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『中国足球』の謎
2002年2〜3月ごろ製作された胡軍主演のテレビドラマ『中国足球』は、放映された気配のないまま(大陸のどこかでひっそりとかかったのだろうか?)いつの間にか『危機』と改題されてVCDが発売された。中国サッカーチームがワールドカップに晴れて出場するというきわめてタイムリーなドラマだったはずで、共演も耿楽(コン・ラー)、黄海冰(ホァン・ハイピン)と十分にキャッチーなハンサムスター。それが、VCDが出てみたら、ジャケット(左写真)もタイトルも思いっきり黒社会ノリになっていることが判明し、「なんで?どして?」と首をひねりつつも2002年8月、北京へ遊びに行ったさいに書店のVCDコーナーでゲットした。あらためて、どー見てもサッカードラマには思えんが、中身はどうでも胡軍目当てなこちらとしては「買うのをやめる」などという選択肢は最初からないわけで、もちろん速攻買い。
中国チームが実際のワールドカップで今いち活躍できなかったためにドラマ放映の醍醐味もなくなり扱いがしょぼくなったんじゃないかとか、さらにモノホンのW杯で八百長疑惑を生ぜしめる局面があったことからW杯のダークサイトを描いた物語部分が逆にクローズアップされたんじゃないかとか、そんな見方もされていて、本当のところは知らないが、いずれにしても胡散臭さのただようジャケ写である。
さて、市内の書店を何軒か回ったときには見つけることができなかったが、出国時の北京空港でこの作品のノベライズ本(現代出版社刊・左下写真)を発見した。これがまたびっくりで、タイトルは当初のまんまの『中国足球』。表紙はごらんのとおりスポ根もの系。。。つまり本が出たあとでタイトルもセールスポイントも変えられたものと思われ、何をどういじくったらこうも印象のちがう売り方になるもんだ か、ナゾは深まるのであった。
飛行機の中で本を読み始めたところ、最初の1章、いや、それ以前に登場人物紹介の段階で、当たってほしくなかった予感が的中してしまった。すなわち、「マジですか?」と引くような話だったのである。何より主人公(ドラマで胡軍が演じる役)がどうにもこうにも困ったちゃんなキャラクラー。男気にあふれる、しかしその方向性は果てしなく勘違いしている、およそこのような人物がチームのキャプテンをつとめてはいけないでしょうというような、30年前の少年マンガじゃないんだからさぁみたいな設定なのだ。で、もちろん話の展開には八百長あり訴訟あり失恋あり背水の陣あり友情あり再起ありと、絵にかいたような波瀾万丈。だからって危機というタイトルじゃ、ひねりがなさすぎませんかね。
とまぁ、ぼろくそ言ってしまったけど、胡軍本人もどうやらこの作品を気に入ってないらしいんで、ご愁傷様というべきかもしれないです。さりとて、ファン的には、しょうもない作品でも贔屓の俳優の一挙一動を見る楽しみは大きいものだし、絶え間なくツッコミを入れつつ見るのもまた一興かと。。。

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