Multiculturalpedia
異なる文化を楽しみながら学ぶ事典

世界の名前

 世界の家族同姓・別姓
「やまと たける」と「タケル ヤマト」と「タケル」と「おタケさん」

 日本語の人名には姓と名がある。名前は個人を表し、姓はその個人が属している家族名を表す。今ここでファミリーネームが「ヤマト」で、名前が「タケル」という人物がいたとする(同姓同名の方、申し訳ありません)。世界の言語を見ると、苗字と名前の語順は「苗字+名前(ヤマト タケル)」もあるし、「名前+苗字(タケル ヤマト)」の語順もある。また、姓を使わずに名前(タケル)だけを使っているところもある。他にもあるかもしれない。例えば姓名は通常使わずニックネーム(おタケさん)で呼んでいるとか。

 日本で「ヤマトくん/さん」と呼ばれていた人がある事情で日本を離れ、「タケルくん」と呼ばれるようになったら、その子はどうなるだろう。家族(集団)の一員ということは日本ほど意識しなくなり、いろいろな場面で自分が一人の人間である(個人)ということを強く意識していくようになるのじゃないだろうか。姓が先がいいか名が先がいいか、これはどちらがいいと言えるものではない。しかし、人は生まれながらにして「文化」という染料に知らないうちに染まっていくということは言えそうだ。

 老幼の順で兄弟姉妹を兄姉と弟妹と呼び分ける文化もあるし、区別しない文化もある。人生の先輩を敬うべきだとする文化もあるし、年齢の順を意識しない文化もある。敬語が発達している、していない、一家心中が存在する、しない、親と同居する、しない、結婚後の名前、子どもの名前・・・姓名の語順とその文化の家族に対する考えなど、人を呼ぶ言い方が個人に対する考えになにか影響を与えないだろうか、文化にある傾向を帯びさせないだろうか。何らかの関係はないだろうか、そう思っていろいろな文化の姓名の語順を調べてみることにした。

 「日本語は世界一むずかしいことば?」(吉田智行 アリス館)にいろいろな文化圏の自己紹介の仕方が紹介されている。それによると、

「ヤマト タケル」型(姓+名)は、
 日本語、韓国語、中国語(北京、香港)、タイ語、タガログ語、インドネシア語、セイロン語

「タケル ヤマト」型(名+姓)は、
 フランス語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語、ドイツ語、オランダ語、デンマーク語、スウェーデン語、ロシア語、スワヒリ語、ヒンディー語

となるそうだ。「日本語は世界一むずかしいことば?」(吉田智行 アリス館)は他にもいろいろなことがおもしろい視点でいっぱい紹介されている。ぜひ手にとってご覧ください。

Multiculturalpedia
多文化理解事典
戻る

NEW
世界の「姓名」「名姓」とミドルネーム

   「姓名」・「名姓」については国語審議会が先ごろローマ字の日本人の名刺には「姓・名」の順にしたいという提言が紹介されました。天声人語、編集手帳ともに賛成を打ち出していましたが、
Multiculturalpediaでもこの問題を考えたいと思います。まず、実態を調査したいと思ってたくさんの人々にご協力をいただいて調査を開始しました。

 以下はMulticulturalpediaの現在までの調査結果です。間違いやまだ不十分なところが多いのでぜひ世界中のあちこちにお住まいのみなさんに助けていただきたいと思います。

 名前にもいろいろな形態があります。
 姓と名前がある文化圏もあれば、ミドルネームがある文化圏、名前だけがある文化圏もあれば、名前をめったなことでは知らせない文化圏、姓名に特別な思いを寄せる文化圏があります。世界ではどうなっているのか、実態に迫ります。


☆「マツモト キヨシ」型(姓+名)は、
 韓国語(「姓+名」で必ず呼ぶ、名字だけで呼ぶのは大変失礼なことだとされている)、カンボジア語(ミドルネームがある人もいるが多くない。普通は、名前で呼び合っている。正式に呼ぶときは「姓+名」で、名字だけで呼ぶことは韓国同様喜ばれない)、セイロン語、中国語(北京、香港)、日本語、マジャール語(ハンガリー)、ベトナム語(姓+ミドルネーム+名)、ロシア語(「名・姓」型に入る面もある)、ベラルーシ語、ウクライナ

