Multiculturalpedia
異なる文化を楽しみながら学ぶ事典

「世界の右と左」

 

はじめに

 日本語を見てみると、高低、明暗、強弱、大小、多少、少年少女、男女、老若、先輩後輩、上中下、松竹梅、前後、表裏などといった熟語は過去に優位と見られていたものが先に来て、それに次ぐとみられていたものがあとに続いているようだ。

 改めて考えてみると、この中国語から来た語順は「陽+陰」の順になっているのではないだろうか。

「世界の太陽・月の呼ばれ方(世界の男性名詞、女性名詞、中性名詞)」ではこのことについてこうふれています。

「古代の中国の思想の1つ、陰陽五行説では、万物を「陽」のもの(日、天、春、昼、明、南、動、男)と「陰」のもの(月、地、秋、夜、暗、北、静、女など)に分けていましたが、お日様はその最たるもの、根源のもので、「太陽」と命名されたのでしょうか。また、夜の月は日本では「太陰」とは日常会話では呼ばれませんが、新しく入ってきた「太陽暦」に対する、従来の暦、「太陰暦」に名をとどめています。古代中国のこの陰陽五行説の影響は他のページでも触れていますが、現代日本の随所に見られます。」

もしこの推論が正しいとすれば、日本の随所に見られるどころか、日本語を使う人が自覚しているかどうかにかかわらず、日本語はこの思想の影響をたっぷり受けているようです。ちょうど今、現代日本語がカタカナ語にどっぷりと漬かっているように。

全然関連がありそうにないと思っていたテーマが結びつくことが、この多文化理解事典では数多くあり、驚きます。

 でも、ここで「おやっ」と思うことがある。「左右」にもこのことは当てはまるのだろうか。「ラケットを持たせたらあの人の右に出るものはいない。」という言葉からすると、日本語では「右」が優位だったのではないだろうか。「サユウ(左右)」は中国の序列なのだろうか。「左」が陽で、「右」が陰とされているのだろうか。日本では「右左(みぎひだり)を見てから渡りましょう」という言い方がある。「サユウ(左右)」だけでなく、「右左(みぎひだり)」という言葉があるのはこのへんのところが鍵を握るということを意味しているのではないだろうか。昔の左大臣、右大臣はどちらが位が高かったのだろう。中国では「左」が優位なのだろうか。それとも「左遷」という言葉があるようにやはり下位を示すのだろうか。

 右利きと左利きの数から言うと、右利きのほうが圧倒的に多い。でも、だからといって、地球上のあらゆる文化が右を優位とみなしていたらつまらない。本当はどうなのだろうか。

 ひな人形の右と左、洋服のボタンの右前・左前、右翼と左翼、右と左にまつわるいろいろな文化圏の見方が知りたい。
NEW
ベラルーシ1

  日本のような右に出るものはない、という言い方はありません。でも「左」という言葉に「裏」とか「副」とかいう意味があります。
例えば「左の職業」というのは「副業」「内職」「アルバイト」「非合法の仕事」という意味です。
服で「左側」というのは「裏地」のこと。
「左の車」は白タクのこと。
「今日、誰それは左足で立っている」というのは「機嫌が悪い」こと。
「左足のほしいままにする」というのは「気の向くままにろくでもないことをする」ということ。
「左足でする」はいいかげんに何かすること・・・です。
左にはろくな意味しかないのかというと、そうでもなくて、「左利き」には「器用」という意味もあります。



 2000年7月9日(日) 「ベラルーシの部屋」のTさん
   詳しく書いてくださってありがとうございます。
NEW
左党 左大臣・右大臣

 酒好きな人を左利きとか、左党といいます。酒を飲む時は左手で飲むのが礼儀だからです。右大臣左大臣では、左大臣の方が位が上です。





 2001年12月21日(金) 神鷲獅子さん
神鷲獅子さん、Multiculturalpediaの制作にご協力してくださってありがとうございます。

今後ともどうぞよろしくお願いします。

NEW
世界の右側通行・左側通行

 イギリスの方から「世界では車が左側通行の国と右側通行の国がある」という話を聞きました。彼は他にもこのMulticulturalpediaの主要部分をつくってくださっています。
 それから、英語版の方で別の方からまた同じテーマでの質問を受けました。
 さらに一昨日、オーストリアの方から「どうして日本は車が左側を走るのだろう」と聞かれました。イギリスもそうだと答えたら、ちょうどイギリスの方が遊びに来ているから聞いてみようと彼に言われました。そして、イギリスの方に聞くと彼の返事はこうでした。

 「昔、イギリスの騎士は左に剣をさして歩いていた。緊急時には右手でさっと剣を抜けるように左にさしておくのが右利きには便利で、たいていの騎士が右利きだったからだ。この騎士の間では左側通行がルールだった。もし左の腰に剣をさした騎士が右側通行をすると、騎士同士がすれ違うとき互いの左の腰にさした剣がぶつかり合ってしまい、すぐに決闘になってしまうから。その騎士道の伝統からイギリスでは車も左側通行なんだ」

