今日のピース君 *Sometimes       絵 5*SEASON





TODAY MESSAGE
2002/9/15
by 5*SEASON




もう10年以上も前の話になってしまうけれど、
フランスのパリに2ヵ月間滞在したことがあって。
当時 私は25歳の無職で、“自分捜し”の まっただ中。
いったい自分に何が出来るのか、何をやりたいのか、
それを見つけるため、単身パリへ旅立った…
というのは表向きで、
本音は花の都パリで異国情緒に浮かれ、
フラフラと遊んでみたかっただけ。
その時、私はパリにある外国人のための
「フランス語学校」へ短期入学してみたりなんかした。
といっても、しっかりした目的はなく、ただの興味本位。

私のクラスは20人程度、
その半数は観光目的のお気楽な日本人(私含む)。
あとはアメリカやカナダ、南フランスからやって来た若者で、
彼らがパリへ来た目的はハッキリしていて、
パリの大学で勉強すること。
そのためにはフランス語会話は必修だったのだ。
ゆえに授業は、
常に目的をもった人たちのペースで進んだのは いうまでもない。

“彼ら”は休み時間、よくフランス語と英語を交えて議論をしていた。
日本語しか話せない私は、その様子を遠くから見ているだけだったけど、
彼らの熱っぽさは充分伝わってきたので、
同じ年頃の人間がなんてしっかりしているんだろうと目を白黒させていた。

ある時、“彼ら”の議論が『世界平和』に及んだ時のこと。
“彼ら”の一人がボーッと傍観していた私に こう問いかけてきた。
「日本は世界平和のため、どう貢献したいと考えているのか?」
私は答えられなかった。
それまで「世界平和」はおろか、
「日本」の行政などは考えたことがなく、自分のことで精一杯だったから。
「イッツア ホープ…」、そう答えて黙り込んでしまった私に、
“彼ら”は逆に興味を持ったらしく、矢継ぎ早に質問されてしまった。
「日本人はなぜ、そんなにシャイなのか?」
「日本はヒロシマ・ナガサキを、どう とらえているのか、
平和について話さないの か?」
「中東問題をどう考えているのか?」

あの時、“彼ら”は私を一人の日本人としてではなく、
「日本」という国家として見ていた。いわば、私が日本の窓口になっていたのに、
私は満足に答えることが出来ず、ひたすら顔を赤らめていただけ。
英語もフランス語も話せないという劣等感以前に、
“話すべき考え”のない自分が惨めで、
きちんと「平和」について、
自分の意思を示している同じ年頃の“彼ら”が、
えらく大人に思えたものだ。たぶん、
精神年齢が10年は遅れていたのではなかろうか。
「平和」について語るなんてこと、
それまでの私はダサイ政治家に任せておくことで、
もしも友だちの間で話題にしようものなら、
“ややこしい人”だと思われてしまう…と避けていた自分が小さく思えた。

そう、日本人の心根には、
どこか「平和」を語るのはキザだ、恥ずかしいという想いがある。
けれど、『9・11』という日付の今日、
おそらく「平和」について何かしら思う人が多いはず。

私がパリへ行ってから、10年以上もの月日が流れ、
ようやく「平和が一番♪」だと、大きな声で伝えたい、
そう思えるようになったのは、
自分の目指すものがハッキリしていることと、
あの頃より 「自分が好き」になったから、かな。
いえ、それだけでなく、去年のあの日から一年が過ぎ、
多くの日本人が平和について
真剣に考えているはずだと信じているから。

ということで、V ピース!ですねぇ〜。
「ピースくんカード」、よろしくね!
    5*SEASON



ピース ルームより






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