☆「キヨシ マツモト」型(名+姓)は、
アラビア語(「名前+父の名+祖父の名」キヨシ型に入れたほうがいいかもしれない)、イタリア語、オランダ語、スウェーデン語、スペイン語、スワヒリ語、タイ語(普通は名前で呼び合う)、デンマーク語、ドイツ語、トルコ語、ヒンディー語、フィリピノ語、フィンランド語、フランス語、ポルトガル語、マレー語

☆「キヨシ」型(名)姓を使わない
アラビア語(「名前+父の名+祖父の名」「キヨシ マツモト」型に入れるべきか迷う)、インドネシア語(一部では姓も使う)、現代のモンゴル人



Multiculturalpedia
多文化理解事典
戻る

NEW
ネパールの名前1

   中国の大學に留学しているネパール人学生にOm君、Krishna君がいました。どういう意味かを聞くと「みんな神様の名前だ。」という答えでした。



 2001年4月30日(月) 稲垣恵美子さん
   稲垣恵美子さん、Multiculturalpediaの制作に参加してくださってありがとうございます。

 名前、命名はほんとうに奥深いものがありますね。日本にも有名人や偉人にあやかってつける場合がありますね。聖書に出てくる天使「ミカエル」は「マイケル」、「ミヒャエル」などいろいろな国で名付けられているようです。子どもたちの間で人気の「ポケモン」「デジモン」も「ドラえもん」にあやかって付けたのかもしれませんね(2002年3月に違うと教えていただきました。「ポケモン」は「ポケットモンスター」から、「デジモン」はたぶん「デジタルモンスター」からだそうです)「名前」についていろいろと考えるきっかけを与えてくださってありがとうございます。
 稲垣さんの文章を読んだ世界中のいろいろな方々が思いをめぐらし、このトピックが発展していくことと思います。

 どうもありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

Multiculturalpedia
多文化理解事典
戻る
サンチェス・ビカリオ選手の「苗字」 

 名前について考えている人は多いだろう。自分の名前が好きな人、嫌いな人。結婚して名前が変わって不便に思ったり、喜んでいる人、産まれた子どもに名前をつけようとしている人。「夫婦別姓」について考えている人も多いだろう。考えている人は日本だけじゃない。世界でたった一人の自分や相手を指し示す「名前」には求めれば求めるほど人の生活を豊かにするものが返ってくるような気がする。世界の名前のエピソードを紹介していく中で「名前」をいろいろな視野から眺めていき、みなさんと一緒に生活や心を豊かにしていけたら、と願います。
 今回はこんな素敵なエピソードを寄稿していただきました。

★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
 テニスのグランド・スラムの最後を飾る「全米オープン」が 今月(98年8月)下旬ニューヨークのフラッシング・メドーズで始まります。世界のトップ・プレーヤーがニューヨークに結集して 華麗なるプレーを見せてくれるのですが この2週間の大会が終わると ニューヨークに秋風が吹き始めます。
 まさしく夏の最後を飾るにふさわしい大会なのですが ニューヨーク在住の間は毎年連日のように観戦に出かけていました。東京に戻ってきてからは もっぱらテレビ観戦ですが 実際にスタジアムで観る臨場感と云うか迫力にはとうていかないません。

 アメリカ人は ナイス・ファイトのプレーには 惜しみない拍手をします。男子のマイケル・チャン 女子のアランチャ・サンチェス・ビカリオはともに小柄なのですが 脚力を活かし どこまでもボールを追いかけて行きます。

 さてサンチェス・ビカリオ選手ですが 彼女はエントリーをする時に 必ず苗字を

Sanchez-Vicario
と ハイフンでつなげます。
私の大好きだったクリス・エバートも 一時
Evert-Lloyd
でしたが これは彼女がイギリスのジョン・ロイド選手と結婚していたからです。この旧姓を新姓につなげる様式は昨今 結婚後も仕事を続けるアメリカ人女性の間ではよく使われるようになってきました。さらにエバート選手に至っては 離婚を機に ロイドをはずし 引退した時も 今なおコメンテーターとしてアメリカのテレビに登場する時も
Chris Evert
になっています。
 ところがサンチェス・ビカリオ選手の場合 Sanchez は 彼女のお父さまの苗字。そして Vicario は お母さまの苗字です。