  へえー、そうなんですか。でも、他のヨーロッパの国々はたいてい車は右側を走っていますよね。どうしてなんですか。

 「イギリスでは左側通行がルールだったが、ヨーロッパはナポレオンの出現で歴史が変わったんだ。ナポレオンは左利きだった。彼は剣を腰の右側にさしていた。今度は左側を歩くとぶつかることになってしまう。だから、他のヨーロッパは右側通行になった」 

 おもしろいと思いました。いつものように裏付け作業を開始することになりました。

 ナポレオンは左利きだったかどうか調べています。たいていの本はもっと大きな出来事を記していて、左利きかどうかなんて些末なことを書いた記録はまだみつけられません。どなたかナポレオンが左利きだったかどうかご存知の方はいらっしゃいませんか。

 車が左側を走る国はイギリス、アイルランド、オーストラリア、マレーシア、日本が挙げられます。

 どうして、イギリスの騎士道が発祥だとすると、イギリスと関係が深いアイルランドとオーストラリアはわかるけど、アジアのマレーシアがどうして、という疑問がわきます。

 マレーシアはいろいろな国々に占領、植民地にされてきました。ポルトガル、オランダ、イギリス、日本。イギリスはこの国の法規にもに深く影響したようです。

 では、日本は車がどうして左側を走るのか。日本は過去英国と同盟関係にあったことがあります(日英同盟)。日本と英国の歴史上の関係をもう一度振り返ってみたいと思います。

 こんな視点から歴史を語ったら、きっと学生達は歴史をおもしろいと思うのじゃないでしょうか。これをご覧の社会科の先生、Multiculturalpediaを使って楽しい授業をしてください(使用規定をご覧ください)。

 スウェーデンはヨーロッパの中でも左側通行だった歴史があるそうです。スウェーデンに住んでいらっしゃる方、スウェーデン人のお友だちがいらっしゃる方、ぜひ聞いて調べてください。よろしくお願いします。

 まもなく英語版のDriving on left or right on the road? の展開を日本語版でも始めます。これも長い楽しい旅になりそうです。どうぞお付き合いください。
 



 2002年3月1日(金) Multiculturalpedia(多文化理解事典)
NEW
右側が上位となるケースが多い理由

 日本においては右側が上位となるケースが多い理由としては、旧軍隊では成績のよい順に右側から並んだところからきています。
右側とは成績が優秀であること。上位であることをさしています。

 2003年1月23日(木) 1さん
   1さん、Multiculturalpediaの制作にご協力いただきありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
1さんにとってさん2003年がとってもいい年になりますように。
(この新年の挨拶は1月31日までに書きこまれた方にお届けしています。)


「世界の右と左」はこんな言葉から始まります。

「日本語を見てみると、高低、明暗、強弱、大小、多少、少年少女、男女、老若、先輩後輩、上中下、松竹梅、前後、表裏などといった熟語は過去に優位と見られていたものが先に来て、それに次ぐとみられていたものがあとに続いているようだ。」

今考えてみると、日本語にもなっている、この中国語の熟語は「陽+陰」のご順になっているのではないでしょうか。

これからページをつくって展開していく予定の「世界の太陽・月の呼ばれ方(世界の男性名詞、女性名詞、中性名詞)」ではこのことについてこうふれています。

「古代の中国の思想の1つ、陰陽五行説では、万物を「陽」のもの(日、天、春、昼、明、南、動、男)と「陰」のもの(月、地、秋、夜、暗、北、静、女など)に分けていましたが、お日様はその最たるもの、根源のもので、「太陽」と命名されたのでしょうか。また、夜の月は日本では「太陰」とは日常会話では呼ばれませんが、新しく入ってきた「太陽暦」に対する、従来の暦、「太陰暦」に名をとどめています。古代中国のこの陰陽五行説の影響は他のページでも触れていますが、現代日本の随所に見られます。」

もしこの推論が正しいとすれば、日本の随所に見られるどころか、日本語を使う人が自覚しているかどうかにかかわらず、日本語はこの思想の影響をたっぷり受けているようです。ちょうど今、現代日本語がカタカナ語にどっぷりと漬かっているように。

全然関連がありそうにないと思っていたテーマが結びつくことが、この多文化理解事典では数多くあり、驚きます。

英語版では"Driving on left or right on the road"(『世界の右側・左側通行』を展開していますが、こちらにはBrian Lubbertさんのご尽力で豊富なデータが集まっています。これも関係するかもしれません。

