いつの時代も経済的、軍事的、政治的に強い文化が弱い文化圏の文化を結果的に消していきますが、一通りの考え方、共通の頑なな常識、対案がない社会、違った見方がしにくい世界に統一された時が逆に人類の終わりの始まりであるように危惧します。そういう時代よりもっと素晴らしい世界になるようにMulticulturalpediaは発信していきたいと思います。
、世界には約6000(数え方の違いなんでしょうが、約3000、約5000と言われることも)以上の言語があると言われます。言語は人が世界をある角度から理解し、他の人と伝え合い、考えを深め、行動する基礎となる道具です。その言語がすさまじい勢いで姿を消していっています。弱い言語は消えればいい、といっていい現象とは思えません。多様な見方が消えていくことは人類にとってひょっとすると致命的な損害なのかもしれません。
英語は素晴らしい言語だと思います。英語文化は素晴らしい言語だと思います。英語圏の知恵は素晴らしいと思います。英語話者の考えは素晴らしいと思います。と言ってもこれは、日本語や中国語やインドネシア語やスウェーデン語などの他言語を、英語と置き換えても言えるという意味で、英語だけが素晴らしいという意味ではありません。上記の「英語は」というところを「英語も他の言語と同じで」と言ったほうが言わんとしていることがより正確に皆さんに届きそうです。その文脈がなく、「〜語は素晴らしい、・・・・・・」となったときはちょっと立ち止まって内省したほうがいいと思います。
ロシア語には男性名詞、女性名詞、それから中性名詞というものがあるそうです。
こういった分けるという考え方がいろいろな言語に見られ、興味深く思います。 「世界の太陽・月の呼ばれ方(世界の男性名詞、女性名詞、中性名詞)」というページでも設けて、いくつかの語をみなさんで追跡してみましょうか。「太陽」「月」「日本」、それからどんな言葉がいいでしょう。後から増やすのは困難なのでこれは知恵の絞りどころです。
わんこさん、これからもどうぞよろしくお願いします。 わんこさんにとって2003年がとってもいい年になりますように。 (この新年の挨拶は1月31日までに書きこまれた方にお届けしています。)
関連テーマの「世界の右と左」はこんな言葉から始まります。
「日本語を見てみると、高低、明暗、強弱、大小、多少、少年少女、男女、老若、先輩後輩、上中下、松竹梅、前後、表裏などといった熟語は過去に優位と見られていたものが先に来て、それに次ぐとみられていたものがあとに続いているようだ。」
今考えてみると、日本語にもなっている、この中国語から来た言葉群は「陽+陰」の語順になっているのではないでしょうか。「世界の右と左」もよろしかったらご覧ください。
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