 マイケル・チャンとともに 1989年の「全仏オープン」を当時の最年少として優勝した頃からでしょうか。彼女は今自分がテニス界で活躍できているのは お父さまのお蔭であると同時にお母さまのお蔭でもある。だから 単にサンチェスではなく サンチェス・ビカリオとしてプレーすると云うのです。
 ちなみに 彼女には男子テニス界で活躍する兄弟が二人いますが 二人とも エミリオ・サンチェス そして ハビエ・サンチェスと お父さまサイドの苗字のみでプレーしています。
 観客席に設けられたプレヤーズ・ボックスで お嬢さんのことを一心に応援しているマダム・サンチェスの姿を見るたびに 何とも云えない温かい気もちになります。
今年(98年)の全米オープン。 サンチェス・ビカリオ選手はどんな活躍をしてくれるのでしょうか。楽しみです!


Multiculturalpedia
多文化理解事典
戻る
NEW
ロシア1、ベラルーシ1、ウクライナ1

   えーと、このテーマについて「姓+名」型の国と「名+姓」型に分類しており、ロシアは「名+姓」型に入っていました。でも、これは間違いだと思います。ロシア、ベラルーシ、ウクライナでは普通「姓+名」です。

例えば公式の書類に氏名を記入する時は必ず「姓+名」になります。さらにこの後ろにミドルネームをつけます。

本の作者名もまず姓で、その後、名前とミドルネームのイニシャルがきます。

そんなわけで「姓+名」型に入ると思います。

ただ、日本のように姓+さんという言い方はあまりしません。名前だけ、あるいは名前の愛称形(XXちゃん)や、名+ミドルネームで呼ぶことが多いです。

特に目上の人やお年寄り、上司などは名+ミドルネームで呼ばないと失礼に当たります。

それから、ベラルーシ、ロシア、ウクライナでは名前のバリエーションが少なく、同じ名前の人がすごくたくさんいます。そのため、学校などたくさん人がいるところでは「名+姓」で呼んで誰のことを指してしるのか、特定します。

ですから、あながちロシアは「名+姓」型に入らない、とは言い切れないのですが・・・。

それから、二重姓、夫婦別姓はベラルーシでは認められています。でも、二重姓は大変少ないようです。



 2000年 7月7日(金) 「ベラルーシの部屋」のTさん
   ありがとうございました。こちらが間違えていると申し訳ないので、もう一度『日本語は世界一むずかしいことば?』(吉田智行 アリス館)を開いて確認しました。写し間違えだったら解決だったのですが、「山田太郎」さんの自己紹介は ミェニャー ザヴート タロウ ヤマダ となる(つまり「タケル・ヤマト型)と書いてありました。とすると、この本が間違っているんだな、と思ってインターネットで確認してみようとしました。すると、この本で見たとおりの会話文が現れました。

 ベラルーシのTさんが書かれていることをもう一度読み直しました。どうしてもベラルーシのTさんが間違っておっしゃっているように思えません。とすると、・・・。ベラルーシのTさんも吉田智行さんもどちらも間違っていなくて、どちらも正しいということがあるのではないでしょうか。英語は「名前+姓」、つまり「タケル・ヤマト」型の言語ですが、英語の電話帳では「Yamato, Takeru」(姓,+名前)となっているように、ロシア語も公式文書、書籍などの場合には「姓+名前」の語順になるのではないでしょうか。そうでないと、Johnという名前はそれこそ山ほどあるでしょうし、イワンという名前もいっぱいあって実用的ではないのではないでしょうか。

 そして、実際の会話では「名前+姓」で呼ばれている、というのであれば万事解決なのですが。 ロシア語をかじったことがある人に聞くと、ロシア語の「なまえ」は「名前」と「姓」だけからなるものでなく、「名前」と「父称」と「姓」からなるそうです。そしてそれに愛称で言う場合が加わるそうです。

 『カラマーゾフの兄弟』(ドストエフスキー著 原卓也訳 新潮社)を読んでいると、カラマーゾフの三男はいろいろな名前で登場する。この物語はロシア語の名前の言い方がわかればもっと楽しめる読み物だろう。これから読む人のために筋がわからないように主人公の名前が書かれている箇所を取り上げてみる。