R Afghanistan R Albania R Algeria R American Samoa R Andorra R Angola L Anguilla L Antigua and Barbuda R Argentina R Armenia R Aruba L Australia R Austria R Azerbaijan L Bahamas R Bahrain L Bangladesh L Barbados R Belarus R Belgium R Belize R Benin L Bermuda L Bhutan R Bolivia R Bosnia and Herzegovina L Botswana R Brazil R British Indian Ocean Territory (Diego Garcia) L Brunei R Bulgaria R Burkina Faso R Burundi R Cambodia R Cameroon R Canada R Cape Verde L Cayman Islands R Central African Republic R Chad R Chile R China, People's Republic of (Mainland China) L Christmas Island (Australia) L Cocos (Keeling) Islands (Australia) R Colombia R Comoros R Congo L Cook Islands R Costa Rica R Croatia R Cuba L Cyprus R Czech Republic R Denmark R Djibouti L Dominica R Dominican Republic L East Timor R Ecuador R Egypt R El Salvador R Equatorial Guinea R Eritrea R Estonia R Ethiopia L Falkland Islands R Faroe Islands (Denmark) L Fiji R Finland R France R French Guiana R French Polynesia R Gabon R Gambia, The R Gaza Strip R Georgia R Germany R Ghana R Gibraltar R Greece R Greenland L Grenada R Guadeloupe (French West Indies) R Guam R Guatemala L Guernsey (Channel Islands) R Guinea R Guinea-Bissau L Guyana R Haiti R Honduras L Hong Kong R Hungary R Iceland L India L Indonesia R Iran R Iraq L Ireland R Israel L Isle of Man R Italy R Ivory Coast L Jamaica L Japan L Jersey (Channel Islands) R Jordan R Kazakhstan L Kenya L Kiribati R Korea, Democratic People's Republic of (North Korea) R Korea, Republic of (South Korea) R Kuwait R Kyrgyzstan R Laos R Latvia R Lebanon L Lesotho R Liberia R Libya R Liechtenstein R Lithuania R Luxembourg L Macau R Macedonia R Madagascar L Malawi L Malaysia L Maldives R Mali L Malta R Marshall Islands R Martinique (French West Indies) R Mauritania L Mauritius R Mayotte (France) R Mexico R Micronesia, Federated States of R Midway Islands (USA) R Moldova R Monaco R Mongolia L Montserrat R Morocco L Mozambique R Myanmar (Burma) L Namibia L Nauru L Nepal R Netherlands R Netherlands Antilles (Curacao, St. Maarten, St. Eustatius, Saba) R New Caledonia L New Zealand R Nicaragua R Niger R Nigeria L Niue L Norfolk Island (Australia) R Northern Mariana Islands (Saipan) R Norway R Oman L Pakistan R Palau R Panama L Papua New Guinea R Paraguay R Peru R Philippines L Pitcairn Islands (Britain) R Poland R Portugal R Puerto Rico R Qatar R Reunion R Romania R Russia R Rwanda R Saint Barth駘emy (French West Indies) L Saint Helena L Saint Kitts and Nevis L Saint Lucia R Saint Martin (French West Indies) R Saint Pierre and Miquelon (France) L Saint Vincent and the Grenadines R Samoa R San Marino R Sao Tome e Principe R Saudi Arabia R Senegal L Seychelles R Sierra Leone L Singapore R Slovakia R Slovenia L Solomon Islands R Somalia (a part of Somalia trying to assert independence, Somaliland, drives on the left) L South Africa R Spain L Sri Lanka R Sudan L Suriname R Svalbard (Norway) L Swaziland R Sweden R Switzerland R Syria R Taiwan R Tajikistan L Tanzania L Thailand R Togo L Tokelau (New Zealand) L Tonga L Trinidad and Tobago R Tunisia R Turkey R Turkmenistan L Turks and Caicos Islands L Tuvalu L Uganda R Ukraine R United Arab Emirates L United Kingdom R United States R Uruguay R Uzbekistan R Vanuatu R Venezuela R Vietnam L Virgin Islands (British) L Virgin Islands (US) R Wake Island (USA) R Wallis and Futuna Islands [Fr.] R West Bank R Western Sahara (ex Spanish Sahara) R Yemen R Yugoslavia (Serbia and Montenegro) R Zaire L Zambia L Zimbabwe


「世界の右と左」、『世界の 太陽、月の呼ばれ方(男性名詞、女性名詞、中性名詞)」、『世界の右側・左側通行』はそれぞれ発展しながら相互に刺激し合って、大きく展開していけそうです。

この多文化理解事典は、さまざまな文化に触れ合い、互いが理解し合うことを世界中の方々とともに目指しています。

他文化を知ることは実は自分の文化を知ることに繋がるように思います。この事典を読みながら、世界中の方々は「おもしろい!」「びっくり!」と、異なる文化だけを見ているつもりでも、「違う」「似ている」「同じ」と感じたときから自分の文化をより深く見つめ始めているのじゃないかと思います。

自分のことが知りたいとき、自分を深く見つめるのが一番効率的に見えますが、実はそうではないのかもしれません。他人という存在があって初めて自分が見えてくるように思います。他人の中に自分を映す鏡があるのだと思います。

Multiculturalpediaは多文化理解事典です。自文化理解事典と言いかえることもできると思います。
 「世界の右と左」についてのご感想(一言でも)、情報など何でも、ひろばに寄せていただければありがたく存じます。

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