47GHz同軸システムへの道
47GHzモジュール開発の5年
現在までアマチュアによる47GHzに関する製作ではすべてのシステムで導波管が使われてきました。当局も最初の4年ほどは導波管による開発を続けてきましたが(ミキサー、ローカル逓倍等)、ここ1年ほどは同軸導波管変換部の再現性をいかに出すかということに専念してきました。数々の文献を参考にしていろいろな方法(Van Heuben, Finline, slotline, 1/4λプローブ、リッジ導波管等)をテスト、検討した結果、47GHzにおいては製作精度の1mmの違いで"かなり"というか"まったく使えるか、使えないか"の違いがでてしまうことに行詰まってきました。さらに47GHzの導波管変換部を、銅製の導波管部材から切り出した上に手作りでくみ上げるのはさらに再現性の上で問題が生じます。そのためアルミブロックからの削り出しによって変換部を3ディメンションで再現し、上下、または左右のブロックを組み合わせて製作する手法を取り入れてみましたが、こちらはブロックの製作工賃がまだ安いといえるレベルではなく、しばらくこの問題を解決しなくては前に進めない状態が続きました。
同軸システム
同軸システムはここ数年その守備範囲を広げ、標準的な3.5mmのしすてむで26.5GHz/34GHz,2.4mmのシステムで数年前には40GHzだったものが今では50GHzまで拡張されています。また一般的な商用分野でもっとも広帯域な1.85mmシステムでは65GHzまでに及んでいます。最近IEEEで標準化された1.0mmシステムではなんと110GHzまで保証されています。
こういった状況を踏まえ、昨年末にはある程度導波管システムに見切りをつけ、同軸コネクターのカタログをいくつかめくっているとMACOMのカタログでとても魅力的な製品を見つけました。それまでのWiltronのKコネクターや、Vコネクター、MACOMの2.4mmコネクターなどはすべてBeadというハーメチック部品をボディーにはんだ付けし、さらにコネクター本体の取り付けには、特殊なドリルで彫りこんだ穴をさらに特殊なタップで溝を切って穴加工しなければならず、それらの工具代だけでも数万円してしまうのには泣かされていました。しかもそれらの加工はしっかりとしたボール盤やフライス盤で行わないと、まともな精度が出ず設備の面でも一般的なアマチュアには難しいものです。
ところがMACOMのカタログには一般的なテフロンの絶縁体を持った製品がオス・メス一種類ずつ載っているのです。まったくの灯台下暗しとはこの事です。外観は4点止めのSMAと同じで、裏側の中心動体は直径2.0mmのテフロン絶縁体が直径0.6mmの中心導体をサポートしています。長さは最大6.0mmということで、当局が紹介したヒロセのHRM300-110Sのテフロン部3.2mmよりは長くなっています。ちなみにHRM300-110Sのテフロン絶縁体は直径2.1mm/0.65mmとなっていてコネクター部のみSMAとなっているために上限が24GHz以上となっていますが,他の部分は50GHz対応のコネクターと似通っているというのは面白い話しです。
というわけで今この簡単に使えるOS50コネクターを使って、アンプを製作しています。使用するデバイスはNE32984DとNE325S01です。NE325S01はプラスチックパッケージですが、ゲイン性能はNE32984Dとまったく代わらないためです。またPCBの小型化にあわせ、デバイス自身の性能アップをもくろんでパッケージを削って薄くする加工を計画しているため、削りやすいプラスチックは好都合です。ただ問題はコネクターの納期で4月にならないとやってきません。PCBはRT/Duroid5880の5mil(0.125mm)厚を使用しています。1/4λが1mmなのでかなりこまかい作業が要求されますし、50オームラインは0.4mm幅ですのでバイアスラインもかなり細くなり、製作には細心の注意が必要です。
なにはともあれHB9MIN(3段で10dBのゲインと10mW出力)に続き、早く具体的なアンプを実現したいところです。
簡単に使えるOS50コネクター
8551-1201-02 オス
8552-1201-02 メス
価格は1個55ドル程度とのことです。