 物語の語り手は最初は「アレクセイ」として紹介し、次に親しみを込めて愛称の「アリョーシャ」で呼び替え、いじめられる場面では「アリョーシカ・カラマーゾフ」と卑称感のある呼び方を用いる。幼馴染みのリーザのお母さんは「アレクセイ・フョードロウィチ」と呼び掛け、リーザ自身は彼のことを「アリョーシャ」と呼んでいる。語り手は「アリョーシャ」と呼んでいる。そしてゾシマ長老は好んで彼のことを「息子や」と呼び掛けた。「きわめて懇意な仲で、親しいといってもいいほどの神学生」ラキーチンも彼のことを「アリョーシャ」と呼んでいるが、彼から侮辱を受けたと思ったときは「アレクセイ君」と憤慨して言っている。父親フョードルは改まって人前で話すときは「(せがれの)アレクセイ」と呼び、激昂してくると「(せがれの)アリョーシャ」に変わったり、戻ったりする。この小説には「自分の名の日(の祝い)」も登場し、興味深い。ロシアにはそういう日があるのだろうか。長男のミーチャ(ドミートリイ)からも二男のイワンからも「アリョーシャ」と呼ばれている。陽気にしていたフョードルが難しい顔つきになって、神があるか、不死があるか、と聞くときは「アリョーシカ」になり、このあと、父親は取り乱し、「アレクセイ」、「アリョーシャ」、「アリョーシカ」とさまざまに呼ぶ。

 カテリーナは彼と話すときは「アレクセイ・フョードロウィチ」と呼ぶ。そして、カテリーナが彼をグルーシェニカに紹介するときは「アリョーシャさん」と紹介し、彼に話すときは「アレクセイ・フョードロウィチ」と呼んでいる。

 そして、紹介されたグルーシェニカも最初は彼のことを「アレクセイ・フョードロウィチ」と呼ぶ。

 それから二人の女性はケンカになり、グルーシェニカは彼のことを「アリョーシャ」と呼び替え、「アリョーシェニカ」という呼び方までする、一方カテリーナは「アレクセイ・フョードロウィチ」という言い方を守る。

 ホフラコワ夫人は「アリョーシャ」と呼んだ後、あわてて(あら、ごめんなさい、アレクセイ・フョードロウィチ、心やすくアリョーシャなどとおよびしたりして)と言っている。

 子ども達が彼に石をぶつけたとき、子ども達は彼のことを「カラマーゾフ」と呼んでいる。

 彼はスネギリョフの家を訪ねたとき、名のる際に「僕・・・・・アレクセイ・カラマーゾフという者で・・・・・・」と自己紹介をしている。

 スネギリョフが彼を妻に紹介するとき、「こちらがアレクセイ・フョドロウィチ・カラマーゾフさん」と言っている。そして、彼に話し掛けるときは「アレクセイ・フョードロウィチ」と言っている。

 グルーシェニカはラキーチンと彼を前にして「アリョーシャ」、「アリョーシェチカ」と呼んだ。

 長男のミーチャ(ドミートリイ)は「アリョーシャ」「アリョーシカ」とも呼ぶ。

 エピローグで彼に子ども達が「カラマーゾフさん」と言う。

Multiculturalpedia
多文化理解事典
戻る
NEW
カナダ1

   英語圏では多くの場合は「名姓」の順で表記します。ミドルネームがある場合は、間に挟みます。

 しかしカナダで生活していて、ミドルネームを正式な書類以外で見たことはほとんどありません。5年以上付き合いのある友人にミドルネームがあることを知ったのは、つい先日のことです。

 それとカナダでは正式な書類、たとえば運転免許証、各種申請書類等に名前を書くときは「姓名」の順で表記します。そのときはたいてい「LAST NAME( ), FIRST NAME( )」のように指定がされています。

 隣国アメリカ合衆国等の他の英語圏でどうなっているかはわかりませんが。

 2001年10月24日(水) MEさん
   MEさん、ありがとうございました。一人ひとりの実際の体験をもとに生きた多文化理解辞典をつくっていくのが私たちの夢です。ミドルネームの習慣のない文化圏の人間にとってはミドルネームは不思議に感じます。これから少しずつ学んでいきたいと思います。みなさんもこの旅にどうぞお付き合いください。

