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「世界の『鬼のいぬまに洗濯』」

 どの文化圏にも、それぞれの土地柄、気候、宗教、身近な動物・植物・道具・飲食物などを使って、うまく言い表した経験則のようなものがあることだろう。人々の毎日の暮らしの中から生まれた諺は、文化圏によって装いは違っても、その中身はけっこう似ているのではないだろうか。

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ドイツ1

  外国に住むドイツ人の友人を訪ねた時、友人が私に言った。
「今日から主人はドイツへ出張なの。月曜日には日本食パーティーよ。
 WENN DIE KATZE AUS DEM HAUS IST, TANZEN DIE MAEUSE AUF DEM TISCH.
 (MAEUSE=MAUSの複数形)
 (猫がいなくなると、テーブルの上でねずみたちがダンスする。)」
 御主人がいないときに、パーティーを催す理由がわかった。(私たちはねずみってわけ?)
 それに相当する日本の諺は、「鬼のいぬまに洗濯」と思いついたのだが・・・。
 「洗濯」という言葉が単に「労働」という意味にとられそうなので、ドイツ語に翻訳するのをやめた。

 そのあと、辞書で調べると、ここでの「洗濯」は「日常の仕事などから離れて気分を一新したり、からだの疲れをいやしたりすること。(『大辞泉』 小学館)」という意味で、「命の洗濯」のこと。
 「鬼のいぬまに洗濯」は「こわい人や気づまりな人のいない間に、十分くつろくごとのたとえ(『国語大辞典』学習研究社)でした。

  草野さん

  どうもありがとうございました。

 明治維新の立役者、坂本龍馬の書簡集にも、「洗濯」という言葉が出てきます。
 「日本を洗濯したい(原文 「日本を今一度洗濯いたし申し候事にいたすべくとの神願にて候」)」なんとも壮大な話しっぷリです。「洗濯」という言葉は現代よりももっと大きな広がりをもった、素敵で、胸がすく、爽快な語感を持つ言葉だったのかもしれませんね。

 「世界の『鬼のいぬまに洗濯』」についてのご感想(一言でも)、情報(この文化圏ではこんな言い方をする)など何でも、ひろばに寄せていただければありがたく存じます。

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