最新デバイス情報


NEC HEMT

NECは今までの概念を打ち破るプラスチックパッケージのHEMTを開発し販売を開始しました。

型名 NF ゲイン 周波数

NE334S01 << 今回の発表で9GHz以下で業界最低NF

NF
Gain
周波数
0.23dB
17.0dB
2.0GHz
0.28dB
14.7dB
6.0GHz
0.38dB
12.5dB
10.0GHz

NE325S01 << NE32984Dの一つ前のデバイス

NF
Gain
周波数
0.40dB
13.6dB
10.0GHz
0.45dB
12.5dB
12.0GHz

参考値

NE32984D << 12GHzで業界最低NF

NF
Gain
周波数
0.29dB
20.0dB
2.0GHz
0.31dB
16.5dB
6.0GHz
0.37dB
13.6dB
10.0GHz
0.40dB
12.5dB
12.0GHz

これらのデバイスで特筆すべきことは、ΓOPTがスミスチャートの真ん中により近いところにあることです。これはノイズ性能を最良の点に調整することが楽になるばかりでなく、マッチング回路による損失がスミスチャートの外周に近いところにあるデバイスに比べて、より少なくなるということです。これはより低NFを追求するEMEなどの用途や、NFコンテストで一等賞をねらおうなどと考えている場合には大変重要な点です。ちなみにΓOPTはNE32984Dが

NE332984D

Mag
Angle
周波数
0.85
20°
2.0GHz
0.68
63°
6.0GHz
0.56
111°
10.0GHz
0.52
137°
12.0GHz

に対して

NE334S01

Mag
Angle
周波数
0.77
15°
2.0GHz
0.43
82°
6.0GHz
0.27
175°
10.0GHz
0.27
-139°
12.0GHz

NE329S01

Mag
Angle
周波数
0.36
102°
10.0GHz
0.27
139°
12.0GHz

となっています。

これを見ても分かる方に、たとえばNE334S01は10GHzでは0.27/175°とほとんどスミスチャートの中心に近く、極端にいえば50オームラインに直接載せて何もマッチングを取らなくても十分低NFなアンプが実現できるのではないか、ということです。これはシミュレータでちゃんとデータを入れてやって検討しなければ正確なことはいえませんんが、かなりのせんが出そうです。データシートにはConstant Noise Circleは4GHzのデータしか載っていませんが、4GHzでさえもセンターで0.7dB程度は出ています。

なぜNE334S01の低域での特性がいいのでしょうか? それはゲート幅のデザインがKuバンド用のデバイスと違うせいです。NE334S01のゲートは280ミクロン幅に対し、NE329,NE325は200ミクロンを採用しています。一般的にゲート幅が長いとより低周波向け、短いと高域の特性が向上するという傾向があります。NECは以前からゲート幅の長いCバンド用HEMTを開発してきました(NE332)。NE334S01はそのラインの最先端デバイスです。

当局はNE32984Dにより10GHzで0.6dBていどは得られていますから、同程度は簡単に出そうです。問題は入力コネクターと結合コンデンサによるロスをいかに小さくするかでしょう。

なお価格ですが、これら2点のデバイスは1000個、4000個単位での受注になっています。なんとか100個単位で入手しましたが、それぞれ350円でした。今後のことはどうなるか分かりませんが、かなりの交渉を必要としました。1000個単位で買えば、あと100円くらいは下がるでしょう。何といっても価格の安いプラスチックパッケージなのですから。

以上簡単ですが最新デバイス情報をお送りしました。