 掲載順序が不同になってしまい申し訳ありません。以前にいただいたみなさんからの情報も必ず載せさせていただきます。

Multiculturalpedia
多文化理解事典
戻る
NEW
カナダ2

   もうひとつ、カナダでは相手が目上であっても、ほとんどの場合ファーストネーム(名前)のほうで呼び合います。

 たとえば大学の教授に対してもファーストネームを使い、「Dr.○○」のような呼び方はあまりしません。 誰かに友達を紹介するとき、自己紹介をするときには、ファーストネームだけを言う場合も多いので、親しい人以外は苗字を知らないこともあります。

 繰り返しますが、隣国のアメリカ合衆国でどの様になっているかはわかりません。カナダは様々な側面でアメリカ合衆国と同様に扱われてしまうことも多く、カナダ人はそれをとても嫌います。ことあるごとに「アメリカはアメリカ、カナダはカナダ」と主張します。ですからあくまでもカナダでの様子と理解してください。

 2001年10月24日(水) MEさん
   MEさん、ありがとうございました。「カナダは様々な側面でアメリカ合衆国と同様に扱われてしまうことも多く、カナダ人はそれをとても嫌います。」とても大切なことですね。日本では家族を年下に対してはファーストネームで呼びますね。しかし、年上には「お兄さん」「お姉さん」「お父さん」「お母さん」「お爺さん」「お婆さん」のように年齢や関係に応じた呼称に変えなければなりません。ファーストネームで呼ぶとその人との距離がとても近くなり、親近感がわき、肩の力が抜け、くつろいだ感じになるような気がします。年上に敬意を払うにはファーストネームではなれなれしく聞こえて無理なのかもしれません。だから学生がわざと仲間同士では先生の名前を「○○ちゃん」と呼んだり、教室では学生を「キムラ」と呼んでいる部活の顧問の先生も「タクヤ」などと学生を呼んだりすることがあるんでしょうね。
Multiculturalpedia
多文化理解事典
戻る
NEW
『日本語は世界一むずかしいことば?』1

   もうひとつ。
 ご存知かと思いますが、貴HPで参考にされている『日本語は世界一むずかしいことば?』(アリス館)の著者、吉田智行氏は理論言語学者です。

 現在は東京にある国際基督教大学教養学部語学科の教授をなさっています。成蹊大学卒業後、国際基督教大学大学院で修士号取得、米国コーネル大学で博士号取得だったと記憶しています。専門は、生成文法論、特に統語論の研究です。

 なぜこんなに詳しいかというと、国際基督教大学に在学中、彼の授業を受けたことが あるからです。もっといえば、私は言語学のイロハを彼から教わりまして、在学中は親しくさせてい ただいておりました。著書である『日本語は世界一むずかしいことば?』のことも、なんどかお話されてい ました。

 まだ若く活動的で、楽しい授業をなさる方です。

 2001年10月24日(水) MEさん
   MEさん、ありがとうございました。MEさんはいい先生に出会われましたね。

 『日本語は世界一むずかしいことば?』は難しいことを噛み砕いてとてもやさしく書かれていて、学問の楽しみ、喜びが読む者の心に湧いてくる、とてもいい本だと思います。勉強ってホントは楽しいもんなんだ、ということを伝えてくれる好著だと思います。子ども達から大人まで多くの人に読んでいただきたいと思います。そして読んだら、ぜひご感想をこちらにお寄せください。Multiculturalpediaはこの本のunofficial supporterにならせていただきます。

Multiculturalpedia
多文化理解事典
戻る
NEW
英語論文表記1

   英語圏での学問の世界、私が知っている限り心理学の分野では、著者名、研究者名を表記するときは、「姓名」の順です。

 これは国際的な心理学論文の表記法の標準であり、様々な社会科学の分野でも基準のひとつとなっているアメリカ心理学会の論文作成マニュアルで指定されています。
 たとえばジグムント=フロイト(名姓)の1894年の著作の場合、本文中の表記は「Freud(1894)」となり、後ろに付け加えられる引用文献リストでは「Freud, S. (1894).」となります。名前の部分はイニシャルのみの表記となるので、論文を読んでいる限りフルネームはおろか性別すらもわかりません。

 英語論文表記マニュアルは、ほかにMLA(英語論文一般)やChicago Style(歴史学・文学)が有名ですが、MLAでも苗字が先に来るようです。一方、Chicago Styleでは名前の方が先に書かれます。



 2001年10月24日(水) MEさん
   MEさん、ありがとうございました。とっても大切な情報をいただきました。感謝しております。
Multiculturalpedia
多文化理解事典
戻る
NEW
オランダ1

 今日はオランダの名前に関して見聞したことを書かせていただきますね。

 オランダ人の名前はこちらの項目にも紹介されている通り「名姓」の順です。ミドルネームを持つ人もいて電話帳を見ていると3つぐらいイニシャルが並んでいることが多いです。王室関係者には10以上の人もいるとか。

 日常生活では苗字より名前で呼び合うことが一般的で、職場ではたとえ上司でも例外ではないそうです。以前流行ったオランダ人の特徴を列挙した歌に「父親をピート(人名の例)と呼ぶ国」「ボスがボスでない国(ボスが権威をふりかざさない国)」というフレーズがあり、なるほどと思いました。

 誰かの苗字を言う必要があった時にすぐに思い浮かばないことがあるのは日本で逆に「○○さんの名前は何だったかしら?」と一瞬考えてしまうのと似ていて面白いです。もっとも年配者の中には「昔は年上の人は○○さん、と苗字で呼びかけたものなのに今の子は名前を呼び捨てにする。」と言う人もいるので時代による変化もあるのかもしれません。

 名前は愛称を使っていることが多く、大半の名前の元になっている聖人名やその
バリエーションに疎い私などは本名を推測できません。先日もヴィッキーだと思っていた女の子がお父さんに怒られてきつくヴィクトリアと呼ばれているのを聞いて初めて本名を知りました。習い事の先生も本名はパトリシアですが自己紹介も連絡の手紙も生徒から呼ばれる時もすべてパットです。どうも愛称と本名の使い分けの基準がわかりません。名前事情に詳しい方がいたら是非教えていただきたいものです。

 名づけ方について年配の方が故郷のオランダ南東部の町では昔は聖人か親族(祖父など)にちなんだ名前しかつけられなかったのだと教えてくれました。今はそんな制約も無くなり、両親は外国風でも何でも好きな名前をつけられるとのことです。

 事務的な書類では「姓.名」順に記入することもありますが、いずれにしても名前はイニシャルのみを書くことが多いという印象です。

 ではまた。



 2002年1月6日(日) みやさん
    「オランダの名前に関して見聞したことを書かせていただきますね。」
 ありがとうございます!!Multiculturalpediaで欲しているのはまさしくこんな自分の眼で見た、実際に経験した、活き活きした情報なんです。百科事典のように客観的で体温が伝わってこない記述でなく、もっと自分が出たレポートなんです。それは、自分が大好きな土地、たとえば故郷を自分の言葉で思いっ切り描写した文章と百科事典の記述とを比べてみればすぐわかることです。Multiculturalpediaが求めているのは前者です。自分の目で見て、自分の心で感じたことをストレートに伝えていただきたいと思います。その文化圏の中での多様性を見逃さないように、他の世代ではとか他の地域では、といったように紹介してくださったみやさんに改めて賞を贈りたい気持ちです。これもMulticulturalpediaでは大切にしたい視点だからです。お正月といっても日本各地でさまざまな風習があるのに、まるでどこも同じ祝い方をしているように紹介されることが多いのですが、この事典では実際の姿に沿って「日本1」「日本2」と紹介していくつもりです。

 「どうも愛称と本名の使い分けの基準がわかりません。名前事情に詳しい方がいたら是非教えていただきたいものです。」
 愛称と本名の使い分けの基準、ちょっとでもご存知の方、関心がある方、ぜひコメントをください。

 みやさん、今年もどうぞよろしくお願いします。みやさんにとっていい年になりますように。
今年がいい年になるようにMulticulturalpediaも役割を果たしていきたいと思います。

Multiculturalpedia
多文化理解事典
戻る
NEW
同じ名前について(兄弟で同じ名前)

 初めまして。
ヤフー検索中にたまたまやってきました。
そんがんです。

質問なのですが、イギリスでは昔、兄弟で同じ名前をつけることがあり、
そのため愛称が発達したというのは本当でしょうか。
ヒッチコックの『疑惑の影』という映画では叔父さんと姪が
同じチャーリーという名前をつけられていますよね。
同じ名前をつけるというのは不便な気がしますが、どうなんでしょう??
どなたか御存じの方がいらっしゃれば、教えて下さい。

 2002年9月28日(土) そんがんさん
   そんがんさん、Multiculturalpediaの制作に加わっていただきありがとうございます。
おもしろいですね。ぜひご存知の方、教えてください。
名前は考え始めるとどこまでも奥が深いものですね。

職場やクラスやクラブに、同じ姓の人、例えば鈴木さんや佐藤さんが、それぞれ2人も3人もいたらどうするでしょう。

区別して示すためには、部長の鈴木さんとか、テニスがうまい鈴木さんとか、京都出身の佐藤さんとか、足が長い佐藤さんとか言えますが、まだるっこしくて実用的ではありません。こんなときどうしているのでしょう。鈴木一郎さんとかイチローさんとか自然にニックネームが必要になってくるのでしょうか。そう考えると同じ名称に対して愛称が生まれたという説はありえそうな気がしますがどうでしょう。ご存知の方、ぜひ教えてください。

BillはWilliamの愛称ですが、Microsoftの Chairman and Chief Software Architectのウィリアム・H・ゲイツ(William H. Gates)氏は、ビル・ゲイツ(Bill Gates)氏と呼ばれ、クリントン(H.E.William Jefferson Clinton)元大統領はビル・クリントン氏と呼ばれ、ウィリアム・シェークスピア(William Shakespeare)はビル・シェークスピアでなく、ウィリアム・シェークスピアなんですね。
Multiculturalpedia
多文化理解事典
戻る
NEW
誕生日(オランダ1)

 定期的に拝見していたのですが、なかなか書き込むまでに至らず、「ひろば」参加はご無沙汰しておりました。以前の書き込みもそれぞれのページに掲載していただいているのにお礼が遅くなり失礼いたしました。いつもどうもありがとうございます。

 こちらを拝見していて参加したいテーマがたくさんあるのですが、今日は少し前の Re JOYEUX ANNIVERSAIRE(『万国共通』)の「日本では少し前まで個人の誕生日を祝うのは一般的でなかった」というコメントに思い出した話を書かせていただきます。

 オランダにいた時に習い事のグループのオランダ人女性から「日本では誕生日を祝うの?」と聞かれたので祝うけれど、多分それは西洋の影響で昔は個人の誕生日でなく新年にいっせいにお祝いしていたと私は答えました。
 するとその女性は「そういう風に生まれた日以外にお祝いする例を知っている。」と言って他のオランダ人たちも話に加わりながらこのように話してくれました。
 主にカトリックの国だと思うけど、と前置きをして地域によっては名前にしばしば聖人の名をつけるが、それぞれの聖人の誕生日がちゃんと決まって(わかって?)いるので、そういう所では自分の生まれた日ではなく名付けられた聖人の誕生日にお祝いをするということでした。

 つまり自分が生まれた日が誕生日の聖人の名が付けられた場合以外は個人の誕生日と違う日に祝うということになるわけですね。私にとっては新鮮でとても得した気分になれた話でした。
 この話を知らなかったら例えばそういう習慣の所の人と友だちになって誕生日をお祝いしても、よもやそれが本当に生まれた日と違うかもしれないなんてきっと考えもしません!
 「外国に外国人として暮らして」良かったのはこんな風に自分の国の話が変に驚かれることも無く、むしろそれがきっかけで文化の多様性に慣れている人からオランダや他の地域の似ている点を教えてもらうことが多く新しい興味を喚起されたことでした。

 例えば大晦日ネタもありました。(ちょうど時期なので。)
 オランダ(や近隣国)では大晦日というか新年0時になると
同時に盛大に花火を上げる習慣があります。(個人で大きな
打ち上げ花火を何発も上げたりもします。)
 近所のオランダ人に日本での様子を聞かれて大晦日に除夜の鐘で108の煩悩を祓う話をしたら、この花火にも一年間に溜まった悪霊を大きな音でびっくりさせて追い払うという起源があると
話してくれたのです。何故花火を上げるか(それも景気良く)という理由がひとつ分かってすっきりしたと同時に、案外人間の発想は似ているのか、それとも遡ると同じルーツに辿り着くのかという疑問も湧きました。
 その人は同じ悪いもの祓うのにも12時をはさんで前か後で面白いと言っていました。この時間の違いは何でしょうね???
 日本の誕生日の変化も含めて、私もMulticulturalpediaさんがよくおっしゃっているようにゆっくりと調べたり、忘れたり何かのきっかけでまた思い出したりしながら解る時が訪れるまで頭の片隅に
残しておこうと思います。

 2002年12月9日(月) みやさん
   みやさん、いつもありがとうございます。

「地域によっては名前にしばしば聖人の名をつけるが、それぞれの聖人の誕生日がちゃんと決まって(わかって?)いるので、そういう所では自分の生まれた日ではなく名付けられた聖人の誕生日にお祝いをするということでした。

つまり自分が生まれた日が誕生日の聖人の名が付けられた
場合以外は個人の誕生日と違う日に祝うということになるわけ
ですね。私にとっては新鮮でとても得した気分になれた話でした。
この話を知らなかったら例えばそういう習慣の所の人と友だちに
なって誕生日をお祝いしても、よもやそれが本当に生まれた日と
違うかもしれないなんてきっと考えもしません!」(みやさん)

うーん、おもしろいですね。

ミャンマー(ビルマ)の方が彼の国ではみんな自分の誕生日の曜日を覚えているという話をしてくれたことを思い出しました。この曜日も何かきっと意味があるんでしょうね。この謎も将来解決されることと思います。

「オランダ(や近隣国)では大晦日というか新年0時になると
同時に盛大に花火を上げる習慣があります。(個人で大きな
打ち上げ花火を何発も上げたりもします。)
近所のオランダ人に日本での様子を聞かれて大晦日に除夜の鐘で
108の煩悩を祓う話をしたら、この花火にも一年間に溜まった
悪霊を大きな音でびっくりさせて追い払うという起源があると
話してくれたのです。何故花火を上げるか(それも景気良く)と
いう理由がひとつ分かってすっきりしたと同時に、案外人間の
発想は似ているのか、それとも遡ると同じルーツに辿り着くのか
という疑問も湧きました。」(みやさん)

自分の恋人を、大切な家族を、かけがえのない子どもを、親を、友人を互いに殺されて、出口の見えない泥沼の争いに巻き込まれている方々も、この多文化理解事典を訪れてくださっています。いただくメッセージを読んで、無力さを思い知らされてきました。

みやさんの文章を読んで、なんだか元気が出てきました。

Multiculturalpedia(多文化理解事典)は訪れる方々に、文章の行と行の間から、ページとページの合間から、

"We are they, they are us."(「私たちはぜんぜんつながりがないと思っていた人達と実はつながっていた」)

というメッセージが感じられる事典に育てていきたいと願います。

みやさんにとって2003年がとってもいい年となりますように。
Multiculturalpedia
   異なる文化を楽しみながら学ぶ事典
戻る

NEW
生まれた日の曜日と名前 タイ1

 ミャンマーと同じく、お隣のタイでも、自分の生まれた日の曜日を知っていると聞いたことがあります。私の知人も皆、知っていました。
また、ガーナでは、生まれた曜日によって、つけられる名前が決まってる(一つだけじゃなく、何種類かあるんだったかな)と聞いたこともあります。だから、名前を聞けば、その人が何曜日生まれか分かるそうです。

 2003年1月11日(土) なおこさん
   なおこさん、いつもありがとうございます。

おもしろいですね。ミャンマー(ビルマ)でも曜日で名前をつけるそうです。名前から何曜日に生まれたか、男性か女性かということがわかると教えてもらいました。曜日によって選ぶ音の選択肢がいくつかあってそこから選ぶそうです。

 「誕生日」「伝統」「曜日」「名前」「習慣」「宗教」などバラバラなものと思っていた1つひとつのものを、繋げている見えない糸が少しずつ見えてきたのを感じます。

 多文化理解のおもしろさのひとつって、きっとここにあるんですね。

 関係がない、繋がりがない、全然別のものだと思われていたことやものが、事象の奥底で繋がっていたり、普通の人には見えない糸で繋がっていたりすることをこの事典は将来きっと明らかにしていけるのではないかと期待しています。

 それはモノだけでなく、コトだけでなく、世界中の人々についても言えることだと思っています。
Multiculturalpedia
多文化理解事典
戻る
 「世界の名前」についてのご感想、情報など何でも、ひろばに寄せていただければありがたく存じます。

Home